浜村渚の計算ノート8.5(つるかめ家の一族)
青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』シリーズの読了記録です。
話の中に出てきた数学的話題についても順次紹介していきます。
Ⅰ 本のデータ
Ⅱ あらすじ
Ⅲ 感想
Ⅳ 登場する数学的な話題
Ⅰ 本のデータ
タイトル | 浜村渚の計算ノート\(~8~\) と\(\frac{1}{2}\)さつめ つるかめ家の一族 |
著者 | 青柳 碧人 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 2018年7月13日 |
価格(税抜) | 640円 |
ISBNコード | 9784065122020 |
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Ⅱ あらすじ
群馬県で起こった「やまどり信用金庫爆破事件」。現場には数学テロ組織「黒い三角定規」のシンボルマークが落ちていた。
時を同じくして、群馬県死ノ字村の亀倉家では、「黒い三角定規加盟誓約書」が見つかった。その村は方程式を使うと死に至るという言い伝えのある奇怪な村であった。
亀倉家に向かった警視庁「黒い三角定規・特別対策本部」所属の刑事・武藤と、亀倉家に向かう途中事故に遭い、栃木県血ノ字村の鶴ノ森家に閉じ込められてしまった浜村渚。
そんな中、亀倉家で連続怪死事件が発生する。武藤と渚はどのように事件を解決していくのか・・・。
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Ⅲ 感想
まず、さりげなく再登場なのが亀倉香奈(「浜村渚の計算ノート3-2(アイシテルの正弦」参照)。彼女が「やまどり信用金庫爆破事件」の情報を警察に提供することから始まります。
この本を読んでいて思い出されるのが、大学時代にアルバイトで小学生へ算数指導したときのことですね。
普段方程式を使って解くような問題を別の方法で解かなければならない(><)長年数学を学んだ身としては、これほど辛いことはありません。
問題に応じて、「流水算」や「てんびん算」、「旅人算」などを使い分けなければなりません。「方程式さえ使えれば、こんなの暗記する必要ないのになぁ~」と思いながら、小学生に教えていました。
ただ、渚ちゃんは「鶴亀算」の話題が出た場面で次のことを言います。
「亀が一匹鶴に変わるときに足が減っていくというのをじっくり見ていくことで、二つの数の関係を体感できるんです。これは、数の変化を感じるのにとってもいい訓練です。」
確かに小学校段階においては答えがすぐに出る方程式を使うより、数の変化を自分で確かめながら答えを出し、数的な感覚を養っていくほうが大切かなと、若き日の自分の考え方を訂正しました。
中1の方程式の導入授業においても、まずはいろいろな数を代入して方程式を解きます。「数的感覚がいいなぁ」と思う生徒は、闇雲に代入していくのではなく、与えられた方程式の解を「大体このくらいでは?」と予想をつけて、解の確認作業に入っています。
少し話が反れましたが、「方程式を使ってはいけない村」という設定の中で繰り広げられる奇怪な事件が、武藤や渚ちゃんによって解決されていくのは爽快でした。
これまでの同シリーズに比べ、数学要素が少し薄くはなっていますが、その分ミステリー色の強い作品です。残り200ページ(約半分w)は一気に読み進められてしまうほど、事件の展開が気になってしまいました。数学嫌いの方でも、ミステリー小説が好きな方は楽しめる本だと思います!!
Ⅳ 登場する数学的な話題
この本の中で登場する数学的な話題を紹介しておきます。福助が興味を持った話題については、順次別ページで書き加えていきます。
また、本によってはネタバレにつながる話題もありますので、注意してクリックしてください。
同シリーズの「ふぇるま島の最終定理」以来の大作でした。今後の本編も楽しみです!!
◇参考文献等
・青柳碧人(2018)『浜村渚の計算ノート\(~8~\) と\(\frac{1}{2}\)さつめ つるかめ家の一族』,講談社.
![]() 浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族 (講談社文庫) [ 青柳 碧人 ]
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