マイナス×マイナス=プラスの説明

$ (-2)\times (-3)=+6 ~$のように、2つの負の数の積が正の数となることの説明方法を4つほど紹介します。
①かけられる数を減らしていく方法
②速さと道のりの関係を使う方法
③複素数を使った方法
④代数学の視点から(厳密な証明?)


目次

①かけられる数を減らしていく方法

説明

マイナス×マイナスの前に、準備としてマイナス×プラス、プラス×マイナスについて考えます。
かけられる数が正の数のとき、かけ算は足し算で考えることができます。例えば、$ (+2)\times(+3) $の計算では、(+2)が3つあるから、

$ (+2)\times(+3)=(+2)+(+2)+(+2)=+6 $

となります。マイナス×プラスでも同様の考え方ができて、例えば$ (-2)\times(+3) $の計算では、

$ (-2)\times(+3)=(-2)+(-2)+(-2)=-6 $

となります。
では、プラス×マイナスはどうか?加法と乗法では、交換法則という便利な法則があります。
よって、プラス×マイナスはマイナス×プラスに直すことができ、先ほどと同様に計算ができます。例えば、$ (+2)\times(-3) $の計算では、

$ (+2)\times(-3)=(-2)\times(+3)$$~=(-2)+(-2)+(-2)=-6 $

となります。

さて、本題です。マイナス×マイナスでは交換法則を用いてもマイナス×マイナスです。う~ん(> <)

そこで、次のような計算を考えていきます。
$~ (-2)\times(+3)=(-2)+(-2)+(-2)=-6 $
$~ (-2)\times(+2)=(-2)+(-2)=-4 $
$~ (-2)\times(+1)=-2 $
$~ (-2)\times 0 = 0 $

さて、これらの式はかける数を1ずつ減らしていっています。このとき、計算結果はどうなっていますか?

そうです。実は2ずつ増えていっていることがわかります。

では、この続きを考えてみましょう。かける数を1ずつ減らしていきます。すると・・・・
$~ (-2)\times 0 = 0 $
$~ (-2)\times(-1)=+2 $
$~ (-2)\times(-2)=+4 $
$~ (-2)\times(-3)=+6 $
となり、ご覧のとおり計算結果は正の数になりました。

単純でわかりやすいけど、ちょっとこじつけっぽいかも・・・。

   


②速さと道のりの関係を使う方法

説明

まず準備段階として、プラス×プラス、プラス×マイナスを考えます。

下の図のように、東を正の方向、西を負の方向とします。

東に時速+2kmで進んでいるボールが今、0km地点にいます。

東に時速2km

図の情報から、このボールは3時間後、+6km地点にいると考えられます。

これを式にすると、「道のり・速さ・時間」の関係(み・は・じ)より、

$ (+2)\times(+3)=+6 $

同様に3時間前(-3時間後)を考えると、西に6km地点(東に-6km地点)にいると考えられます。

これを式にすると、

$ (+2)\times(-3)=-6 $

もう説明の方法わかりましたよね!? 今度はマイナス×プラス、そして本題のマイナス×マイナスを考えます。

今度は下図のように、西に時速2km(東に時速-2km)で進んでいるボールが0km地点にいるとします。

西に時速2km

図の情報から、このボールは3時間後、西に6km地点(東に-6km地点)にいると考えられます。

これを式にすると、

$ (-2)\times(+3)=-6 $

これまでと同様に3時間前(-3時間後)を考えると、東に6km地点にいると考えられます。

これを式にすると、

$ (-2)\times(-3)=+6 $

よって説明ができました。

多くの人が納得できる回答だと思います。ただ、速さの計算に苦手意識を持つ生徒にとってはきついかも・・。

   


③複素数を使った方法

高校の数学Ⅲレベルでの証明になります。話をわかりやすくするために、(-1)×(-1)について考えます。

証明

$~ -1 $を極形式($~ \cos \theta + i \sin \theta~$)で表すと

$ -1=\cos \pi + i \sin \pi $

これを使うことで、

$~ (-1)\times(-1) $
$~ =(-1)^2 ~$
$~ =(\cos \pi + i \sin \pi)^2 $
$~ =\cos 2\pi + i \sin 2\pi (ド・モアブルの定理より) $
$~ = 1 + i \cdot 0 $
$~ = 1 $

となるため、(-1)×(-1)=+1が示された。

複素数平面上で0°(実数の正の方向)から180°の回転を2回により、360°=0°にするということを利用した方法。ただ、循環論法のような気がしてならない・・・。

   


④代数学の視点から(厳密な証明?)

お待たせしました。いよいよこれが厳密な証明ではないかという方法です。

説明

任意の$~ a,b \in \mathbb{R} ~$ に対して、加法においてbの逆元が存在して、

$ b+(-b)=0 $

両辺に$ a $の逆元を左からかけて、

$ (-a)\times{b+(-b)}=(-a)\times 0 $

分配法則ならびに0の性質から、

$ (-a)\times b+(-a)\times(-b)= 0 $

両辺に$ ab $を左から加えると、

$ ab+{(-ab)+(-a)\times(-b)}= ab+0 $

結合法則ならびに0は加法の単位元なので、

$ {ab+(-ab)}+(-a)\times(-b)= ab $

よって、

$ (-a)\times(-b)= ab $

となる。これにより、マイナス×マイナスの計算結果はプラスになり、絶対値の積で表されることが示された。

当たり前の計算法則を厳密な注釈をつけて書いているだけですね~。いまいち代数学は理解しきれていないので、言葉の使い方や厳密さに抜けがあるかも・・・。

   
 
 

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