約数の個数と総和

数学A数論数学A

高校で習う約数の性質について紹介します。 
その中でも、今回触れるのは「約数の個数」と「約数の総和」です。


約数の個数と総和

ある自然数を素因数分解すると、
\begin{equation}
\displaystyle p_{1}^{n_{1}} \times n_{2}^{n_{2}}\times \cdots \times p_{N}^{n_{N}}
\end{equation}
となったとする。このとき、この自然数の約数の個数は次の式で表せる。
\begin{equation}
(n_{1}+1)\times( n_{2}+1)\times \cdots \times (n_{N}+1)
\end{equation}

また、この自然数の約数の総和は次の式で表せる。


\begin{multline}
\displaystyle (1+p_{1}+p_{1}^2+\cdots+p_{1}^{n_{1}})\times (1+p_{2}+p_{2}^2+\cdots+p_{2}^{n_{2}}) \\
\times \cdots \times(1+p_{N}+p_{N}^2+\cdots+p_{N}^{n_{N}})
\end{multline}


\begin{multline}
\displaystyle (1+p_{1}+p_{1}^2+\cdots+p_{1}^{n_{1}}) \\
\times (1+p_{2}+p_{2}^2+\cdots+p_{2}^{n_{2}}) \\
\times \cdots \times(1+p_{N}+p_{N}^2+\cdots+p_{N}^{n_{N}})
\end{multline}

ちょっとわかりにくいので、例を出します。

例題

504の約数はいくつあるか? また、それらの総和を求めよ。

解説

504を素因数分解すると、

\begin{equation}
504=2^3 \times 3^2 \times 7
\end{equation}
よって、約数の数は

\begin{equation}
(3+1)\times (2+1) \times (1+1)=24
\end{equation}
また、約数の総和は
\begin{align}
& (1+2+2^2+2^3)(1+3+3^2)(1+7) \\
&=15\times 13 \times 8 \\
&=1560
\end{align}

実際、504の約数は

1 , 2 , 3 , 4 , 6 , 7 , 8 , 9 , 12 , 14 , 18 ,21 ,
24 , 28 , 36 , 42 , 56 , 63 , 72 , 84 , 126 , 168 , 252 , 504

の24個であり、これらを全てたすと1560になります。
公式を使えば、計算が楽できますね。
 
では、どんなときでも本当になりたつのかを証明してみましょう。

証明

ある自然数を素因数分解した式を考える。
\begin{equation}
p_{1}^{n_{1}} \times p_{2}^{n_{2} }\times \cdots \times p_{N}^{n_{N}}
\end{equation}
この式の意味から考えると、この自然数はある素数
 
\(~ p_{1} \)が\( n_{1} \)回、
\(~ p_{2} \)が\( n_{2} ~\)回、

・・・

\(~ p_{N} \)が\( n_{N} \)回
 
かけられているという意味である。

よって、この自然数の約数は、
 
素数\( p_{1} \)を何回か(0回から\( n_{1} \)回まで)
素数\( p_{2} \)を何回か(0回から\( n_{2} \)回まで)

・・・

素数\( p_{N} \)を何回か(0回から\( n_{N} \)回まで)
 
かけたものの組み合わせで示される。

よって、
 
素数\( p_{1} \)で0回から\( n_{1} \)回までで\( n_{1}+1 \)通り
素数\( p_{2} \)で0回から\( n_{2} \)回までで\( n_{2}+1 \)通り\(~ \dots ~\)
素数\( p_{N} \)で0回から\( n_{N} \)回までで\( n_{N}+1 \)通り
 
以上により、約数の場合の数は、
\(~ (n_{1}+1)\times(n_{2}+1)\times\cdots\times (n_{N}+1) \)通りとなることが示された。\( \blacksquare \)
 

次に、約数の総和を考える。
ここでは、簡単に2つの素数を因数に持つ自然数について考える。

この自然数を素因数分解すると、次のように分解される。
\begin{equation}
p_{1}^{n_{1}} \times p_{2}^{n_{2} }
\end{equation}

この自然数の約数を全て書き出すと、
\begin{align}
& p_{1}^{0} p_{2}^{0}, p_{1}^{0} p_{2}^{1}, p_{1}^{0} p_{2}^{2},\cdots, p_{1}^{0} p_{2}^{n_{2}} \\
& p_{1}^{1} p_{2}^{0}, p_{1}^{1} p_{2}^{1}, p_{1}^{1} p_{2}^{2},\cdots, p_{1}^{1} p_{2}^{n_{2}} \\
\end{align}

・・・

\begin{align}
&p_{1}^{n_{1}} p_{2}^{0}, p_{1}^{n_{1}} p_{2}^{1}, p_{1}^{n_{1}} p_{2}^{2},\cdots, p_{1}^{n_{1}} p_{2}^{n_{2}}
\end{align}

よって、これらを全てたすと、


\begin{multline}
p_{1}^{0}( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2}+\cdots,+p_{2}^{n_{2}})+p_{1}^{1}( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2}+\cdots,+p_{2}^{n_{2}})+  \\ 
\cdots+p_{1}^{n_{1}}( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2}+\cdots,+p_{2}^{n_{2}})
\end{multline}
\(~= ( p_{1}^{0}+ p_{1}^{1}+p_{1}^{2}+\cdots +p_{1}^{n_{2}})( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2}+\cdots+p_{2}^{n_{2}}) \)


\begin{multline}
p_{1}^{0}( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2}+\cdots +p_{2}^{n_{2}}) \\
+p_{1}^{1}( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2} +\cdots +p_{2}^{n_{2}})  \\ 
+\cdots+p_{1}^{n_{1}}( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+p_{2}^{2}+\cdots+p_{2}^{n_{2}})
\end{multline}
\(~= ( p_{1}^{0}+ p_{1}^{1}+\cdots+p_{1}^{n_{2}})( p_{2}^{0}+ p_{2}^{1}+\cdots+p_{2}^{n_{2}}) \)

 
となり、求めたい式の形になった。素因数が3つ以上になる場合も同様に考えることで、約数の総和の式が証明できる。\( \blacksquare \)

厳密ではないかもしれませんが、一応証明ができました。文字式ばかりで見にくいですよね・・・。この証明はどのような考え方を使っているのか、もう1つ例を挙げて説明します。

例題

18の約数はいくつあるか? また、それらの総和を求めよ。

解説

 18を素因数分解すると、
\begin{equation}
18=2\times 3^2
\end{equation}
となる。
18の約数は素数2と3の組み合わせで成り立ち、
2は0回か1回、3は0回か1回か2回かけることで約数ができる。
そのため、約数の数は2通り\( \times \)3通り=6通り。
よって、約数の数は6個である。
 

実際、2次元の表で考えてみると、

\(\times \) \(2^0=1 \) \(2^1=2 \)
\( 3^0=1 \) 1 2
\(3^1=3 \) 3 6
\(3^2=9 \) 9 18

↑ということになり、約数6つが現れた。
 
また、これらの約数を全てたすと、
\begin{align}
&1+3+9+2+6+18 \\
&=(1+3+9)+2(1+3+9)  \\
&=(1+2)(1+3+9)  \\
&=(2^0+2^1)(3^0+3^1+3^2)\\
&=39
\end{align}
となり、約数の総和は39と求められる。


以前、社交数について中学生に説明したところ、「約数の和の公式がわからない!!」と言われたため、今回の記事を書きました。例や表を使って、わかりやすく書けたかな?と思います。

   
 
 

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Posted by Fuku