私学適性(数学)平成29年度解説 大問2

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 東京都私学教員適性検査の過去問(平成29年度)の答えを解説付きで載せています。
 問題集の解答例で、解法を調べたい際にご活用ください。
大問1
大問2(本ページ)
大問3
大問4
大問5


 他の年度については、コチラからどうぞ。


 問題集にも載っていますが、解答だけをまずは示します。
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解答


(1)  \(~\displaystyle \log{\left| \frac{x-1}{x+2} \right|}+C~\)
(2)  \(~x=-6+2\sqrt{10},y=-6-2\sqrt{10}~\)
(3)  \(~\displaystyle y’=x^{e^x}e^x \left( \log{x}+\frac{1}{x} \right)~\)
(4)  \(~0 < a < 80~\)
(5)  \(~\displaystyle \frac{\sqrt{5}}{2}~\)
(6)  \(~\displaystyle \frac{64}{81}~\)
(7) 最小値: \(~5~\) 、 \(~x~\) の値: \(~1~\)
(8)  \(~(a,b)=(8,8),(2,-4)~\)
(9)  \(~\log{5}~\)
(10)  \(~k=\displaystyle \frac{5}{2}~\) のとき、共通解は \(~2~\) 、 \(~k=\displaystyle -\frac{1}{2}~\) のとき、共通解は \(~\displaystyle \frac{-1 \pm \sqrt{15}i}{4}~\)


(1)

\begin{align}
&\displaystyle \int \frac{3}{x^2+x-2}dx \\
\\
&=3\int \frac{1}{(x-1)(x+2)}dx ・・・①
\end{align}
 
 ここで、 \(~\displaystyle \frac{1}{(x-1)(x+2)}~\) を部分分数分解する。
\begin{equation}
\displaystyle \frac{1}{(x-1)(x+2)}=\frac{a}{x-1}+\frac{b}{x+2}
\end{equation}
として、両辺に \(~(x-1)(x+2)~\) をかけると、
\begin{align}
1&=a(x+2)+b(x-1) \\
1&=ax+2a+bx-b \\
1&=(a+b)x+(2a-b) \\
\end{align}
となるため、
\begin{cases}
a+b=0 & \\
2a-b=1 &
\end{cases}
を解き、 \(~\displaystyle a=\frac{1}{3},b=-\frac{1}{3}~\) となる。
 よって、

\begin{equation}
\displaystyle \frac{1}{(x-1)(x+2)}=\frac{1}{3} \left( \frac{1}{x-1}-\frac{1}{x+2} \right) ・・・②
\end{equation}


\begin{align}
&\displaystyle \frac{1}{(x-1)(x+2)} \\
\\
&=\frac{1}{3} \left( \frac{1}{x-1}-\frac{1}{x+2} \right) ・・・②
\end{align}

である。
 
 ②を①に代入して、
\begin{align}
\displaystyle &3\int \frac{1}{3} \left( \frac{1}{x-1}-\frac{1}{x+2} \right) dx \\
\\
&=\int \frac{1}{x-1}-\frac{1}{x+2} dx \\
\\
&=\log{|x-1|}-\log{|x+2|}+C \\
\\
&=\log{\left| \frac{x-1}{x+2} \right|}+C
\end{align}


(2)

\begin{cases}
x+y-3xy=0 ・・・① & \\
-x-y+2xy=4 ・・・②&
\end{cases}
とする。
 
① \(~+~\) ②より、
\begin{align}
-xy&=4 \\
xy&=-4 ・・・③
\end{align}
であり、\( ①\times 2+② \times 3~\) より、
\begin{align}
-x-y&=12 \\
x+y&=-12 ・・・④
\end{align}
である。
 
 ③,④より、2次方程式の解の公式から、 \(~t^2+12t-4=0~\) の解 \(~t~\) が \(~x,y~\) であることがわかる。
 この \(~t~\) の2次方程式を解の公式で解くと、
\begin{align}
t&=-6 \pm \sqrt{40} \\
t&=-6 \pm 2\sqrt{10}
\end{align}
  \(~x \ge y ~\) より、 \(~x=-6+2\sqrt{10},y=-6-2\sqrt{10}~\) が求まった。


(3)

  \(~x > 0~\) より、 \(~x^{e^x} > 0~\) である。 \(~y=x^{e^x}~\) において、両辺自然対数をとると、
\begin{align}
\log{y}&=\log{x^{e^x}} \\
\log{y}&=e^x \log{x} \\
\end{align}
となる。この両辺を \(~x~\) で微分すると、
\begin{align}
\displaystyle \frac{1}{y}\cdot y’&=(e^x)’\cdot \log{x}+e^x \cdot (\log{x})’ \\
\\
\frac{1}{y}\cdot y’&=e^x \log{x}+e^x \cdot \frac{1}{x} \\
\\
y’&=ye^x \left( \log{x}+ \frac{1}{x} \right) \\
\\
y’&=x^{e^x} e^x \left( \log{x}+ \frac{1}{x} \right) \\
\end{align}
が求まった。


