ルドヴィコ・フェラーリは、三次方程式の解の公式の発見者であるジェロラモ・カルダーノを師に持つイタリアの数学者です。
彼の最大の業績は、師の三次方程式の解法を土台にして、四次方程式を一般的に解く方法を見出したことにあります。
フェラーリは1536年に14歳でボローニャからミラノへ来てカルダーノ家に入り、当初は召使いの立場にありながら、やがて秘書となり、さらに数学を学ぶ弟子となりました。
若くして才能を認められ、カルダーノの依頼で四次方程式の研究に取り組んだことが、現在の数学史に残る発見へとつながりました。
この記事では、フェラーリの生涯、四次方程式の解法の意味を数学史の先生であるFukusukeが丁寧に解説します。
代数学が大きく発展した16世紀のイタリアにおいて、フェラーリはどのような役割を果たしたのでしょうか。
フェラーリの生涯
ルドヴィコ・フェラーリ(Ludovico Ferrari, 1522年2月2日〜1565年10月5日)は16世紀のイタリアを代表する数学者です。
日本語では、「ロドヴィコ」や「フェルラーリ」、「フェルラリ」、「フェラリ」、「フェッラーリ」などとも呼ばれます。

(出典:https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Ferrari/poster/born/)
彼は同国の数学者ジェロラモ・カルダーノの弟子として、四次方程式の解法を発見したことで有名です。

フェラーリの年譜
| 年代 | 出来事 | 補足 |
|---|---|---|
| 1522年 | 誕生 | 1522年2月2日にボローニャで生まれたとされる。 |
| 1536年 | カルダーノ家に入る | 14歳でボローニャからミラノへ来て、カルダーノ家の召使いとなったとされる。 |
| 時期不明 | 秘書となり数学を学ぶ | 読み書きの能力を認められて雑務を免除され、カルダーノの秘書となり、彼のもとで数学を学んだ。 |
| 1540年 | 四次方程式の解法を発見したとされる | 1539年にカルダーノはタルタリアから三次方程式の解法を教わっており、その解法を一緒に研究する過程で四次方程式の解法を発見したとされる。 |
| 1545年 | 『アルス・マグナ』で解法が公表される | カルダーノが三次方程式と四次方程式の解法をまとめて公表した。 |
| 1546年〜1547年 | タルタリアと書簡で論争をした | タルタリアの『種々の問いと発明』で、カルダーノが侮辱されたことにフェラーリが激怒。タルタリアと約1年に渡り書簡を交わし、数学試合の挑戦状を送った。 |
| 1548年 | タルタリアとの数学試合に勝つ | ミラノのフラティ・ゾッコランティ修道会の庭の教会で行われた。フェラーリが優勢であったことで、タルタリアは逃走。事実上、フェラーリの勝利となった。 |
| 1565年 | ボローニャ大学に招かれる | ボローニャ大学の教授職に招かれ、故郷では姉マッダレーナと暮らしたとされる。 |
| 1565年 | 死去 | 忌日は1565年10月5日とされる。姉にヒ素で毒殺されたという説がある。 |
フェラーリの活動場所
フェラーリはボローニャとミラノを軸に生涯を展開した数学者です。
とくにミラノでカルダーノと出会ったことが、彼の数学的人生を決定づけました。
- ボローニャ:フェラーリの生地であり、晩年に戻って死去した都市。 晩年に戻るきっかけとなったのは、ボローニャ大学の数学教授職に招かれたから。
- ミラノ:1536年に移ってカルダーノ家に入り、秘書として働きながら数学を学んだ活動の中心地。
- フラティ・ゾッコランティ修道会の庭の教会:ミラノに位置する教会。1548年8月10日の公開対決の会場とされる。
フェラーリの功績:四次方程式の解法を発見した
フェラーリの最大の功績は、四次方程式の解法を見出したことです。
この発見が公表された1545年に、解ける方程式の次数が2次から4次へと一気に上がりました。
カルダーノの依頼で始まった四次方程式研究
フェラーリの研究は、カルダーノとの出会いから始まりました。
四次方程式研究そのものについては、自分の依頼によってフェラーリが考察したと、カルダーノは『アルス・マグナ』に記しています。
前のもの(三次方程式の解法)よりも高貴なもう一つの規則がある。それは、私の求めに応じて、ロドヴィコ・フェッラーリから提供されたものである。
カッツ『代数学の歴史』p187
この四次方程式の解法は1540年に発見されたものの、その解法は三次方程式の解法に依存していました。
三次方程式の解法は、タルタリアとカルダーノの約束によって世間で公表されておらず、四次方程式の解法を単体で公表することができなかったのです。
三次方程式の解法をめぐる一連の流れは以下の記事の中で解説しています↓↓

