浜村渚の計算ノート2-3(割りきれなかった男)
青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』2巻の読了記録です。
あらすじや感想だけでなく、話の中に出てきた数学的話題についても順次紹介していきます。
Ⅰ 本のデータ
Ⅱ あらすじ
Ⅲ 感想
Ⅳ 登場する数学的な話題
Ⅰ 本のデータ
タイトル | 浜村渚の計算ノート 2さつめ ふしぎの国の期末テスト |
小タイトル | \(~\log{1000}\). 割りきれなかった男 |
著者 | 青柳 碧人 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 2012年1月17日 |
価格(税抜) | 552円 |
ISBNコード | 9784062771221 |
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Ⅱ あらすじ
社会の宿題として、本物の裁判を見学することとなった浜村渚。武藤たちや親友の長谷川千夏(セチ)と一緒に、「黒い三角定規」絡みの事件の初公判を見ることになった。
黒い三角定規から脱走しようとした6人が、「ナンバー49」の銃口に倒れていった事件。その証言をした唯一の生き残りである奥井諭に、「ナンバー49」はただの作り話で、他の5人を射殺したのではないかと嫌疑がかかっていた。
検察官は武藤の友人の宮下という男。正義感は人一倍あるが、気弱な性格のため、やり手で自信たっぷりの弁護士に対して、思うように裁判が進められずにいた。
それに加えて、奥井の弁護に有利な証言・情報ばかり挙がっていき、裁判官の心証も弁護側に傾きつつあった。
1回目の公判が終わった後、武藤たちは警視庁鑑識課の遺留品保管室で新たな物証探しに出かけた。そこでは、几帳面な被害者のリュックの中から30個入りのチョコレートが見つかり、渚はあることに気づく。
2回目の公判、宮下が新たな証人として呼んだのは・・・、数学少女・浜村渚。彼女の証言によって、裁判の形勢が逆転していく・・・。
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Ⅲ 感想
今回は、裁判所でのお話。黒い三角定規から脱退しようとした6人が次々に殺され、ただ一人生き残った奥井が実は他の5人を殺したのではないかという容疑がかかっています。
これだけだと渚が登場しそうにないのですが、社会のレポートを課されたため、武藤に頼んで傍聴席に登場します。
渚の友人として、話では何回か出てきたセチも登場。渚との仲良しぶりもいたるところに描写されていて、社会の偏差値を自分で計算して落ち込む渚を慰めたり、今学校で密かなブームとなっている「時限爆弾ゲーム」を一緒にやったりしています。
裁判所と数学を、筆者がうまくつなげているのがこの「時限爆弾ゲーム」。このゲームの攻略法として、23と8が同じであるという \(~mod5~\) 、つまり「5を法として合同」の考え方が登場しています。
また、この話の中では、「7」や「7の倍数」が幾度となく登場し、渚が裁判の形勢を逆転する場面でも「7」がキーナンバーとなります。
登場する7の倍数として、登場順に
7,823543(=\(7^7\)), 28,49,98,21,56,63,14,35,343(=\(7^3\))
至るところに「7」が隠れているところに、筆者の遊び心を感じますね。(しかも、1巻から数えて7話目!)
「7」という数字が、奥井と弁護士を不吉な結末へと誘っていく最後の場面に注目です!
Ⅳ 登場する数学的な話題
この本の中で登場する数学的な話題を紹介しておきます。Fukusukeが興味を持った話題については、順次別ページで書き加えていきます。
また、本によってはネタバレにつながる話題もありますので、注意してクリックしてください。
「7」はFukuも嫌いです。素数かどうかを考える際に、「7の倍数」かどうかの判定が面倒だからです。
◇参考文献等
・青柳碧人(2015)『浜村渚の計算ノート 2さつめ』,講談社.
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