【一覧あり】友愛数の定義と求め方をわかりやすく解説!オイラーが見つけた関係式とは?

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 小説『博士の愛した数式』で登場し、一躍有名になった「友愛数」。

 $~220~$と$~284~$のように、お互いの約数の和(自分自身を除く)が相手の数になるという不思議な関係を持つこの数字のペアは、古代ギリシャのピタゴラスの時代から数学者たちを魅了し続けてきました。

 この記事では、そんな友愛数の定義に始まり、例や一覧、友愛数を求める歴史的な公式、未解決問題までを現役教員で数学史の先生であるFukusukeが徹底解説!

 サービト・イブン・クッラやオイラーといった偉大な数学者たちが発見した複雑な公式に驚くはずです。

この記事を書いた人

Fukusuke(ふくすけ)
数学史の先生

  1. 現役の中学・高校数学教員
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この記事を読んでわかること

友愛数とは?

 まずは、友愛数がどのような数なのか、その基本的な定義から見ていきましょう。

約数の和が互いの数と等しくなる組

 友愛数は「親和数」とも呼ばれ、英語では”amicable numbers“と表記されます。(amicableは「友好的な」の意味)

 その定義は、以下のように与えられます。

友愛数の定義

 異なる2つの自然数の組で、自分自身を除いた約数の和が互いに他方と等しくなる数のことを友愛数という。

 最も有名な友愛数のペアは、最小の組である$~220~$と$~ 284~$です。
 実際に計算をして、友愛数の定義を確認してみましょう。

友愛数の例(220と284)

 $~220~$の約数のうち、自身を除いたものの和は、

1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110 = 284

である。

 $~284~$の約数のうち、自身を除いたものの和は、

1+2+4+71+142 = 220

である。

 よって、自分自身を除いた約数の和が互いに他方と等しくなったので、$~220~$と$~284~$は友愛数である。

 このように、お互いを想い合うような美しい関係から「友愛数」という名前が付けられました。

 小川洋子著『博士の愛した数式』でも、以下のようなセリフが登場します。

「正解だ。見てごらん、この素晴らしい、続きの数字の連なりを。220の約数の和は284。284の約数の和は220。友愛数だ。滅多に存在しない組合せだよ。フェルマーだってデカルトだって、一組ずつしか見つけられなかった。神の計らいを受けた絆で結ばれ合った数字なんだ。美しいと思わないかい? 君の誕生日と、僕の手首に刻まれた数字が、これほど見事なチェーンでつながり合っているなんて」

『博士の愛した数式』より引用

ピタゴラスの時代には知られていた

 友愛数の歴史は古く、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(Pythagoras , 紀元前569頃~紀元前500頃)の時代にはすでに知られていたとされています。

ピタゴラス
ピタゴラス
(出典:The original uploader was Galilea at German Wikipedia., Public domain, via Wikimedia Commons)

 ピタゴラスは「万物は数なり」という思想のもと、数の性質に神秘的な意味を見出していました。
 彼にとって、完全数(その数字自身を除く約数の和がその数字自身に等しい自然数のこと)や友愛数は特別な崇拝の対象だったようです。

 有名な逸話として、ピタゴラスは「君の友とは誰か?」と問われた際に「もう一人の私だ」と答え、その例として$~220~$と$~284~$の組を挙げたと伝えられています。

 数を愛したピタゴラスでしたが、そんな彼でも友愛数はこの1組だけしか見つけられませんでした。

友愛数の最初の30組一覧

 ピタゴラス以降、長らく新しい友愛数は見つかりませんでしたが、9世紀になるとイスラームの数学者サービト・イブン・クッラなどによって新たな発見がなされ、さらに17世紀のフェルマーや18世紀のオイラーといった数学者たちが次々と友愛数を発見していきました。