『アルス・マグナ』で公表された
1545年、フェラーリの師匠であるカルダーノは著書『アルス・マグナ(偉大なる術)』で三次方程式の解法を公表しました。

(出典:JCSantos, Public domain, via Wikimedia Commons)
この書の中で、さまざまなパターンの三次方程式の解法を紹介した後、四次方程式について触れ、20の異なるタイプの四次方程式の解法を解説しました。
もちろん、カルダーノはフェラーリの功績を自分のものとして発表したわけではなく、先の引用文の通り、フェラーリの手柄であることを主張しています。
フェラーリの公式
フェラーリは、以下のような流れで四次方程式を解いています。
- $~x^4~$の係数を$~1~$にした方程式$~x^4+Ax^3+Bx^2+Cx+D=0~$をつくる。
- $ ~\displaystyle x=y-\frac{1}{4}A ~$を代入して、$~y^4+py^2+qy+r=0~$をつくる。
- ある値$~t~$を三次方程式の解の公式から求め、$~(y^2+t)^2=(my+n)^2~$をつくる。
- 平方根をとれば$~y~$の二次方程式となるため、二次方程式解の公式を使って$~y~$が求められる。
この流れからもわかる通り、任意の四次方程式を解く上では三次方程式の解の公式が欠かせません。
そのため、フェラーリの師匠であるカルダーノが1545年に『アルス・マグナ』で三次方程式の解の公式を発見するまでは、世に公表することができませんでした。

ちなみに、フェラーリの方法で四次方程式を解いたとき、その解の公式(別名:フェラーリの公式)は現代の記法で以下のように与えられます。
四次方程式
ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0~~~~(a\neq0)
の4つの解$~x_1~,~x_2~,~x_3~,~x_4~$は、次の式でそれぞれ求めることができる。
(横にスクロールすることで、式の全貌を見ることができます)
\begin{aligned}x_{1}=&-{\frac {b}{4a}}\\&-{\frac {1}{2}}{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}\\&-{\frac {1}{2}}{\sqrt {{{\frac {b^{2}}{2a^{2}}}-{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}-{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {-{\frac {b^{3}}{a^{3}}}+{\frac {4cb}{a^{2}}}-{\frac {8d}{a}}}{4{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}}}}-{\frac {4c}{3a}}}}\\
\end{aligned}\begin{aligned}x_{2}=&-{\frac {b}{4a}}\\&-{\frac {1}{2}}{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}\\&+{\frac {1}{2}}{\sqrt {{{\frac {b^{2}}{2a^{2}}}-{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}-{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {-{\frac {b^{3}}{a^{3}}}+{\frac {4cb}{a^{2}}}-{\frac {8d}{a}}}{4{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}}}}-{\frac {4c}{3a}}}}\\\end{aligned}\begin{aligned}x_{3}=&-{\frac {b}{4a}}\\&+{\frac {1}{2}}{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}\\&-{\frac {1}{2}}{\sqrt{ {{\frac {b^{2}}{2a^{2}}}-{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}-{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}+{\frac {-{\frac {b^{3}}{a^{3}}}+{\frac {4cb}{a^{2}}}-{\frac {8d}{a}}}{4{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}}}}-{\frac {4c}{3a}}}}\\\end{aligned}\begin{aligned}x_{4}=&-{\frac {b}{4a}}\\&+{\frac {1}{2}}{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}\\&+{\frac {1}{2}}{\sqrt {{{\frac {b^{2}}{2a^{2}}}-{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}-{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}+{\frac {-{\frac {b^{3}}{a^{3}}}+{\frac {4cb}{a^{2}}}-{\frac {8d}{a}}}{4{\sqrt {{\frac {b^{2}}{4a^{2}}}+{\frac {\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}{3{\sqrt[{3}]{2}}a}}+{\frac {{\sqrt[{3}]{2}}\left(c^{2}-3db+12ea\right)}{3a{\sqrt[{3}]{2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a+{\sqrt {\left(2c^{3}-9dbc-72eac+27eb^{2}+27d^{2}a\right){}^{2}-4\left(c^{2}-3db+12ea\right){}^{3}}}}}}}-{\frac {2c}{3a}}}}}}}-{\frac {4c}{3a}}}}\\\end{aligned}二次方程式$~ax^2+bx~c=0~$の解の公式が$~\displaystyle x=\frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}~$であることを考えると、フェラーリの公式はとてつもない長さであることが感じ取れるでしょう。
フェラーリのエピソード①:カルダーノを守るためタルタリアに挑戦した
フェラーリは四次方程式の解法の発見者であるだけでなく、カルダーノとタルタリアの対立の中で前面に出た人物でもありました。
1539年にタルタリアはカルダーノに三次方程式の解法を伝え、それを発表しないという約束を結びました。
しかし、1545年に『アルス・マグナ』が公刊されたことで、タルタリアは当然のごとく強く反発します。(カルダーノ側としては、約束自体が無意味なものであったと解釈したため、三次方程式の解法の公表に至りました)
1546年、タルタリアはカルダーノが約束を破ったことだけでなく、カルダーノの生い立ちなどを非難する文言を著書『種々の問いと発明』の中で発表。
それを見たフェラーリは、自分たちは約束を破ったわけではないことを主張すると共に、論点とは直接関係がない非難をされたことに対し、タルタリアに憤りを覚えます。
フェラーリとタルタリアは約1年にわたる書簡論争を行い、最終的な戦いの舞台は1548年8月10日、ミラノのフラティ・ゾッコランティ修道会の庭の教会での公開数学試合でした。
この数学試合の初日終了後、タルタリアは夜のうちにミラノを去り、対決はフェラーリの事実上の勝利という形で終わったとされています。

