破産の確率

確率と初期値、どちらを優先すべきかがわかる問題です。少々難しいですが、確率漸化式として求めることができます。


問題

Xの所持金が$ n $万円、Yの所持金が$ N-n $万円である状態から、2人で繰り返し勝負を行う。各勝負で、Xの勝つ確率は$ p $、Yが勝つ確率は$ q(=1-p) $である。勝った方が負けた方から1万円もらう。どちらかの所持金が0円になったら終了する。勝負が終了したとき、Xの所持金が0円になっている確率(Xが破産する確率)を求めよ。


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解答・解説

破産確率の図Nを固定し、nを変数として、Xの破産確率$ a_{n} $の漸化式を考える。

すると、1回目に勝つか負けるかにより、次のように表せる。

\begin{equation}
a_{n}=p \cdot a_{n+1} + q \cdot a_{n-1}
\end{equation}

この漸化式の初期条件は、$ a_{0}=1 $(最初から破産)、$~ a_{N}=0 $(最初から相手が破産)である。・・・・(*)

 

三項間漸化式の一般項は、特性方程式の解を$ \alpha , \beta $として、$ a_{n}=A\alpha^{n}+B\beta^{n} ~$ (A , B は定数) ただし、重解$ ( \alpha=\beta ) $のときは、$ a_{n}=(An+b)\alpha^{n} $

 

もとの漸化式の特性方程式($~x=px^2+q $の解は$ \displaystyle \frac{q}{p} , 1 $となり、$ p=q $のとき重解となる。これによって場合分けをすると、

 

①重解($~ p=q ~$)のとき、$ a_{n}=(An+b)\alpha^{n} $に初期条件(*)を代入することで、$ \displaystyle A=-\frac{1}{N} , B=1 ~$ となるため、$ \displaystyle a_{n}=1-\frac{n}{N} $。

 

 

②重解でない($~ p \neq q ~$)とき、$ a_{n}=A\alpha^{n}+B\beta^{n} ~$ に初期条件を代入することで、

\begin{equation}
\displaystyle A=\frac{1}{1-(\frac{q}{p})^{N}} , B=\frac{-(\frac{q}{p})^{N}}{1-(\frac{q}{p})^{N}}
\end{equation}
となるため、
\begin{equation}
\displaystyle a_{n}=\frac{ (\frac{q}{p})^{n}-(\frac{q}{p})^{N} }{1-(\frac{q}{p})^{N}}
\end{equation}

よって、Xが破産する確率は求められた。

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この結果より、破産するかどうかは初期位置よりも確率によって、大きく左右されることがわかる。ちなみに、$ N=10 , n=3 , \displaystyle p=\frac{2}{3} , q=\frac{1}{3} $としたとき、Xが破産する確率は12%しかないらしい!!

   
 
 

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