三平方の定理の証明⑪(相似を利用した証明1)

 三平方の定理には数百もの証明方法があります。今回は相似を利用した基本的な証明方法について紹介します。


目次

Ⅰ 三平方の定理とは

 三平方の定理とは、次のような定理です。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)


上のような直角三角形で、次の等式が成り立つ。
\begin{equation}
a^2+b^2=c^2
\end{equation}

 直角三角形の2辺がわかれば、残りの1辺も求まるというもので、紀元前から測量等でも使われてきました。日本では中学3年生(義務教育!)で習います。長い歴史の中で、様々な人により、様々な証明が生み出されてきましたが、今回は相似を使う中で最もシンプルな証明方法を紹介します。

※相似を利用した証明は他にもあります。


Ⅱ 相似を利用した証明1

 では、証明に入りましょう。

証明

 直角三角形\(~ABC~\)で、直角をもつ頂点\(~C~\)から斜辺\(~BA~\)に向け垂線\(~CH~\)を引く。

 このとき、直角と共通な角より、2組の角がそれぞれ等しいので、

\(\triangle ABC~\)∽\(~\triangle CBH ~~\cdots \)①
\(\triangle ABC~\)∽\(~\triangle ACH ~~\cdots \)②

である。
 
 ①より、
\begin{align}
AB : CB &= BC : BH \\
BC^2 &= AB \cdot BH \\
a^2 &= c \cdot BH ~~~\cdots ③
\end{align}
 また、②より、
\begin{align}
AB : AC &= AC : AH \\
AC^2 &= AB \cdot AH \\
b^2 &= c \cdot AH ~~~\cdots ④
\end{align}
 
 ③、④より、
\begin{align}
a^2+b^2&=c \cdot BH +c \cdot AH \\
&=c(BH+AH) \\
&=c \cdot AB \\
&=c^2
\end{align}
が求まった。 \(~\blacksquare\)

 斜辺を2つに分け、相似からそれぞれ\(~a~,~b~,~c~\)を使って表すことで証明できるというシンプルな方法でした。


Ⅲ 似たような証明

 今回の証明方法と似たようなものとして、次のようなものもあります。

証明

 上の証明の③、④より、
\begin{equation}
\displaystyle BH=\frac{a^2}{c}~~,~~AH=\frac{b^2}{c}
\end{equation}
が求まる。

 次に、\(~AB=c~\)を1辺とする正方形を\(~\triangle ABC~\)の逆側に作り、\(~CH~\)を図のように伸ばす。
 正方形の左側の面積を\(~S_1~\)、右側の面積を\(~S_2~\)とする。

 このとき、正方形の面積から
\begin{align}
\displaystyle S_1+S_2&=c^2 \\
\\
c \cdot \frac{a^2}{c}+c \cdot \frac{b^2}{c}&=c^2 \\
\\
a^2+b^2&=c^2
\end{align}
が求まった。 \(~\blacksquare\)

 ほぼ一緒です。これを1つとカウントするかどうか難しいところです・・・。


Ⅳ その他の証明方法

 数百ある証明の中から有名な証明方法をいくつか紹介します。是非いろいろな証明を見て、お気に入りの証明方法を見つけてください。
~順次作成中~
[pythagorastable]
他にもいろいろあるので、調べてみてください。


 補助線までシンプルです。三平方の定理は相似の直後に習うので、この証明が単元間のつながりとしてはベスト?

   
 
 


◇参考文献等
・「Pythagorean Theorem」,<https://www.cut-the-knot.org/pythagoras/index.shtml#6> 2020年1月16日アクセス

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この記事を書いた人

現役の中高一貫校教員で、授業中は数学史ネタをよく喋ります。
教職大学院時代に開設した「Fukusukeの数学めも」が、閲覧者の学習・興味の一助になれば幸いです。
ちなみにFukusukeは我が家のお気に入りのペンギンの人形(8歳)

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