(4)

\begin{equation}
f(x)=x^3-3x^2-24x+a
\end{equation}
として、この \(~f(x)~\) を \(~x~\) で微分すると、
\begin{equation}
f'(x)=3x^2-6x-24
\end{equation}
となる。
  \(~f'(x)=0~\) となる \(~x~\) を求めると、
\begin{align}
3x^2-6x-24&=0 \\
x^2-2x-8&=0 \\
(x+2)(x-4)&=0 \\
x&=-2,4
\end{align}
であるため、 \(~f(x)~\) の増減表は次のように書ける。

 この増減表から、 \(~f(0)=0~\) が正の解を2個、負の解を1個持つように \(~y=f(x)~\) のグラフを書くと、

となる。
 
 このグラフから、満たすべき条件式は
\begin{cases}
f(-2) > 0 & \\
f(0) > 0 & \\
f(4) < 0 & \end{cases} であり、これらの不等式を解くと、 \begin{cases} a > -28 & \\
a > 0 & \\
a < 80 & \end{cases} となる。    以上の解をまとめて、 \(~0 < a < 80~\) が求まった。


(5)

  \(~\triangle ABC~\) の三辺の長さがわかっているので、ヘロンの公式を使うと、 \(~\displaystyle s=\frac{3+7+6}{2}=8~\) として、
\begin{align}
\triangle ABC&=\sqrt{8\cdot(8-3)\cdot(8-7)\cdot(8-6)} \\
&=\sqrt{8\cdot 5 \cdot 1 \cdot 2} \\
&=4\sqrt{5}
\end{align}
がわかる。
 
  \(~\triangle ABC~\) の内接円の半径を \(~r~\) とすると、
\begin{align}
\displaystyle \frac{1}{2}r(3+7+6)&=4\sqrt{5} \\
\\
8r&=4\sqrt{5} \\
\\
r&=\frac{\sqrt{5}}{2}
\end{align}
が求まった。


(6)

 Aが優勝するパターンは、AがBに

①勝勝勝 、②\(\underbrace{□□□}_{2勝1敗}~\) 勝 、③\(\underbrace{□□□□}_{2勝2敗}~\) 勝

の3パターン。
 
①のパターン
 Aが3試合連続で勝つので、
\begin{equation}
\displaystyle \left( \frac{2}{3} \right)^3=\frac{8}{27}
\end{equation}
 
②のパターン
 最初の3試合は反復試行、4試合目はAが勝つので、

\begin{align}
\displaystyle \left\{ {}_3\mathrm{C}_2 \cdot \left( \frac{2}{3} \right)^2 \cdot \left( \frac{1}{3} \right) \right\} \cdot \frac{2}{3} &=3\cdot \frac{4}{9} \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3} \\
\\
&=\frac{8}{27}
\end{align}


\begin{align}
&\displaystyle \left\{ {}_3\mathrm{C}_2 \cdot \left( \frac{2}{3} \right)^2 \cdot \left( \frac{1}{3} \right) \right\} \cdot \frac{2}{3} \\
\\
&=3\cdot \frac{4}{9} \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3} \\
\\
&=\frac{8}{27}
\end{align}

 
③のパターン
 最初の4試合は反復試行、5試合目はAが勝つので、

\begin{align}
\displaystyle \left\{ {}_4\mathrm{C}_2 \cdot \left( \frac{2}{3} \right)^2 \cdot \left( \frac{1}{3} \right)^2 \right\} \cdot \frac{2}{3} &=6\cdot \frac{4}{9} \cdot \frac{1}{9} \cdot \frac{2}{3} \\
\\
&=\frac{16}{81}
\end{align}


\begin{align}
&\displaystyle \left\{ {}_4\mathrm{C}_2 \cdot \left( \frac{2}{3} \right)^2 \cdot \left( \frac{1}{3} \right)^2 \right\} \cdot \frac{2}{3} \\
\\
&=6\cdot \frac{4}{9} \cdot \frac{1}{9} \cdot \frac{2}{3} \\
\\
&=\frac{16}{81}
\end{align}

 
 ①~③より、求めるべき確率は、
\begin{align}
\displaystyle \frac{8}{27}+\frac{8}{27}+\frac{16}{81}&=\frac{24}{81}+\frac{24}{81}+\frac{16}{81} \\
\\
&=\frac{64}{81}
\end{align}
となる。


(7)

  \(~x > -3~\) より、 \(~x+3 > 0~\) となるため、相加相乗平均の関係より、
\begin{align}
(与式)&=\left\{ (x+3)+\frac{16}{x+3} \right\}-3 \\
\\
&\ge 2\sqrt{(x+3)\cdot \frac{16}{x+3}} -3 \\
\\
&=2\sqrt{16}-3 \\
\\
&=5
\end{align}
 よって、最小値は \(~5~\) となる。
 
