3×3の魔方陣の作り方

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縦・横・斜めの数の和がすべて等しくなるように数が配置される魔方陣。今回は3×3の魔方陣の論理的な作り方を考えてみました。
Ⅰ 魔方陣とは
Ⅱ 3×3魔方陣の作り方


★魔方陣の関連記事はこちら↓★
・「3×3魔方陣のもつ性質
・「3×3魔方陣のすごい性質
・「積の魔方陣
・「3×3×3の立方陣」(立体バージョンの魔方陣)


Ⅰ 魔方陣とは

 「まほうじん」と聞くと、ゲーム等で出てくる「魔法陣」を思い浮かべる方もいますが、数学の「まほうじん」は魔法の四角形という意味合いで「魔方陣」と書きます。英語にすると"magic square"です。まずは、この魔方陣の定義を確認しておきましょう。

魔方陣の定義

\(~n\times n~\) の魔方陣とは、 \(~1,2,\cdots,n^2~\) の自然数を \(~n\times n~\) の正方形のマスに入れ縦・横・斜めの数の和が一定になるものを言う。

つまり、合計8ラインそれぞれの和が等しくなるように数の配置を考えてあげなければなりません。

今回は1~9の自然数が入る3×3の魔法陣を論理的に作ってみたいと思います。


Ⅱ 3×3魔方陣の作り方

こういったパズル要素のある問題は、普通あれやこれやと試行錯誤をしながら埋めていきますが、これを数学的に解決します。

3×3の魔方陣の作り方

①1ラインの和を求める
②中央の数を求める
③1の場所を求める
④1の周りを埋める
⑤全マス埋める

ということで、各手順を1つずつ細かく見ていきましょう。
 

①1ラインの和を求める

まずは、次のような魔法陣を考えます。

\(~a~\) ~ \(~i~\) にはそれぞれ1~9の自然数が1つずつ入るものとします。
このとき、次の式が成り立ちます。
\begin{align}
&a+b+c+d+e+f+g+h+i \\
&=1+2+3+4+5+6+7+8+9 \\
&=45
\end{align}
この式から、
\begin{equation}
(a+b+c)+(d+e+f)+(g+h+i)=45
\end{equation}
がわかり、それぞれの項が各行の和を表すことから、1行中の3つの数の和は15ということがわかりました。
 

②中央の数を求める

次に、中央の数を通る4ラインの和について考えると、次の等式が成り立ちます。

\begin{equation}
(a+e+i)+(b+e+h)+(c+e+g)+(d+e+f)=15 \times 4
\end{equation}


\begin{align}
&(a+e+i)+(b+e+h) \\
&+(c+e+g)+(d+e+f)=15 \times 4
\end{align}

これを式変形していくと、

\begin{align}
(a+b+c+d+e+f+g+h+i)+3e&=60 \\
45+3e&=60 \\
3e&=15 \\
e&=5
\end{align}


\begin{align}
(a+b+c+d+e+f& \\
+g+h+i)+3e&=60 \\
45+3e&=60 \\
3e&=15 \\
e&=5
\end{align}

となり、中央に入る数は \(~e=5~\) とわかりました。

 

③1の場所を求める

1と同じライン上に配置できる数の組み合わせが少ないことから、1について考えていきます。
1と残り2数を使って、和が15になるようにするためには、
\begin{equation}
5と9の組み合わせ \\
6と8の組み合わせ \\
\end{equation}
しかありません。ということは、四隅( \(~a,c,g,i~\) )は3ラインに絡んでくるため、1を配置することができません。
すなわち、1は \(~b,d,f,h~\) のどこかに配置されるとわかりました。
 

④1の周りを埋める

③で1が \(~b,d,f,h~\) のどこかに配置されることがわかりましたが、魔方陣は左右・上下対称なので、どこに置いても最初の1つは問題ありません。今回は \(~b=1~\) で話を進めます。

③より、1と同じライン上には、5と9の組み合わせか6と8の組み合わせしかありませんでした。
よって、2列目を見れば \(~h=9~\) がわかります。

次に、1行目の \(~a,c~\) には6と8が入ることがわかりますが、魔方陣は左右対称であることから、 \(~a,c~\) どちらを6にしても問題はありません。今回は \(~a=6~\) ということにします。したがって、 \(~c=8~\) です。

 

⑤全マス埋める

ここまでくればあとは自然に埋まります。斜めに注目すれば、
\begin{equation}
8+5+g=15 \\
6+5+i=15
\end{equation}
という等式から、 \(~g=2,i=4~\) がわかります。

1列目、3列目に注目すれば、
\begin{equation}
6+d+2=15 \\
8+f+4=15
\end{equation}
という等式から、 \(~d=7,f=3~\) がわかります。

これで論理的に全てのマスが埋まりました。確かに縦・横・斜めの全8ラインのそれぞれの和は15で等しくなっています。


数学得意の数式や背理法を使えば、パズルも機械的に解くことができましたね。次は、魔方陣に成り立つことを考えてみたいと思います。

   
 
 


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Posted by Fuku