 現在では、コンピュータの力を借りて膨大な数の友愛数が発見されています。
 ここでは、その中でも比較的小さな最初の30組を一覧表で紹介します。

小さい順小さい方の友愛数大きい方の友愛数発見者
1220284ピタゴラス(紀元前6世紀)
21,1841,210ニコロ・パガニーニ(1866年・イタリアの16歳の少年)
32,6202,924レオンハルト・オイラー(〜1747年)
45,0205,564レオンハルト・オイラー(〜1747年)
56,2326,368レオンハルト・オイラー(〜1747年)
610,74410,856レオンハルト・オイラー(〜1747年)
712,28514,595レオンハルト・オイラー(〜1747年)
817,29618,416サービト・イブン・クッラ(9世紀)、
ピエール・ド・フェルマー(1636年・再発見)
963,02076,084レオンハルト・オイラー(〜1747年)
1066,92866,992レオンハルト・オイラー(〜1747年)
1167,09571,145レオンハルト・オイラー(〜1747年)
1269,61587,633レオンハルト・オイラー(〜1747年)
1379,75088,730レオンハルト・オイラー(〜1747年)
14100,485124,155レオンハルト・オイラー(〜1747年)
15122,265139,815レオンハルト・オイラー(〜1747年)
16122,368123,152レオンハルト・オイラー(〜1747年)
17141,664153,176レオンハルト・オイラー(〜1747年)
18142,310168,730レオンハルト・オイラー(〜1747年)
19171,856176,336レオンハルト・オイラー(〜1747年)
20176,272180,848レオンハルト・オイラー(〜1747年)
21185,368203,432レオンハルト・オイラー(〜1747年)
22196,724202,444レオンハルト・オイラー(〜1747年)
23280,540365,084レオンハルト・オイラー(〜1747年)
24308,620459,380レオンハルト・オイラー(〜1747年)
25319,550430,402レオンハルト・オイラー(〜1747年)
26356,408399,592レオンハルト・オイラー(〜1747年)
27437,456455,344レオンハルト・オイラー(〜1747年)
28469,028528,412レオンハルト・オイラー(〜1747年)
29503,056514,736レオンハルト・オイラー(〜1747年)
30522,405525,915レオンハルト・オイラー(〜1747年)

※発見者の情報はWolfram MathWorldによる

 最初の30組はほとんどがオイラーによる発見である一方、2番目の友愛数はフェルマーもオイラーも見逃していたことになります。

 また、有名な数学者が発見した組としては、1638年にルネ・デカルトが $~9363584~$と$~ 9437056~$を発見しました。

 20世紀になり、コンピュータを使った友愛数探しが始まり、5000組以上がすでに見つかっています。
 また、2005年の時点で次に示した数が最大の友愛数です。

2005年時点の最大の友愛数

 2005年時点の最大の友愛数は、以下のように定義されている。

\begin{align*}
a&=2⋅5⋅11  \\
S& = 37 \cdot 173 \cdot 409 \cdot 461 \cdot 2136109 \cdot 2578171801921099 \cdot 68340174428454377539\\
p&=925616938247297545037380170207625962997960453645121 \\
q&=210958430218054117679018601985059107680988707437025081922673599999\\
\end{align*}

という4つの自然数に対して、次の自然数をつくる。

\begin{align*}
q_1&= (p+q)p^{235}-1\\
q_2 &= (p-S)p^{235}-1\\
\end{align*}

 このとき、次の2つの自然数$~n_1~,~n_2~$は友愛数である。

n_1 = aSp^{235}q_1~~~,~~ ~n_2 = aqp^{235}q_2

 ちなみに、$~n_1~,~n_2~$は共に24073桁の自然数で、$~p~,~q~,~q_1~,~q_2~$はすべて素数である。

 興味深いことに、現在までに見つかっている友愛数のペアは、すべて「偶数同士」または「奇数同士」の組です。

友愛数を求めるサービト・イブン・クッラの公式

 これらの友愛数は、一体どのようにして見つけられたのでしょうか。
 友愛数を体系的に見つけ出すための法則の一つである「サービト・イブン・クッラの公式」を紹介します。