 また、最小値をとるのは \(~x~\) が次の式を満たすときなので、
\begin{align}
\displaystyle x+3&=\frac{16}{x+3} \\
(x+3)^2&=16 \\
x+3&=\pm 4 \\
x&=-7,1
\end{align}
であり、 \(~x > -3~\) から \(~x=1~\) が定まる。


(8)

  \(~8,a,b~\) の等差数列の公差を \(~d~\) とすると、
\begin{cases}
a=8+d & \\
b=8+2d &
\end{cases}
が成り立ち、 \(~d~\) を消去すると、
\begin{equation}
2a-b=8 ・・・①
\end{equation}
が求まる。
 
  \(~a,b,8~\) の等比数列の公比を \(~r~\) とすると、
\begin{cases}
b=ar & \\
8=ar^2 &
\end{cases}
が成り立ち、上の式を変形した \(~\displaystyle r=\frac{b}{a}~\) を下の式に代入すると、
\begin{align}
8&=a \left(\frac{b}{a} \right)^2 \\
\\
8&=\frac{b^2}{a} \\
\\
8a&=b^2 ・・・②
\end{align}
が求まる。
 
 ①を4倍して、
\begin{equation}
8a-4b=32 
\end{equation}
ここに、②を代入して方程式を解くと、
\begin{align}
b^2-4b&=32 \\
b^2-4b-32&=0 \\
(b+4)(b-8)&=0 \\
b&=-4,8
\end{align}
となる。①に代入すると、
\begin{equation}
(a,b)=(2,-4),(8,8)
\end{equation}
となるが、 \(~(a,b)=(8,8)~\) のときは、等差数列や等比数列にならないので不適。
 
 よって、 \(~(a,b)=(2,-4)~\) である。


(9)

  \(~5^x-1=t~\) とおく。このとき、 \(~x \to 0~\) なので、 \(~t \to 0~\) となる。
  \(~5^x=t+1~\) の両辺に \(~\log_{5}{}~\) をとると、 \(~x=\log_{5}{(t+1)}~\) である。
 これを与式に代入すると、
\begin{align}
\displaystyle (与式)&=\lim_{t \to 0}\frac{t}{\log_5{(t+1)}} \\
\\
&=\lim_{t \to 0}\frac{t}{\frac{\log{(t+1)}}{\log{5}}} \\
\\
&=\lim_{t \to 0}\frac{\log{5}}{\frac{1}{t}\log{(t+1)}} \\
\\
&=\lim_{t \to 0}\frac{\log{5}}{\log{(t+1)^{\frac{1}{t}}}} \\
\\
&=\frac{\log{5}}{\log{e}} \\
\\
&=\log{5}
\end{align}
が求まる。
 
※ロピタルの定理を使ってもできます。


(10)

 2つの二次方程式の共通解を \(~\alpha~\) とする。それぞれの方程式に代入して、
\begin{cases}
\alpha^2-k\alpha+1=0 ・・・①& \\
2\alpha^2+\alpha-4k=0 ・・・②&
\end{cases}
である。 \(~①\times 2-②~\) より、
\begin{align}
(-2k-1)\alpha+(2+4k)&=0 \\
-(2k+1)\alpha+2(2k+1)&=0 \\
(2k+1)(-\alpha+2)&=0 \\
\end{align}
となるので、 \(~\displaystyle k=-\frac{1}{2}~\) または \(~\alpha=2~\) である。
 
\(~\displaystyle k=-\frac{1}{2}~\) のとき
 ①と②はそれぞれ
\begin{cases}
\alpha^2+\frac{1}{2}\alpha+1=0 ・・・①’& \\
2\alpha^2+\alpha+2=0 ・・・②’ &
\end{cases}
となり、 \(~①’ \times 2=②’~\) であるため、 \(~②’~\) の方程式で解の公式を使うと、
\begin{align}
\displaystyle \alpha&=\frac{-1 \pm \sqrt{1-16}}{4} \\
\\
&=\frac{-1 \pm \sqrt{15}i}{4} \\
\end{align}
が求まる。
 
\(~\alpha=2~\) のとき
 ①と②はそれぞれ
\begin{cases}
4-2k+1=0 & \\
8+2-4k=0 &
\end{cases}
\begin{cases}
5-2k=0 ・・・①"& \\
10-4k=0 ・・・②"&
\end{cases}
となり、 \(~①" \times 2=②"~\) であるため、 \(~①"~\) の方程式を解くと、
\begin{align}
\displaystyle -2k&=-5 \\
\\
k&=\frac{5}{2}
\end{align}
が求まる。
 
 以上より、\(\displaystyle k=\frac{5}{2}~\) のとき、共通解は \(~2~\) 、 \(~\displaystyle k=-\frac{1}{2}~\) のとき、共通解は \(~\displaystyle \frac{-1 \pm \sqrt{15}i}{4}~\) が求まった。


 ヘロンの公式やロピタルの定理を知っていると、素早く解けそうです。

 
 
 
 


◇参考文献等
・『私学教員適性検査問題集 数学(平成29年度~31年度)』

本の解説本の解説

Posted by Fuku