難しい極限①


「限りなく近づける」という難解な動作を可能にする極限。その中でも難関大学の入試問題や数検1級、数学オリンピックで出てくるような、難しめの極限の問題を紹介します。
 
 


「限りなく近づける」という難解な動作を可能にする極限。その中でも難関大学の入試問題や数検1級、数学オリンピックで出てくるような、難しめの極限の問題を紹介します。


問題

次の極限を求めよ。
\begin{equation}
\displaystyle \lim_{x \to 0}{\frac{x-\sin{x}}{x^3}}
\end{equation}

 あの定理を使えば簡単にできますが・・・。それ以外の方法を考えられるとすごい!!


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解答

\begin{equation}
\displaystyle \lim_{x \to 0}{\frac{x-\sin{x}}{x^3}}=\frac{1}{6}
\end{equation}

まずはロピタルの定理で解いてみましょう。

解法1

  $~x-\sin{x}~$ と $~x^3~$ は共に $~x \to 0~$ のとき、 $~0~$ に近づくため、ロピタルの定理が使える。
よって、
\begin{align}
\displaystyle \lim_{x \to 0}{\frac{x-\sin{x}}{x^3}}&=\lim_{x \to 0}{\frac{1-\cos{x}}{3x^2}} \\
\\
&=\lim_{x \to 0}{\frac{\sin{x}}{6x}} \\
\\
&=\lim_{x \to 0}{\frac{\cos{x}}{6}} \\
\\
&=\frac{1}{6}
\end{align}

ロピタルの定理を3回使うことで、簡単に解くことができます。ただ、大学入試ではロピタルの定理が使えない(あまり大学側に良い印象を与えない)ため、それ以外の解法も考えてみましょう。

解法2

$~x=3t~$ とすると、 $~x \to 0~$ より、 $~t \to 0~$ であるため、
\begin{align}
&\displaystyle \lim_{x \to 0}{\frac{x-\sin{x}}{x^3}} \\
\\
&=\displaystyle \lim_{t \to 0}{\frac{3t-\sin{3t}}{(3t)^3}} \\
\\
&=\displaystyle \lim_{t \to 0}{\frac{3t-(3 \sin{t}-4\sin^3{t})}{27t^3}} \\
\\
&=\displaystyle \lim_{t \to 0}{\frac{3t-3 \sin{t}+4\sin^3{t}}{27t^3}} \\
\\
&=\displaystyle \left( \lim_{t \to 0}{\frac{3(t- \sin{t})}{27t^3}+\frac{4\sin^3{t}}{27t^3} } \right) \\
\\
&=\displaystyle \frac{1}{9}\lim_{t \to 0}{\frac{t- \sin{t}}{t^3}}+\frac{4}{27}\lim_{t \to 0}{\left( \frac{\sin{t}}{t}\right)^3 } \\
\\
&=\displaystyle \frac{1}{9}\lim_{t \to 0}{\frac{t- \sin{t}}{t^3}}+\frac{4}{27} \\
\end{align}
ここで、求めたい極限を $~L~$ とすると、上の式から、
\begin{equation}
L=\displaystyle \frac{1}{9}L+\frac{4}{27}
\end{equation}
よって、この方程式を解けば、
\begin{align}
\displaystyle \frac{8}{9}L&=\frac{4}{27} \\
\\
L&=\frac{1}{6}
\end{align}
が求まる。

左辺は $~x~$ に関する極限、右辺は $~t~$ に関する極限で、同じ形をしているため極限の値は同じになります。
そのため、 $~L~$ に置き換えることができるというのがミソです。あくまで収束することを前提としていますが・・・。


何の脈絡もなしに $~x=3t~$ という置き換えがまず思いつきません・・・。

   

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