条件が合えば友愛数を求められる式

 サービト・イブン・クッラ(Thābit ibn Qurra , 836年頃 〜 901年)は、9世紀に活躍したイスラム世界の偉大な数学者・天文学者です。

 彼は、友愛数を生成するための画期的な法則を発見しました。

サービト・イブン・クッラの公式

  $~n~$ を $~2~$以上の自然数とする。

\begin{align*}

p &= 3 \times 2^{n-1} - 1 \\

q &= 3 \times 2^n - 1 \\

r &= 9 \times 2^{2n-1} - 1

\end{align*}

に対して、 $~p, q, r~$ がすべて素数であるならば、

 $~2^n pq~$ と $~2^n r~$ は友愛数になる。

 この法則は、すべての友愛数を見つけられるわけではありません
  自明な反例を1つ挙げると、$~2^n pq~$ と $~2^n r~$はどちらも偶数を表すため、7番目の友愛数である12,285と14,595は見つかるはずがありません。

 しかし、条件を満たす$n$を見つけることで、友愛数のペアを効率的に生成することができます。

サービト・イブン・クッラの公式の使用例

 実際にこの法則を使って、友愛数を見つけてみましょう。

サービト・イブン・クッラの公式の例1( $~n=2~$ のとき)

  $~n=2~$ のとき、

\begin{align*}
p &= 3 \times 2^{2-1} - 1 = 5 \\
q &= 3 \times 2^2 - 1 = 11 \\
r &= 9 \times 2^{2 \times 2-1} - 1 = 9 \times 2^3 - 1 = 71
\end{align*}

となり、 $~p, q, r~$ は素数なので、次の $~2~$ つの数は友愛数である。

\begin{align*}
2^n pq &= 2^2 \times 5 \times 11 = 220 \\
2^n r &= 2^2 \times 71 = 284
\end{align*}

 ピタゴラスがすでに発見していた最小の友愛数ペア$~220~$と$~284~$が得られました。

サービト・イブン・クッラの公式の例2( $~n=3~$ のとき)

 $~n=3~$ のとき、

\begin{align*}
p &= 3 \times 2^{3-1} - 1 = 11 \\
q &= 3 \times 2^3 - 1 = 23 \\
r &= 9 \times 2^{2 \times 3-1} - 1 = 9 \times 2^5 - 1 = 287
\end{align*}

となり、 $~p~$ と $~q~$ は素数だが、 $~r~$ は素数でない( $~287 = 7 \times 41~$ )ため、友愛数にならない。

 このように$~p~,~q~,~r~$のいずれかが素数でなければ、サービト・イブン・クッラの公式から友愛数は生まれません

サービト・イブン・クッラの公式の例3( $~n = 4~$ のとき)
\begin{align*}
p &= 3 \times 2^{4-1} - 1 = 23 \\
q &= 3 \times 2^4 - 1 = 47 \\
r &= 9 \times 2^{2 \times 4-1} - 1 = 1151
\end{align*}

となり、 $~p, q, r~$ は素数なので、次の $~2~$ つの数は友愛数である。

\begin{align*}
2^n pq &= 2^4 \times 23 \times 47 = 17296 \\
2^n r &= 2^4 \times 1151 = 18416
\end{align*}

 サービト・イブン・クッラが8番目に小さい友愛数を見つけられた理由がわかりました。
 ちなみに、このペアは17世紀にピエール・ド・フェルマーによって再発見されています。

