ディオファントスの墓

数学雑学式と計算数学雑学

2~4世紀の数学者ディオファントスが、自身の墓に残した一次方程式の問題です。この問題について、考察します。
Ⅰ 問題と解法
Ⅱ 視点を変えた解法


目次
  • 1. Ⅰ 問題と解法
  • 2. Ⅱ 視点を変えた解法

Ⅰ 問題と解法

 古代ギリシャの数学者ディオファントスは方程式の研究をしていました。彼の詳しい生涯については不明であるものの、彼の墓には次のような問題が書かれています。

墓標

 ディオファントスは一生の \(~\displaystyle \frac{1}{6}~\) を少年として、さらに一生の \(~\displaystyle \frac{1}{12}~\) を青年として過ごした。その後一生の \(~\displaystyle \frac{1}{7}~\) を過ぎて結婚し、 \(~5~\) 年後に息子ができた。その子は父の半分しか生きられず、ディオファントスより \(~4~\) 年早く亡くなった。

 「素直に年齢を書けばいいのに・・・」というツッコミはなしにして、方程式を使って解いてみましょう。

解法1

 ディオファントスの享年を \(~x~\) 歳とする。
このとき、文中表現を \(~x~\) で表すと、
\begin{cases}
& 少年時代 \displaystyle \frac{1}{6}x年 \\
\\
& 青年時代 \displaystyle \frac{1}{12}x年 \\
\\
& 結婚まで \displaystyle \frac{1}{7}x年 \\
\\
& 5年経つ。\\
\\
& 息子と生きた期間 \displaystyle \frac{1}{2}x年 \\
\\
& 4年後死す。  
\end{cases}
となる。これを方程式にすると、
\begin{equation}
\displaystyle \frac{1}{6}x+\frac{1}{12}x+\frac{1}{7}x+5+\frac{1}{2}x+4=x
\end{equation}
となる。あとは両辺84倍して、方程式を解くと、
\begin{align}
14x+7x+12x+420+42x+336&=84x \\
-9x&=-756 \\
x&=84 \\
\end{align}
よって、ディオファントスの享年は84歳とわかった。 \(~\blacksquare~\)

これでお墓の問題は解決しました!


Ⅱ 視点を変えた解法

 こんな解き方もできそうです。

解法2

 少年時代等の各期間は普通、整数年で表される。
 
そのため、それぞれの期間が整数であるためには、ディオファントスの享年が6と12と7と2の公倍数、つまり84の倍数でなければならない。
 
しかし、人間の寿命は多く見積もっても120歳ほどである。
 
よって、彼の享年は84歳である。 \(~\blacksquare~\)

 仮定が曖昧ですが、一応筋は通っているように思えます。


 自分もお墓に数学の問題を刻みたいですね。

   
 
 


◇参考文献等
・Bertrand Hauchecorne , Daniel Surratteau(2015)『世界数学者事典』,pp.292,熊原啓作訳,日本評論社.

数学雑学式と計算数学雑学

Posted by Fuku