浜村渚の計算ノート2-4(不思議の国のなぎさ)

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青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』2巻の読了記録です。
あらすじや感想だけでなく、話の中に出てきた数学的話題についても順次紹介していきます。
Ⅰ 本のデータ
Ⅱ あらすじ
Ⅲ 感想
Ⅳ 登場する数学的な話題


目次
  • 1. Ⅰ 本のデータ
  • 2. Ⅱ あらすじ
  • 3. Ⅲ 感想
  • 4. Ⅳ 登場する数学的な話題

Ⅰ 本のデータ

タイトル 浜村渚の計算ノート 2さつめ
ふしぎの国の期末テスト 
小タイトル \(~\log{10000}\). ふしぎの国のなぎさ
著者 青柳 碧人
出版社 講談社
発売日 2012年1月17日
価格(税抜) 552円
ISBNコード 9784062771221


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Ⅱ あらすじ

 ドクター・ピタゴラスがトランプと共に、動画投稿サイト「Zeta Tube」に現れた。
 そのトランプはシャッフルされると、毒気が噴出し、神経を破壊し、死に至らしめてしまう殺人トランプであった。
  
 水戸のアジトで捕まえた工作員から、水戸市郊外の暗い廃墟で殺人トランプの製造が行われているという情報を掴んだ警視庁の面々は、その廃墟を取り囲んだ。
 また、その殺人トランプの製造には、ドクター・ピタゴラスの居場所につながるかもしれない人物・「キューティー・オイラー」が携わっているようであった。
 
 深夜12時45分、あと15分で廃墟に乗り込むというときに、武藤、大山、瀬島の3人の脇を白いウサギの恰好をした某かが廃墟へ向かっていった。
 それを追いかける3人。見失ったウサギを探しに、大山と瀬島は廃墟の周りを捜索。武藤は廃墟の中へと進む。
 
 廃墟の中の深い穴に落とされた武藤は、気づくと明るい部屋の中にいた。そこには、「不思議の国のアリス」の恰好をした浜村渚。渚は、おもむろに『不思議国のアリス』を開き、本の中の一節を読む。
 
 武藤は渚に質問する。

「『不思議国のアリス』じゃなくて、『不思議国のアリス』じゃなかったっけ?」

「『不思議国の‥‥‥』じゃ、ダメじゃないですか」

 渚は武藤の疑問に十分に答えないまま、姿を消した。
 
 不思議な世界に取り残された武藤。意味深長な渚の発言。武藤は謎を解決し、殺人トランプの製造現場やキューティー・オイラーを見つけることができるのか・・・。


Ⅲ 感想

 キューティー・オイラーこと皆藤ちなみは、17歳で大学院に飛び級するほどの才能から、国費でアメリカに留学することが決まっていたものの、政府の数学無用論によって取り消され、「黒い三角定規」の一員となった20歳の才女です。
 そんな方と是非お会いしたい! という個人的な感情はさておき、ついに「オイラー」が出てきましたね。
 オイラーは様々な業績を残した18世紀の数学者のため、数学者をモチーフにした人物で構成される「黒い三角定規」の中で、重要な立ち位置であること間違いなしです。
 
 Zeta Tubeで出てきたトランプは、片隅に「1001」と書かれた「♢の9」。思わずニヤリとしてしまうFukusuke。そうです。今回のテーマは「 \(~n~\) 進法」です。
 
 さらに、廃墟の中で渚が紹介した『不思議国のアリス』の一節では、

『ええと、4×5=12 , 4×6=13 , 4×7=‥‥‥あら、あら! これじゃいつまでたっても、20にならないわ。』

 という文があり、これは \(~4×5=12_{(18)},4×6=13_{(21)}\cdots~\) と \(~n~\) 進法を用いた表現と解説されています。
 実際に、計算を進めていくと、
\begin{align}
4×7&=28=14_{(24)} \\
4×8&=32=15_{(27)} \\
4×9&=36=16_{(30)} \\
4×a&=40=17_{(33)} \\
4×b&=44=18_{(36)} \\
4×c&=48=19_{(39)} \\
4×d&=52=1a_{(42)} \\
\end{align}
となり、「20」になりません。おもしろいですね。ちなみに、元となった『不思議の国のアリス』にもきちんとこの文章があるようで、著者のルイス・キャロルはイギリスの数学者です。今度読んでみようと思います。
 
 武藤は、渚の言うことに疑問を持ちつつも、先へ先へと進んでいきます。その途中途中で、様々なおかしな光景や謎に出くわします。その謎を挙げてみると、

・ナス、栗、海苔、釘。どれが仲間はずれか?
・肉に何を足したら、りすになるか?
・兄をかけあわせると、何になるか?
・寿司は二つに分解でき、にぎりは六つに分解できる
・にぎりを分解していった時、出てくる動物は?
・いつまでたっても、岐阜にはたどり着けない

と訳がわかりませんね。(;´Д`)
 
 ただ、一連の謎と『不思議国のアリス』の謎がつながり、この世界の仕組みがわかっていきます。また、何度も出てくる時計の時刻の謎も明らかになります。
 
 これから読む方は、その謎をご自身で解きながら読み進めると楽しめると思います!!
 物語の展開知りたさに、ページをどんどんめくってしまったFukusukeは後悔しているので・・・。


Ⅳ 登場する数学的な話題

 この本の中で登場する数学的な話題を紹介しておきます。Fukusukeが興味を持った話題については、順次別ページで書き加えていきます。
また、本によってはネタバレにつながる話題もありますので、注意してクリックしてください。

数学的話題

 謎要素が強くて、読んでるときは自分も混乱してしまいました。ただ、種明かしでスッキリ!

   
 
 


◇参考文献等
・青柳碧人(2015)『浜村渚の計算ノート 2さつめ』,講談社.

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Posted by Fuku