1=2の証明??②

数学間違い探し第5弾。こんなところ、あんなところにも間違いが隠れています。


命題??

 次の数式が成り立つ。
\begin{equation}
1=2
\end{equation}

 以前にも「1=2の証明??」という記事で、同様の命題を「証明??」しました。今回はまた違った証明方法です。

証明??

次の等式を考える。
\begin{equation}
-2=-2
\end{equation}
 
① 両辺の $~-2~$ を異なる式で表す。
\begin{equation}
1-3=4-6
\end{equation}
 
② 両辺に $~\displaystyle \frac{9}{4}~$ をたす
\begin{equation}
\displaystyle 1-3+\frac{9}{4}=4-6+\frac{9}{4}
\end{equation}
 
③ 両辺それぞれ因数分解をする

\begin{align}
\displaystyle 1^2-2\times 1 \times \frac{3}{2}+\left( \frac{3}{2} \right)^2 &=2^2-2\times 2 \times \frac{3}{2}+\left( \frac{3}{2} \right)^2 \\
\\
\left( 1- \frac{3}{2} \right)^2 &= \left( 2 – \frac{3}{2} \right)^2 \\
\end{align}


\begin{align}
&\displaystyle 1^2-2\times 1 \times \frac{3}{2}+\left( \frac{3}{2} \right)^2 \\
&=2^2-2\times 2 \times \frac{3}{2}+\left( \frac{3}{2} \right)^2 \\
\\
&\left( 1- \frac{3}{2} \right)^2 = \left( 2 – \frac{3}{2} \right)^2 \\
\end{align}

 
④ 両辺、平方根をとる
\begin{equation}
\displaystyle 1- \frac{3}{2}= 2- \frac{3}{2}
\end{equation}
 
⑤ 両辺に $~\displaystyle \frac{3}{2}~$ をたす
\begin{equation}
1 = 2
\end{equation}
 
よって、題意は示された。  $~\blacksquare~$

 今回は前回までと同じトリックは使っていません。では、どこが問題なのでしょうか・・・。
 


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証明の穴

④が間違っています。
 
 「平方根をとる」ということは、「 $~a~$ から $~\sqrt{a}(>0)~$ にする」式変形のことです。
 ですので、実際は「の平方根をとる」ことになります。
 
 すなわち、④の式変形では、
\begin{equation}
\displaystyle \left| 1- \frac{3}{2} \right| = \left| 2- \frac{3}{2} \right|
\end{equation}
 と、絶対値を考えてあげねばならないのです。
 
 したがって、上の式を続けて変形していくと、
\begin{align}
\displaystyle \left| – \frac{1}{2} \right| &= \left| \frac{1}{2} \right| \\
\\
\frac{1}{2} &=\frac{1}{2}
\end{align}
 となり、等式が成り立ちます。 $~\blacksquare~$

 ①も怪しかったですが、問題なく成り立っています。二重根号を外すときと同様、 $~\sqrt~$ の扱い方には気を付けなければなりませんね。
 


間違い定番の「÷0」ではないところに間違いがありました。数学は正しく理解しておかないと、大変なことになってしまいます・・・。

   
 
 

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◇参考文献等
・アルフレッド・S・ポザマンティエ/イングマール・レーマン(2015)『数学まちがい大全集』,pp.108-109,堀江太郎訳,化学同人.

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