浜村渚の計算ノート1-2(悪魔との約束)
青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』シリーズの読了記録です。
あらすじや感想だけでなく、話の中に出てきた数学的話題についても順次紹介していきます。
Ⅰ 本のデータ
Ⅱ あらすじ
Ⅲ 感想
Ⅳ 登場する数学的な話題
Ⅰ 本のデータ
タイトル | 浜村渚の計算ノート |
小タイトル | \(~\log{100}\). 悪魔との約束 |
著者 | 青柳 碧人 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 2011年6月15日 |
価格(税抜) | 581円 |
ISBNコード | 9784062769815 |
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Ⅱ あらすじ
新宿区にある美術館で、警備員が変死を遂げた。美術館の入口には数学テロ組織「黒い三角定規」のカード。
くだらない芸術科目への破壊活動を目的に、揮発性の毒ガスを用いて美術館を襲うというのが、ドクター・ピタゴラスの犯行声明である。
毒ガスの在処とその犯人を探しているうちに、数学好きが集まる喫茶店「カルダノ」に疑惑の目を向けた武藤や瀬島は、渚と共に足を運ぶ。
そこには「0」がデザインされたステッキを持つ悪魔の人形と、1から9までの数字を抱えた9人の天使の額縁が飾ってあった。
店主の及川に疑惑の目を向けつつも証拠となる毒ガスが見つからずに、第二の事件が発生し・・・。
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Ⅲ 感想
犯行に使われたのが揮発性の毒ガスということで、渚は「きはつせいって、なんですか?」という質問と共に登場します。数学以外に関しては普通の中学生の感じがとても親近感が湧きますね。
しかし、瀬島から数学喫茶「カルダノ」の話を聞くと、数学者カルダノの功績について語り、初めての数学喫茶にウキウキする姿に渚ちゃんらしさが出ています。
Fukusukeが選ぶ印象的なシーンは次の2つ。
まずは、数学喫茶で「0」について議論するシーン。
0にどんな数をかけても0になることを当たり前と豪語する瀬島に対し、珍しく渚は興奮して反論します。
「当たり前って! この数字を初めて知ったときの、ヨーロッパの人たちの衝撃がどれだけのものだったか。『一つもありません』を表すためだけの数字なんですよ?」
0という数字はインドで生まれたもので、もともとは位取りのときに「なにもない」を表す記号でした。それが数として扱われるようになり、十進法のこの世界では画期的な役割を果たせることに気づいた当時のヨーロッパ人の感動は計り知れませんね。
また、大人に対して、正しいことをしっかりと主張できるのは、数学という学問に自信を持ち、心からそれが好きでいることの証だと思います。勉強の中で楽しいと思えることを、自分の生徒たちにも見つけて欲しいです。(切に思います)
もう1つは最後のシーン。ネタバレになるので隠しておきます↓
最後のシーン
今回は0という悪魔の数字に関するお話でした。 \(~\div 0~\) に限らず、 \(~\div x~\) の危険性について授業で話をするときに参考になりました。特に瀬島のアメリカで聞いたという、リンゴを0人で分ける話はわかりやすいですね。
Ⅳ 登場する数学的な話題
この本の中で登場する数学的な話題を紹介しておきます。福助が興味を持った話題については、順次別ページで書き加えていきます。
また、本によってはネタバレにつながる話題もありますので、注意してクリックしてください。
最後のシーンが見どころ!! 数学において \(~0~\) の重要性、危険性がわかる一話となっています。
◇参考文献等
・青柳碧人(2014)『浜村渚の計算ノート』,講談社.
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