算額タイムトンネル2

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向井湘吾さんの『算額タイムトンネル』2巻の読了記録です。
あらすじや感想だけでなく、話の中に出てきた数学的話題についても順次紹介していきます。
Ⅰ 本のデータ
Ⅱ あらすじ
Ⅲ 感想
Ⅳ 登場する数学的な話題


目次
  • 1. Ⅰ 本のデータ
  • 2. Ⅱ あらすじ
  • 3. Ⅲ 感想
  • 4. Ⅳ 登場する数学的な話題

Ⅰ 本のデータ

タイトル 算額タイムトンネル 2
著者 向井 湘吾
出版社 講談社タイガ
発売日 2018年7月18日
価格(税抜) 750円
ISBNコード 9784065121641


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Ⅱ あらすじ

 神社とその宝物殿にあった算額が焼失してから3年半。
 
 大学生になった真鍋波瑠は、幕末の和算家である橘実信との算額を通した出会いによって、過去が変わってしまったことに気づいていた。
 親友・千明との記憶も波瑠自身の脳内にしか残っておらず、消えた神社と共にそこでの千明との出会いそのものが無かったことになっている。
 波瑠は失われた過去を取り戻すため、高校の後輩の中林一貴とタイムトンネルの謎を研究していく・・・。
 
 一方、橘実信はフランスへ留学していた。フランスには時間旅行を本気で企てているソレル博士という数学者がいたからである。

 革命のための戦争が繰り広げられる中、算額の謎を解き明かし、もう一度おはる(波瑠)に会うことを目指して生き抜いていく・・・。
 
時代を隔てた2人の数学者は算額の謎を解き明かし、実信は波瑠に会えるのか? 波瑠は親友の記憶を取り戻すことができるのか??


Ⅲ 感想

 2巻で感じることは「カオス理論」や「バタフライ効果」ですね。ほんの些細なことでも過去を変えてしまうと、未来は大きく変わってしまうという理論です。
 
 波瑠が実信に算額を通じて上野での戦争のことを教えたり、本当はそこで死ぬはずの佐々井勝時を救ってしまったために、波瑠の世界が変わってしまったことがわかります。
 
 1巻の意味深な終わり方や衝撃の一文

真鍋波瑠は死んだ。

の意味がやっと理解できます。
 
 本来であれば146年も月日が経っているので、その程度の歪みではないような気もしますが・・・。と言いつつ時間旅行をしたことある人なんていないので、わかりませんけど(笑)
 
 面白いのは中林一貴が中林一貴であるという点。千明や前藤先輩は1巻のとき(本来の世界)とは別人物になっているのに対し、一貴はとある理由でそのままです。
 おかげさまで本当の事情を2人で語り合うことができるのですが、あくまで2巻(パラレルワールド)での会話なので、本来の世界にもどったら一貴という存在がどうなってしまうのかは見当がつきません。
 それでも本来の世界に戻ろうと画策する2人の姿は少々さみしく思えます。
 
 見どころはやはり終盤。実信と波瑠は時間の変換点で遭遇。とある人物の死が歴史を変えてしまったと予想を立て、その人物を救うことを企てます。
 2人で協力しつつも、時折出てくる算法勝負には心あたたまるシーンとなっています。
 
 時代を超えても同じように勝負ができる数学、いろいろな伏線が繋がってくる物語の進行にワクワクする一冊でした!!


Ⅳ 登場する数学的な話題

 この本の中で登場する数学的な話題を紹介しておきます。福助が興味を持った話題については、順次別ページで書き加えていきます。
また、本によってはネタバレにつながる話題もありますので、注意してクリックしてください。

数学的話題

 1巻からの伏線が片付いた2巻でした。続編が出るのか楽しみなシリーズです。

   
 
 


◇参考文献等
・向井湘吾(2018)『算額タイムトンネル 2』,講談社タイガ.

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Posted by Fuku