トレミーの定理

数学A平面図形数学A

 円に内接する四角形に関する定理です。プトレマイオスの定理とも言います。この定理の使用例や証明方法を紹介します。
Ⅰ トレミーの定理
Ⅱ 例
Ⅲ 証明


目次
  • 1. Ⅰ トレミーの定理
  • 2. Ⅱ 例
  • 3. Ⅲ 証明

Ⅰ トレミーの定理

 まずはどんな定理なのかを見てみましょう。

トレミーの定理


 円に内接する任意の四角形ABCDについて、次の等式が成り立つ。
\begin{equation}
AC \times BD=AB \times CD + BC \times DA
\end{equation}

 日本語で書くと、

 2本の対角線の積は、2組の対辺の積の和に等しい

ということを表しています。
 色分けして見やすくすると、次のようになります。

\(AC \times BD\) \(~=~\) \(AB \times CD\) \(~+~\) \(BC \times DA\)

 
 「任意の」内接四角形に関して成り立つのがすごいですね。


Ⅱ 例

 こんな問題で使えます。

 1辺の長さが \(~a~\) の正七角形 ABCDEFG において、AC\(=b\)、AE\(=c~\) とする。このとき、
\begin{equation}
\displaystyle \frac{1}{a}=\frac{1}{b}+\frac{1}{c}
\end{equation}
が成り立つことを証明する。


 正七角形ABCDEFGを、円周上に等間隔にとった点A,B,C,D,E,F,Gを順に結んだ図形として見る。
 
 このとき、四角形ABCEは円に内接するため、トレミーの定理より、
\begin{equation}
bc=ac+ab
\end{equation}
が成り立つ。 \(~a > 0,b > 0,c > 0~\) より、両辺 \(~abc~\) で割ると、
\begin{equation}
\displaystyle \frac{1}{a}=\frac{1}{b}+\frac{1}{c}
\end{equation}
が示された。 \(~\blacksquare~\)

 トレミーの定理を知っているか知っていないかで、差が出そうな問題でした。
 
他にも「三平方の定理」を証明したり、黄金比を求めるのにも使えたりと、意外と活躍します。


Ⅲ 証明

 証明に関しては、円周角の定理と相似を使います。

証明

  \(~\angle ABE=\angle DBC~\) となる点EをAC上に作る。

  \(~\triangle ABE~\) と \(~\triangle DBC~\) において、
仮定より、 \(~\angle ABE=\angle DBC\cdots \cdots~\) ①

円周角の定理より、 \(~\angle BAE=\angle BDC\cdots \cdots~\) ②

①、②より、2組の角がそれぞれ等しいので、

  \(~\triangle ABE~\) ∽ \(~\triangle DBC\)

対応する辺の比は等しいので、
\begin{equation}
AB:DB=AE:DC
\end{equation}
すなわち、
\begin{equation}
AB \times DC =AE \times DB \cdots \cdots③
\end{equation}
 
 次に、 \(~\triangle ABD\)と \(~\triangle EBC~\) において、
\begin{align}
\angle ABD&=\angle ABE+\angle EBD \\
\angle EBC&=\angle DBC+\angle EBD \\
\end{align}
から、①より、 \(~\angle ABD=\angle EBC\cdots \cdots~\) ④

また、円周角の定理より、 \(~\angle BDA=\angle BCE\cdots \cdots~\) ⑤

④、⑤より、2組の角がそれぞれ等しいので、

  \(~\triangle ABD~\) ∽ \(~\triangle EBC\)

対応する辺の比は等しいので、
\begin{equation}
AD:EC=BD:BC
\end{equation}
すなわち、
\begin{equation}
AD \times BC =EC \times BD \cdots \cdots⑥
\end{equation}
 
③+⑥より、

\begin{align}
AB \times DC +AD \times BC &=AE \times DB +EC \times BD \\
&=(AE+EC) \times BD \\
&=AC \times BD
\end{align}


\begin{align}
&AB \times DC +AD \times BC \\
&=AE \times DB +EC \times BD \\
&=(AE+EC) \times BD \\
&=AC \times BD
\end{align}

 よって、題意は示された。 \(~\blacksquare~\)

 補助線の引き方がポイントでした。あとは相似な三角形を2つ組み合わせるだけです。


 補助線の引き方を知らないと、自力での証明は難しそうですね・・・。

   
 
 


◇参考文献等
・E・マオール(2008)『ピタゴラスの定理-4000年の歴史』,pp.143-145,伊理由美訳,岩波書店.

数学A平面図形数学A

Posted by Fuku