倍数の見分け方1(2,3,5,11)

数学雑学数論数学雑学

自然数を見たときに、どんな数で割ることができるかをできるだけ簡単に求める方法について紹介します。今回はその中でも基本的な素数についてのお話です。

①2の倍数の見分け方
②3の倍数の見分け方
③5の倍数の見分け方
④11の倍数の見分け方



目次
  • 1. ①2の倍数の見分け方
  • 2. ②3の倍数の見分け方
  • 3. ③5の倍数の見分け方
  • 4. ④11の倍数の見分け方

①2の倍数の見分け方

最も知名度が高い2の倍数(偶数)の見分け方についてです。

2の倍数の見分け方

ある自然数の一の位が偶数であれば、その自然数は2の倍数である。

32・・・一の位は2(偶数)であるため、32は偶数。
50・・・一の位は0(偶数)であるため、50は偶数。
2168・・・一の位は8(偶数)であるため、2168は偶数。
183131・・・一の位は1(奇数)であるため、183131は偶数ではない(奇数である)。

なぜ、1の位だけを見るだけで偶数と言って良いのでしょう?
それについて証明していきます。

証明

一万の位から\( a,b,c,d,e~\) ( \(~a,b,c,d,e~\) は0~9の自然数)である5ケタの自然数\( N~\) について証明する。(一般性は失われないため)
このとき、\( N~\) は次のような数として表される。
\begin{equation}
N=10000a+1000b+100c+10d+e  
\end{equation}
これを式変形すると、
\begin{equation}
N=2(5000a+500b+50c+5d)+e
\end{equation}
となるため、 \(~e~\) (一の位)が2の倍数であれば、 \(~N~\) も2の倍数である。  \(~ \blacksquare \)

どの倍数の証明も基本的には、このような形で因数分解を利用しています。


②3の倍数の見分け方

こちらも割と有名なお話。

3の倍数の見分け方

ある自然数の各桁の和が3の倍数であれば、その自然数は3の倍数である。

18・・・十の位と一の位の和は9(3の倍数)であるため、18は3の倍数。
678・・・百の位と十の位と一の位の和は21(3の倍数)なので、678は3の倍数。
9141・・・千の位と百の位と十の位と一の位の和は15(3の倍数)なので、9141は3の倍数。
337・・・百の位と十の位と一の位の和は13(3の倍数でない)なので、337は3の倍数でない。

3ケタ、4ケタの数になっても、各桁の数にだけ注目すれば3の倍数かを判定することができるという点で非常に便利です。

証明

2の倍数と同様、一万の位から\( a,b,c,d,e~\) ( \(~a,b,c,d,e~\) は0~9の自然数)である5ケタの自然数\( N~\) について証明する。(一般性は失われないため)
このとき、\( N~\) は次のような数として表される。
\begin{equation}
N=10000a+1000b+100c+10d+e   
\end{equation}
この式を変形すると、

\begin{align}
N&=(9999a+a)+(999b+b)+(99c+c)+(9d+d)+e \\
&=9999a+999b+99c+9d+a+b+c+d+e \\
&=3(3333a+333b+33c+3d)+(a+b+c+d+e) \\
\end{align}


\begin{align}
N&=(9999a+a)+(999b+b) \\
&+(99c+c)+(9d+d)+e \\
\\
&=9999a+999b+99c+9d \\
&+a+b+c+d+e \\
\\
&=3(3333a+333b+33c+3d) \\
&+(a+b+c+d+e) \\
\end{align}

となるため、 \(~a+b+c+d+e~\) (各桁の和)が3の倍数であれば、 \(~N~\) も3の倍数である。  \(~ \blacksquare \)

4の倍数に関しては、素因数分解するうえであまり必要にならない(2で割れるから)ため、次に5の倍数について扱います。


③5の倍数の見分け方

2の倍数同様、見れば瞬時にわかる判定法です。

5の倍数の見分け方

ある自然数の一の位が0か5であれば、その自然数は5の倍数である。

15・・・一の位は5であるため、15は5の倍数。
810・・・一の位は0であるため、810は5の倍数。
21615・・・一の位は5であるため、21615は5の倍数。
3814・・・一の位は4(0か5でない)であるため、3814は5の倍数でない。

