私学適性(数学)平成29年度解説 大問4

本の解説確率本の解説

 東京都私学教員適性検査の過去問(平成29年度)の答えを解説付きで載せています。
 問題集の解答例で、解法を調べたい際にご活用ください。
大問1
大問2
大問3
大問4(本ページ)
大問5


 他の年度については、コチラからどうぞ。


 問題集にも載っていますが、解答だけをまずは示します。
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解答



(1)  \(~\displaystyle p_{n+1}=\frac{2}{5}p_n +\frac{1}{5},q_{n+1}=\frac{2}{5}q_n +\frac{2}{5}~\)


(1)  \(~\displaystyle p_{n+1}=\frac{2}{5}p_n +\frac{1}{5},~\)
\(~\displaystyle q_{n+1}=\frac{2}{5}q_n +\frac{2}{5}~\)


(2)  \(~\displaystyle p_{n}=\frac{4}{15} \cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1} +\frac{1}{3},q_{n}=-\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1} +\frac{2}{3}~\)


(2)  \(~\displaystyle p_{n}=\frac{4}{15} \cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1} +\frac{1}{3},~\)
\(~\displaystyle q_{n}=-\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1} +\frac{2}{3}~\)

(3)  \(~\displaystyle \lim_{n \to \infty}p_n=\frac{1}{3},\lim_{n \to \infty}q_n=\frac{2}{3}~\)


(1)

 箱Aから赤玉がとられる確率は \(~\displaystyle \frac{3}{5}~\) 、白玉がとられる確率は \(~\displaystyle \frac{2}{5}~\) であり、箱Bから赤玉がとられる確率は \(~\displaystyle \frac{1}{5}~\) 、白玉がとられる確率は \(~\displaystyle \frac{4}{5}~\) である。
 
  \(~n~\) 回目の試行で赤玉をとった場合、 \(~n+1~\) 回目は箱Aから玉をとり、 \(~n~\) 回目の試行で白玉をとった場合、 \(~n+1~\) 回目は箱Bから玉をとるため、確率推移を図にすると、
\(~p_n,q_n,p_{n+1},q_{n+1}~\) を使ってであり、これをもとに \(~n~\) 回目と \(~n+1~\) 回目の関係を式で表すと、
\begin{cases}
\displaystyle p_{n+1}=\frac{3}{5}p_n+\frac{1}{5}q_n & \cdots① \\
\\
\displaystyle q_{n+1}=\frac{2}{5}p_n+\frac{4}{5}q_n & \cdots②
\end{cases}
となる。
 
 ここで、 \(~p_n+q_{n}=1~\) を使うと、①の式は、
\begin{align}
\displaystyle p_{n+1}&=\frac{3}{5}p_n+\frac{1}{5}(1-p_n) \\
\\
p_{n+1}&=\frac{3}{5}p_n+\frac{1}{5}-\frac{1}{5}p_n \\
\\
p_{n+1}&=\frac{2}{5}p_n+\frac{1}{5}\cdots③
\end{align}
であり、②の式は、
\begin{align}
\displaystyle q_{n+1}&=\frac{2}{5}(1-q_n)+\frac{4}{5}q_n \\
\\
q_{n+1}&=\frac{2}{5}-\frac{2}{5}q_n+\frac{4}{5}p_n \\
\\
q_{n+1}&=\frac{2}{5}q_n+\frac{2}{5}\cdots④
\end{align}
となる。


(2)

 ③の漸化式を特性方程式を使って、解けばよい。
 
\(~p_{n},p_{n+1}~\) を \(~x~\) とおくと、
\begin{align}
\displaystyle x&=\frac{2}{5}x+\frac{1}{5} \\
\\
\frac{3}{5}x&=\frac{1}{5}  \\
\\
x&=\frac{1}{3}
\end{align}
 と解ける。これにより、③は、
\begin{equation}
p_{n+1}-\frac{1}{3}=\frac{2}{5}\left( p_n-\frac{1}{3} \right) \\
\end{equation}
と式変形でき、この式は、公比 \(~\displaystyle \frac{2}{5}~\) 、初項 \(~\displaystyle p_1-\frac{1}{3}=\frac{3}{5}-\frac{1}{3}=\frac{4}{15}~\) の数列 \(~\displaystyle \left\{ p_n-\frac{1}{3} \right\}~\) を表すので、 \(~n \ge 2~\) のとき、一般項は
\begin{align}
\displaystyle p_n-\frac{1}{3}&=\left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}\cdot \frac{4}{15} \\
\\
p_n&=\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}+\frac{1}{3}
\end{align}
と求まる。
 
  \(~n=1~\) のとき、
\begin{align}
\displaystyle p_1&=\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^0+\frac{1}{3} \\
\\
&=\frac{4}{15}+\frac{1}{3} \\
\\
&=\frac{9}{15} \\
\\
&=\frac{3}{5}
\end{align}
 であるため、 \(~n=1~\) のときも成立する。
 
 以上より、
\begin{equation}
p_n=\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}+\frac{1}{3}
\end{equation}
が求まった。
 
 
 また、④についても同様に計算を行うことで、
\begin{equation}
q_n=-\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}+\frac{2}{3}
\end{equation}
が求まった。


 

(「同様に」の計算過程)を見る

 

 ※ちなみに、 \(~\displaystyle \frac{4}{15}=\frac{2}{5}\cdot \frac{2}{3}~\) なので、
\begin{equation}
p_n=\frac{2}{3}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n}+\frac{1}{3}  \\
\\
q_n=-\frac{2}{3}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n}+\frac{2}{3}
\end{equation}
とした方が美しい気がします・・・


(3)

 (2)で求めた \(~p_n,q_n~\) をそれぞれ代入して、 \(~\displaystyle \lim_{n \to \infty}\left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}=0~\) であることを考えると、
\begin{align}
\lim_{n \to \infty}p_n&= \lim_{n \to \infty} \left\{ \frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}+\frac{1}{3}
\right\} \\
\\
&=\frac{4}{15}\cdot 0+\frac{1}{3} \\
\\
&=\frac{1}{3}
\end{align}
\begin{align}
\lim_{n \to \infty}q_n&=\lim_{n \to \infty}\left\{ -\frac{4}{15}\cdot \left( \frac{2}{5} \right)^{n-1}+\frac{2}{3} \right\} \\
\\
&=-\frac{4}{15}\cdot 0+\frac{2}{3} \\
\\
&=\frac{2}{3}
\end{align}
が求まった。


 これまたよくある確率漸化式の問題。計算ミスにはくれぐれも注意!

 
 
 
 


◇参考文献等
・『私学教員適性検査問題集 数学(平成29年度~31年度)』

本の解説確率本の解説

Posted by Fuku