サービト・イブン・クッラの公式の証明

 この複雑な法則がなぜ成り立つのか、証明を見ていきましょう。

サービト・イブン・クッラの公式の証明

  $~p, q, r~$ は素数で、 $~2 < p < q < r~$ であるため、 $~2~,~ p~,~ q~,~ r~$ は互いに素である。

 そのため、 $~2^n pq~$ の自然数を除いた約数の和は、

(1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+p)(1+q)-2^n pq

と表せる。

 この式を変形していくと、

\begin{align*}
&(2^n pqの自分自身を除いた約数の和)\\
&= \underbrace{(1+2+2^2+\cdots+2^n)}_{\text{初項1、公比2、項数n+1 の等比数列の和}} \cdot (1+3 \cdot 2^{n-1})(1+3 \cdot 2^n-1)-2^n(3 \cdot 2^{n-1})(3 \cdot 2^n-1)\\
\\
&= \frac{1(2^{n+1}-1)}{2-1} \cdot 3 \cdot 2^{n-1} \cdot 3 \cdot 2^n-2^n(9 \cdot 2^{2n-1}-3 \cdot 2^{n-1}-3 \cdot 2^n+1) \\
&= (2^{n+1}-1) \cdot 9 \cdot 2^{2n-1}-9 \cdot 2^{3n-1}+3 \cdot 2^{2n-1}+3 \cdot 2^{2n}-2^n \\
&= 9 \cdot 2^{3n}-9 \cdot 2^{2n-1}-9 \cdot 2^{3n-1}+3 \cdot 2^{2n-1}+3 \cdot 2^{2n}-2^n \\
&= 9 \cdot 2^{3n-1}(2-1)-9 \cdot 2^{2n-1}+3 \cdot 2^{2n-1}(2+1)-2^n \\
&= 9 \cdot 2^{3n-1}-2^n-9 \cdot 2^{2n-1}+9 \cdot 2^{2n-1} \\
&= 2^n(9 \cdot 2^{2n-1}-1) \\
&= 2^n r
\end{align*}

となり、他方の自然数と一致した。 $ \cdots ① $ 

 同様に、 $~2^n r~$ の自分自身を除いた約数の和は、

 (1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+r)-2^n r 

と表せるため、この式を変形していくと、

\begin{align*}
&(2^nr の自分自身を除いた約数の和)\\

&= (1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+9 \cdot 2^{2n-1}-1)-2^n(9 \cdot 2^{2n-1}-1) \\

&= \frac{1(2^{n+1}-1)}{2-1} \cdot 9 \cdot 2^{2n-1}-9 \cdot 2^{3n-1}+2^n \\

&= 9 \cdot 2^{3n}-9 \cdot 2^{2n-1}-9 \cdot 2^{3n-1}+2^n \\

&= 9 \cdot 2^{3n-1}(2-1)-9 \cdot 2^{2n-1}+2^n \\

&= 9 \cdot 2^{3n-1}-9 \cdot 2^{2n-1}+2^n \\

&= 2^n(9 \cdot 2^{2n-1}-9 \cdot 2^{n-1}+1) \\

&= 2^n(3 \cdot 2^{n-1}-1)(3 \cdot 2^n-1) \\

&= 2^n pq

\end{align*}

となり、他方の自然数と一致した。 $~\cdots ②~$ 

 $~①,②~$より、 $~2^n pq~$ と $~2^n r~$ が友愛数であることが示された。$~\blacksquare~$

 このように、証明自体は単純な計算です。

友愛数を求めるオイラーの関係式

 サービト・イブン・クッラの公式を拡張したのが、友愛数を約60組ほど求めた18世紀の天才数学者レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler , 1707年 〜 1783年)です。

オイラー
(出典:Jakob Emanuel Handmann, Public domain, via Wikimedia Commons)

サービト・イブン・クッラの公式の一般化

 オイラーは、サービト・イブン・クッラの公式を一般化した公式を発見しました。

友愛数を求めるオイラーの関係式

 自然数 $~m, n~$ が $~1 \leq m < n~$ を満たすとする。

\begin{align*}

p &= (2^{n-m}+1) \times 2^m - 1 \\

q &= (2^{n-m}+1) \times 2^n - 1 \\

r &= (2^{n-m}+1)^2 \times 2^{n+m} - 1

\end{align*}

に対して、 $~p, q, r~$ がすべて素数であるならば、

 $~2^n pq~$ と $~2^n r~$ は友愛数になる。

  $~m = n-1~$ のとき、サービト・イブン・クッラの公式になります。

 オイラーは友愛数を60組ほど求めたと言われていますが、彼の関係式で新たに見つけられた友愛数は実は$~(m,n) = ~(1,8)~,~(29,40)~$ の2組しか知られていません。