証明

今まで同様、一万の位から\( a,b,c,d,e~\) ( \(~a,b,c,d,e~\) は0~9の自然数)である5ケタの自然数\( N~\) について証明する。(一般性は失われないため)
このとき、\( N~\) は次のような数として表される。
\begin{equation}
N=10000a+1000b+100c+10d+e 
\end{equation}
この式を式変形すると、
\begin{equation}
N=5(2000a+200b+20c+2d)+e
\end{equation}
となるため、 \(~e~\) (一の位)が5の倍数、つまり、0か5の倍数であれば \(~N~\) は5の倍数である。  \(~ \blacksquare \)

5の次の素数は7ですが、7は判定法が覚えにくいので11の倍数を最後に紹介します。


④11の倍数の見分け方

今までのと比較すると、特殊な形をしています。ただ、慣れておくと便利です。

11の倍数の見分け方

ある自然数に関して、奇数桁の数の和と偶数桁の数の和の差が11の倍数のとき、その自然数は11の倍数である。

奇数桁とは右から奇数番目の桁、つまり一の位、百の位、一万の位・・・・を指し、
偶数桁とは右から偶数番目の桁、つまり十の位、千の位、十万の位・・・・を指します。
 
下の例を見てみましょう。

(1)132の場合、
・奇数桁にあてはまるのは、1と2。よって和は3である。
・偶数桁にあてはまるのは、3。よって和は3である。
これらの差をとると、\( 3-3=0 \)より、0(11の倍数)となるので、132は11の倍数である。
 
(2)90728の場合、
・奇数桁にあてはまるのは、9と7と8。よって和は24である。
・偶数桁にあてはまるのは、0と2。よって和は2である。
これらの差をとると、\( 24-2=22 \)より、11の倍数となるので、90728は11の倍数である。
 
(3)2784の場合、
・奇数桁にあてはまるのは、4と7。よって和は11である。
・偶数桁にあてはまるのは、2と8。よって和は10である。
これらの差をとると、\( 11-10=1 \)より、11の倍数とならないので、2784は11の倍数ではない。

素因数分解を必要とする問題では、実は11で割れるといった盲点を突いてくる問題もあるので、
覚えておくと、筆算をする前から割れるかどうかを把握することができます。

証明

一万の位から\( a,b,c,d,e~\) ( \(~a,b,c,d,e~\) は0~9の自然数)である5ケタの自然数\( N~\) について証明する。(一般性は失われないため)
このとき、\( N~\) は次のような数として表される。


\begin{equation}
N=10000a+1000b+100c+10d+e 
\end{equation}
この式を変形すると、
\begin{align}
N&=(9999a+a)+(1001b-b)+(99c+c)+(11d-d)+e \\
&=9999a+1001b+99c+11d+a-b+c-d+e \\
&=11(909a+91b+9c+d)+(a-b+c-d+e) \\
\end{align}


\begin{equation}
N=10000a+1000b+100c+10d+e 
\end{equation}
この式を変形すると、
\begin{align}
N&=(9999a+a)+(1001b-b) \\
&+(99c+c)+(11d-d)+e \\
\\
&=9999a+1001b+99c+11d \\
&+a-b+c-d+e \\
\\
&=11(909a+91b+9c+d) \\
&+(a-b+c-d+e) \\
\end{align}

となるため、 \(~a-b+c-d+e~\) が11の倍数であれば、 \(~N~\) も11の倍数である。  \(~ \blacksquare \)

今までとは一味違って、知らないと難しい式変形でしたね。
こういう証明、好きです。(笑)


倍数の見分け方の1回目ということで、割と有名な素数の見分け方について紹介しました。11の倍数の判別法と証明方法を中学校の時に習い、感動したのを覚えています。ぜひ、車のナンバーとかを見たら何の倍数になっているか計算してみましょう!!

   
 
 

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Posted by Fuku