いろいろな長さの単位
いろいろな単位シリーズ第1弾!今回は、長さの単位について扱います。それぞれの単位の由来から、互いの単位の換算プログラムまで含んでいます。
①長さの単位一覧
②\(m\)の定義の変遷
③単位換算プログラム
①長さの単位一覧
単位 | 説明 |
\(~m\) |
・長さの国際単位系である。 ・現在の定義は、「1秒の 299 792 458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ」であり、この定義に至るまで何回か定義の変更が行われている。 →②mの定義の変遷へ |
\( yd \) ヤード (yard) |
・ヤード・ポンド法における長さの基本単位。 ・日本では、漢字で「碼」と書くこともある。 ・\( 1yd = 0.9144m \) ・\( 1yd=3ft=36in \) |
\(~ ft \) フィート (foot) |
・ヤード・ポンド法における長さの単位。 ・「フート」とも言う。 ・人の1歩幅の長さに由来する。 ・\( 1ft = 0.3048m \) ・\( 1ft=\displaystyle \frac{1}{3}yd \) |
\(~ in \) インチ (inch) |
・ヤード・ポンド法における長さの単位。 ・\( 1in = 0.0254m \) ・\( 1in=\displaystyle \frac{1}{36}yd \) |
\(~ mi \) マイル (mile) |
・ヤード・ポンド法における長さの単位。 ・\( 1mi =1609.344m \) ・\( 1mi=1760yd \) |
尺 しゃく |
・尺貫法における基本単位。 ・元々は中国で手を広げたときの親指から中指までの長さを1尺とした。日本でも奈良時代前に渡来したが、その後1尺の長さがさまざまな曲尺、鯨尺、呉服尺、享保尺、折衷尺などが生み出された。明治時代に入り、1尺は1mの33分の10の長さと定義された。 ・1尺\( =\displaystyle \frac{10}{33}m \fallingdotseq 0.303m\) |
寸 すん |
・尺貫法の単位。 ・親指の幅が起源で、現在は1尺の10分の1と定義されている。 ・1寸\( =\displaystyle \frac{1}{33}m \fallingdotseq 0.0303m = 30.3mm \) ・1寸\(= \displaystyle \frac{1}{10} \)尺 |
分 ぶ |
・尺貫法の単位。 ・「キビ」1粒の長さが起源とされ、現在は1尺の100分の1と定義されている。 ・1分\(= \displaystyle \frac{1}{330}m \fallingdotseq 0.00303m=3.03mm \) ・1分\(= \displaystyle \frac{1}{100} \)尺 |
厘 りん |
・尺貫法の単位。 ・1尺の1000分の1と定義されている。 ・1厘\(= \displaystyle \frac{1}{3300}m \fallingdotseq 0.000303m=0.303mm \) ・1厘\(= \displaystyle \frac{1}{1000} \)尺 |
毛 もう |
・尺貫法の単位。 ・1尺の10000分の1と定義されている。 ・1毛\(= \displaystyle \frac{1}{33000}m \fallingdotseq 0.0000303m=0.0303mm \) ・1毛\(= \displaystyle \frac{1}{10000} \)尺 |
間 けん |
・尺貫法の単位。 ・主に土地や建物などに用いられ、1間は6尺と定義され、太閤検地でも用いられた。 ・1間\( =\displaystyle \frac{60}{33}m \fallingdotseq 1.818m \) ・1間\( = \)6尺 |
町 ちょう |
・尺貫法の単位。 ・1町\( =\displaystyle \frac{3600}{33}m \fallingdotseq 109.09m \) ・1町\( = \)60間\( = \)360尺 |
里 り |
・尺貫法の単位。 ・1里\( =\displaystyle \frac{129600}{33}m \fallingdotseq 3927.27m \fallingdotseq 4km \) ・1里\( = \)36町\( = \)12960尺 |
海里 かいり (nautical mile) |
・海面や空中において長い距離を表すときに用いられる単位。 ・昔は緯度1度の長さを1海里としたが、地球が楕円形であることがわかってから、赤道における緯度1度の長さを1海里と定義している。 ・1海里\( =1852m \) |
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②\(m\)の定義の変遷
現在の長さの国際基準である、\( 1m \)の定義は時代と共に微妙に変わってきました。 誤差を可能な限り小さくするために定義が再構築されています。
(1)1795年、北極から赤道までの子午線の長さの \(~\displaystyle \frac{1}{10^7} \)を1mと定義した。
(2)1889年、白金90%とイリジウム10%の合金で、(1)の定義に即した「メートル原器」が作られ、その「メートル原器」が0℃の時の長さが、国際的な標準になった。このときの\( 1m \)の誤差は、約\( 10^{-6}m ~\) 。なお、このときの「メートル原器」のうちの1つが、日本の国際度量衡中央局に保存されている。
(3)1960年、(2)の人工の原器によるための精度が問題視され、「メートル原器」が廃止。メートルはクリプトン原子のスペクトル線の真空中での波長の1650763.73倍に等しい長さとして、再定義された。このときの\( 1m \)の誤差は、約\( 10^{-8}m ~\) 。
(4)1983年、技術の発展から真空中の光の速さを使って、次のように定義された。
1秒の 299 792 458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ
このときの\( 1m \)の誤差は、約\( 7 \times10^{-14}m ~\) であり、現在の定義である。
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③単位換算プログラム
空欄の1つに数値を入れ、「実行」ボタンを押してください。他の単位における数値が自動的に計算されます。
今の表示状況:
☆参考文献等
・「計量標準総合センター」,< https://www.nmij.jp/library/units/length/> 2016年9月2日アクセス
・二村隆夫(2002)『単位の辞典』丸善.
単位について、まとめておきたいなと思っていたので、『単位の辞典』を使って調べてみました。メートルの定義が時代とともに再構築されて、どんどん精度が上がっているというのもおもしろいですね。今後も、いろいろな単位について調べて記事にしようと思います。