オイラーの関係式の使用例

では、オイラーの関係式で新たに見つかる友愛数の例を1つ見てみましょう。

オイラーの関係式の例( $~m=1, n=8~$ のとき)

  $~m=1, n=8~$ のとき、

\begin{align*}

p &= (2^{8-1}+1) \times 2^1 - 1 = 129 \times 2 - 1 = 257 \\

q &= (2^{8-1}+1) \times 2^8 - 1 = 129 \times 256 - 1 = 33023 \\

r &= (2^{8-1}+1)^2 \times 2^{8+1} - 1 = 129^2 \times 512 - 1 = 8520191

\end{align*}

となり、 $~p~,~ q~,~ r~$ は素数なので、次の2つの数は友愛数である。

\begin{align*}

2^n pq &= 2^8 \times 257 \times 33023 = 2172649216 \\

2^n r &= 2^8 \times 8520191 = 21811168896

\end{align*}

 サービト・イブン・クッラの公式よりも自由度は上がったものの、 $~p~,~ q~,~ r~$ がすべて素数になる$~m~,~n~$の組み合わせはなかなか見つからず、友愛数発見の契機にはなりませんでした。

 ただ、オイラーは類稀なる計算力によって、自身の関係式に頼らずとも友愛数を約60組ほど見つけています。

オイラーの関係式の証明

 サービト・イブン・クッラの公式と同様、オイラーの関係式についても証明をしてみましょう。

 文字数が増えているため、計算がより複雑にはなっていますが、単純な計算で証明できます。

オイラーの関係式の証明

  $~p, q, r~$ は素数で、 $~2 < p < q < r~$ であるため、 $~p, q, r~$ は互いに素である。

 そのため、 $~2^n pq~$ の自分自身を除いた約数の和は、

(1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+p)(1+q)-2^n pq \cdots ①

と表せる。

 $~①~$の各項を計算する。

\begin{align*}

&(1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+p)(1+q) \\

&= (2^{n+1}-1)\{1+(2^{n-m}+1) \times 2^m-1\}\{1+(2^{n-m}+1) \times 2^n-1\} \\

&= (2^{n+1}-1) \cdot (2^{n-m}+1) \cdot 2^m \cdot (2^{n-m}+1) \cdot 2^n \\

&= 2^{n+m}(2^{n+1}-1)(2^{n-m}+1)^2 \cdots ②

\end{align*}
\begin{align*}

&2^n pq\\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1) \times 2^m-1\}\{(2^{n-m}+1) \times 2^n-1\} \\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} - 2^m(2^{n-m}+1) - 2^n(2^{n-m}+1) + 1\} \\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} - 2^m(2^{n-m}+1)(1+2^{n-m}) + 1\} \\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} - (2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^m + 1\} \\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^m \cdot (2^n-1) + 1\} \\

&= 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2(2^n-1) + 2^n \cdots ③

\end{align*}

 $~②,③~$を$~①~$に代入することで、

\begin{align*}

&(2^n pqの自分自身を除く約数の和)\\

&= 2^{n+m}(2^{n+1}-1)(2^{n-m}+1)^2 - 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2(2^n-1) - 2^n \\

&= 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2\{(2^{n+1}-1) - (2^n-1)\} - 2^n \\

&= 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2(2^{n+1} - 2^n) - 2^n \\

&= 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^n(2-1) - 2^n \\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} - 1\} \\

&= 2^n r

\end{align*}

となり、他方の自然数と一致した。 $~\cdots ④~$ 

 次に、 $~2^n r~$ の自分自身を除いた約数の和

 (1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+r) - 2^n r \cdots ⑤

を計算する。

 $~⑤~$の各項をまず計算すると、

\begin{align*}

&(1+2+2^2+\cdots+2^n)(1+r) \\

&= (2^{n+1}-1)\{1+(2^{n-m}+1)^2 \times 2^{n+m} - 1\} \\

&= (2^{n+1}-1)(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} \\

&= 2^n(2^{n+1}-1)(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^m \cdots ⑥