まとめ
フェラーリは、四次方程式の解法を見出した16世紀イタリアの数学者でした。
- フェラーリは四次方程式の解法を発見した数学者である。
- 14歳でカルダーノ家に入り、秘書から数学の弟子となった。
- 四次方程式の解法は、三次方程式の解法を土台として成り立つ。
- 1545年のカルダーノの著書『アルス・マグナ』で、フェラーリの功績として公表された。
- タルタリアとの論争では、師カルダーノを守る立場で対決した。

数学の能力だけでなく、主人であり師匠だったカルダーノへの忠誠心も篤かったんだね。



そして、三次方程式の解の公式を自力で導いたタルタリアを、1日で逃亡させるほどの実力者。カルダーノも驚いただろうね。
このブログの参考文献
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- 『カッツ 数学の歴史』
- 『メルツバッハ&ボイヤー数学の歴史(Ⅰ・Ⅱ)』
- 『数学の流れ30講(上・中・下)』
- 『数学の歴史物語』
- 『フィボナッチの兎』
- 『高校数学史演習』
- 『数学の世界史』
- 『数学の文化史』
- 『モノグラフ 数学史』
- 『数学史 数学5000年の歩み』
- 『数学物語』
- 『世界数学者事典』
- 『数学者図鑑』
- 『数学を切りひらいた人々(1~5)』
- 『天才なのに変態で愛しい数学者たちについて』
- 『素顔の数学者たち』
- 『数学スキャンダル』
- 『ギリシャ数学史』
- 『古代ギリシャの数理哲学への旅』
- 『ずかん 数字』
- 『πとeの話』
- 『代数学の歴史』
- 『幾何学の偉大なものがたり』
- 『アキレスと亀』
- 『ピタゴラスの定理100の証明法』
- 『ピタゴラスの定理』
- 『フェルマーの最終定理』
- 『哲学的な何か, あと数学とか』
- 『数と記号のふしぎ』
- 『身近な数学の記号たち』
- 『数学用語と記号ものがたり』
- 『納得する数学記号』
- 『図解教養事典 数学』
- 『イラストでサクッと理解 世界を変えた数学史図鑑』(拙著)
- 『教養としての数学史』(拙著)





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