=の由来

文化史文化史

方程式などの等式を書く上で欠かせない記号である等号(=)。その由来を紹介します。
Ⅰ 等号の誕生
Ⅱ 等号が定着するまで


目次
  • 1. Ⅰ 等号の誕生
  • 2. Ⅱ 等号が定着するまで

Ⅰ 等号の誕生

 「代数」という学問が発展する16~17世紀以前、式を立てて計算をするという文化がなかったため、等号は必要ありませんでした。なぜなら「2に3を加えると5になる」という事象をわざわざ「2+3=5」と表す必要性がなかったからです。しかし、未知数 \(~x~\) を使った方程式を解いていくにあたって、等号の必要性が高まっていきました。
 
等号(=)の初登場は1557年、イギリスのロバート・レコードが書いた『知恵の砥石』です。この本は算術、無理数、平方根の計算、代数方程式に関することが書かれています。例えば、次のような問題が載っていました。

問題

公爵、伯爵、兵士から編成されている軍隊がある。それぞれの公爵は、公爵の人数の2倍の人数の伯爵を従えており、それぞれの伯爵は、公爵の人数の4倍の兵士を従えている。兵士の人数の200分の1は、公爵の人数の9倍である。公爵,伯爵,兵士はそれぞれ何人いるか。
 
解答はこちら

さて、著者のロバート・レコードはこの本を書くにあたって、「~に等しい」という言葉の繰り返しを避けるために

一対の平行線

を、その言葉の代わりに使いました。理由は平行線ほど等しいものはないからです。

=の誕生

“=" は平行線に由来している。

当初は今よりも横に長かった。


Ⅱ 等号が定着するまで

 1557年に “=" が生まれた後、現在のような定着度に至るまで時間を要しました。なぜなら、有名な数学者フェルマー(1601~1665)やパスカル(1623~1662)は “equal" のラテン語である “aequales" の頭文字 “aeq” を使ったり、デカルト(1596~1650)は “ae" を簡略化した記号を使ったりしていたからです。

“aequales"に由来する等号

・フェルマーやパスカルの使った等号

・デカルトの使った記号

しかし、その後ニュートン(1642~1727)が “=" を使ってから、勢力を伸ばしていき、ライプニッツ(1646~1716)が使うようになって、完全に統一されました。そのため、現在世界中で広まり使われています。


ニュートンやライプニッツの影響力、すごいですね。

   
 
 


◇参考文献等
・ヴィクターJ.カッツ(2009)『カッツ 数学の歴史』,pp.404-405,p432,上野健爾監訳,三浦伸夫監訳,中根美知代訳,高橋秀裕訳,林知宏訳,大谷卓史訳,佐藤賢一訳,東慎一郎訳,中沢聡訳, 共立出版.
・片野善一郎(2014)『数学用語と記号ものがたり』,pp24-25,裳華房.
・岡部恒治,川村康文,長谷川愛美,本丸諒,松本悠共著(2014)『身近な数学の記号たち』,pp20-21,Ohmsha.

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Posted by Fuku