\end{align*}
\begin{align*}

&2^n r\\
&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \times 2^{n+m} - 1\} \\

&= 2^n(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} - 2^n \cdots ⑦

\end{align*}

 $~⑥,⑦~$を$~⑤~$に代入することで、

\begin{align*}

&(2^n rの自分自身を除く約数の和)\\

&= 2^n(2^{n+1}-1)(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^m - 2^n(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m} + 2^n \\

&= 2^n\{(2^{n+1}-1)(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^m - (2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^{n+m}\} + 2^n \\

&= 2^n\{(2^{n-m}+1)^2 \cdot 2^m\{(2^{n+1}-1) - 2^n\}\} + 2^n \\

&= 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2\{2^n(2-1) - 1\} + 2^n \\

&= 2^{n+m}(2^{n-m}+1)^2(2^n-1) + 2^n \\

&= 2^n pq \quad (\because ③より)

\end{align*}

となり、他方の自然数と一致した。 $~\cdots ⑧~$ 

 $~④,⑧~$より、 $~2^n pq~$ と $~2^n r~$ が友愛数であることが示された。$~\blacksquare~$

友愛数に関連する話題

友愛数に関する未解決問題

友愛数の世界には、シンプルでありながら非常に難しい未解決問題がいくつか存在します。

未解決問題備考
友愛数の組は無限に存在するのか?素数が無限に存在することは古代ギリシャで証明されているものの、友愛数や完全数が無限にあるかどうかは、まだ証明されていない。多くの数学者は「無限に存在するだろう」と予想している。
偶数と奇数のペアは存在するか? これまでに発見された500組以上の友愛数はすべて偶数同士か奇数同士の組。異なる偶奇性を持つペアが存在するのか、あるいは存在しないのかは、まだだ分かっていません。

 自然数が無限に続く以上、こういった疑問が簡単に証明できないのが数論の奥深さです。

友愛数と似たような数の分類

 そもそも友愛数が生まれた背景には完全数の存在があり、また、友愛数から派生した数の組もあります。

種類定義最小の例
完全数自分自身を除いた約数の和が、自分自身と等しい数。$~6~$
(6の自身を除いた約数の和は、$~1+2+3=6~$である。)
婚約数1と自分自身を除いた約数の和が、互いに相手の数と等しいペア。$~48~$と$~75~$
(48の1と自身を除いた約数の和は$~2+3+4+6+8+12+16+24=75~$で、75の1と自身を除いた約数の和は$~3+5+15+25=48~$である。)
社交数3つ以上の数の組で、約数の和が次々と連なって元の数に戻るもの。$~12496~$と$~14288~$と$~15472~$と$~14536~$と$~14264~$
(12496の自身を除いた約数の和は14288、14288の自身を除いた約数の和は15472、15472の自身を除いた約数の和は14536、14536の自身を除いた約数の和は14264、14264の自身を除いた約数の和は12496)

 これらの数の存在は、単純な整数の性質がいかに豊かで多様な世界を形作っているかを示しています。

まとめ

 今回は、神秘的な「友愛数」について、その意味から歴史、求め方、そして関連する話題まで幅広く解説しました。

  • 友愛数とは、互いの約数の和(自身を除く)が相手の数になるペアのこと。
  • 最小のペアは$~220~$と$~ 284~$で、古代ギリシャのピタゴラスに知られていた。
  • サービト・イブン・クッラの法則やオイラーの公式で体系的に見つけられるものの、素数判定が必要。
  • 「無限に存在するか」など、現代数学でも未解決の謎が多く残されている。
  • 完全数や婚約数、社交数など、約数の和から生まれる面白い数の仲間がいる。

 一見すると単なる数字の遊びに見えるかもしれませんが、その背後には何世紀にもわたる数学者たちの情熱と探求の歴史があったのです。

2番目に小さい友愛数を発見したのが、少年であることにびっくり!

フェルマーやオイラー、デカルトなどもまさかそんなに小さい友愛数が発見されていないとは思わなかったんだろうね。

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