根号を含む式の乗除の証明

 当たり前のように思える、ルートどうしのかけ算・割り算の公式。この公式が成り立つことを証明します。
Ⅰ 根号を含む式の乗除
Ⅱ 具体数による確認
Ⅲ 証明


目次

Ⅰ 根号を含む式の乗除

 中学3年生の単元「平方根」で出てくる、根号( $~\sqrt{\quad}~$ )を含む数どうしの乗除ですが、公式自体はそんなに難しくありません。

根号を含む式の乗除

  $~a > 0,b > 0~$ のとき、
\begin{align}
\sqrt{a} \times \sqrt{b}&=\sqrt{a \times b} \\
\\
\displaystyle \sqrt{a} \div \sqrt{b}&=\sqrt{a \div b} \\
\end{align}
が成り立つ。

 要は

$~\sqrt{\quad}~$ どうしのかけ算・割り算は、 $~\sqrt{\quad}~$ の中身どうしを計算すればよい。

ということです。
 
 例をいくつか挙げておきます↓↓

\begin{align}
&・\sqrt{2} \times \sqrt{3}=\sqrt{6} \\
\\
&・\sqrt{7} \times \sqrt{10}=\sqrt{70} \\
\\
&・\sqrt{10} \div \sqrt{2}=\sqrt{5} \\
\\
&・\displaystyle \sqrt{3} \div \sqrt{5}=\sqrt{\frac{3}{5}}=\left( \frac{\sqrt{15}}{5} \right) \\
\end{align}

$~\sqrt{\quad}$どうしのたし算・ひき算よりも簡単に計算できますが、簡単すぎるゆえに「なぜ?」という疑問に答えられない人が多いのではないでしょうか?
 
 まずは、そもそも本当に成り立っているのか!? という視点で見ていきたいと思います。


Ⅱ 具体数による確認

 2つの具体的な数を使って、かけ算を確かめてみます。

①  $~a=4,b=9~$ のとき
\begin{align}
\sqrt{4} \times \sqrt{9}&=2 \times 3 \\
&=6 \\
&=\sqrt{36}
\end{align}
 
②  $~a=2,b=3~$ のとき
有名な無理数の近似値とその語呂合わせ」より、
\begin{align}
\sqrt{2} &\fallingdotseq 1.41421356 \\
\sqrt{3} &\fallingdotseq 1.7320508 \\
\sqrt{6} &\fallingdotseq 2.449489 \\
\end{align}
なので、小数第7位までを近似値として計算すると、
\begin{align}
&\sqrt{2} \times \sqrt{3} \\
&\fallingdotseq 1.4142135 \times 1.7320508 \\
&=2.44948962404580 \\
\end{align}
となり、$ \sqrt{6}~$の近似値と酷似している。

 どちらの例からも、ルートの乗法の公式が裏付けられそうです。


Ⅲ 証明

 では、文字を使って一般に証明してみましょう。

証明

$~\sqrt{a} \times \sqrt{b}$の2乗を考えると、
\begin{align}
(\sqrt{a} \times \sqrt{b})^2&=(\sqrt{a} \times \sqrt{b})\times (\sqrt{a} \times \sqrt{b}) \\
&=\sqrt{a} \times \sqrt{b} \times \sqrt{a} \times \sqrt{b} \\
&=(\sqrt{a})^2 \times (\sqrt{b})^2 \\
&=a \times b
\end{align}
となる。
 
 ここで、 $~a > 0,b > 0~$ より、 $~\sqrt{a} \times \sqrt{b} > 0~$ 。
 よって、 $~a \times b~$ の平方根のうち、正のほうである$~\sqrt{a \times b}~$が、$\sqrt{a} \times \sqrt{b}~$と等しくなる。
 すなわち、
\begin{equation}
\sqrt{a} \times \sqrt{b}=\sqrt{a \times b}
\end{equation}
が示された。 $~\blacksquare~$
 
 
 また、$\sqrt{a} \div \sqrt{b}~$の2乗を考えると、
\begin{align}
\displaystyle (\sqrt{a} \div \sqrt{b})^2&=\left( \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}} \right)^2 \\
\\
&=\frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}} \times \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}} \\
\\
&=\frac{(\sqrt{a})^2}{(\sqrt{b})^2} \\
\\
&=\frac{a}{b} \\
\\
&=a \div b
\end{align}
となり、乗法と同様の議論より、
\begin{equation}
\sqrt{a} \div \sqrt{b}=\sqrt{a \div b}
\end{equation}
が示された。   $~\blacksquare~$

 2乗して計算した結果を、平方根でもどすことによって、どちらも証明されました。


 初見で証明するのはなかなか難しいかも!?


 
 


◇参考文献等
・(2016)『未来へひろがる 数学3』,p.51,啓林館.

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