64=65??
数学間違い探し第6弾。有名な図形のトリックです。
次の数式が成り立つ。
\begin{equation}
64=65
\end{equation}
毎回同じことを言いますが、これが正しいとすると数学、いや、算数から崩壊します。
小学校のテストで \(~8 \times 8=65~\) と書いても〇になってしまいますね。
次の面積 64(\(=8 \times 8\))の正方形を考える。
この正方形を、次のような台形2種類と、直角三角形2種類に分ける。
台形と直角三角形を、次のように並び替え、長方形にする。
すると、この長方形の面積は 65(\(=5 \times 13\))となるため、
\begin{equation}
64=65
\end{equation}
は示された。 \(~\blacksquare~\)
さぁ、図形のトリックを見破れますか??
ちなみに、このトリックは『不思議の国のアリス』の著者であるルイス・キャロルが考えたものです。
謎解きはこちら
◇参考文献等
・アルフレッド・S・ポザマンティエ/イングマール・レーマン(2015)『数学まちがい大全集』,pp.178-179,堀江太郎訳,化学同人.
ディスカッション
算数の質問です。「①Aさんは老人で歩くのが遅いです。1km離れたスーパーには行きは3時間、帰りは疲れるので4時間掛かります。スーパ-ーの往復のときのAさんの歩く平均速度は時速何キロメートルでしょうか。分数で答えて下さい。② ご主人は1km離れたスーパーには3時間、奥さんは同じスーパーには4時間掛かります。スーパーまでの二人の平均速度は時速何キロメートルでしょうか。分数で答えて下さい。」で、答えは、①は1+1/3+4で2/7km/時、②は(1/3+1/4)/2で7/24km/時となりそうですが、なぜ異なることになるのかいまいち不明です。統計学の本では、調和平均とかなんとかわけわからん言葉でごまかされています。はっきりした解明を宜しくお願いします。私は「gontanoe」という算数パズルブログを発信している73歳の男性です。
ご質問ありがとうございます。
①と②の大きな違いは、登場人物が1人が2人という点です。
①はAさんだけなので、Aさん1人に注目すると、
Aさんは往復で合計2km歩き、往復で合計7時間かかっています。
そのため、
\begin{equation}
2 \div 7=\displaystyle \frac{2}{7}
\end{equation}
がAさんの平均の速さです。
Aさん1人なので、このスピードで7時間歩けば、一定の速度でスーパーを往復することができます。
逆に、②はご主人と奥さんの2人であり、①と同じ方法で速さを均すことはできません。
お互い1kmずつしか歩いていないので、それを2人合わせて2km÷7時間は無茶な考え方です。
テストの点数の平均や野球のピッチャーの球速の平均のように、速さという数値を平均するしかありません。
そのため、
\begin{equation}
\displaystyle \frac{\frac{1}{3}+\frac{1}{4}}{2}=\frac{7}{24}
\end{equation}
となります。
長くなってしまったので、要約すると、
①はAさんの平均の速さ。
②はご主人と奥さんの速さの平均。
を求めているということです。
もし、①でも「Aさんの行きと帰りそれぞれの速さの平均は時速何kmでしょうか」という問題なら、②と同じ解答になります。