数学者ピタゴラスは何した人?功績やピタゴラス教団について解説!【数学史6-4】

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 後世の伝承の中で「三平方の定理と結びつけて語られてきた」古代ギリシャの思想家・ピタゴラス。

  • 三平方の定理を証明した人物として語られるが、現在ではピタゴラス本人の業績と断定するより、ピタゴラス学派に結びつく伝承として慎重に扱う必要がある。
  • 「万物は数なり」という思想と結びつけられ、音楽や天文学を数学的に捉えた学派の象徴的人物として語られてきた。

などで有名であり、「ピタゴラス数」や「ピタゴラス音階」といった彼の名を冠する言葉もいろいろと存在しています。
 
 ただし、ピタゴラス本人の著作は残っておらず、その生涯や業績の多くは後世の文献やピタゴラス学派に関する伝承を通して伝わったものです。
 そのため、本記事では「ピタゴラスが実際に行った確定的事実」としてではなく、「ピタゴラスまたはピタゴラス学派に結びつけて語られてきた内容」として慎重に紹介します。

 この記事では、ピタゴラスの数学の功績だけでなく、人生年表や活動場所、有名なエピソードを解説。

 実は、ピタゴラスは後世の語りの中で、数学と宗教的共同体を結びつけた教祖的存在としても描かれてきました。

この記事を書いた人

Fukusuke(ふくすけ)
数学史の先生

  1. 現役の中学・高校数学教員
  2. 重刷、ブログ累計200万PV達成
  3. 行間がなくなるほど丁寧な式変形で執筆中
この記事を書いた人

Fukusuke
(ふくすけ)
数学史の先生

  • 現役の中学・高校数学教員
  • は発売1ヶ月で即重刷
  • 当数学史ブログは累計200万PV達成
  • 行間がなくなるほど丁寧な式変形で記事を執筆

この記事を読んでわかること

ピタゴラスの生涯

 ピタゴラス(Pythagoras , B.C.569頃~B.C.500頃)は、古代ギリシャの思想家・数学者として語られる人物であり、タレスに続く初期ギリシャ数学の象徴的人物として紹介されることがあります。

ピタゴラス
<図1> ピタゴラス
(出典:The original uploader was Galilea at German Wikipedia., Public domain, via Wikimedia Commons)

ピタゴラスの年譜

 タレスやピタゴラスが生きていた時代の歴史は、紀元前4世紀頃まで口頭で後世へと伝わった部分が多く、細かな情報までは確定しにくい状況です。

 そのため、ピタゴラスの一生を表した年表は、確定した履歴というより、後世の伝承をもとにした大まかな整理として読む必要があります。

ピタゴラスの年譜
B.C.569年頃

イオニア地方のサモス島で生まれる

 父はムネサルコス、母はピュタイスという名で、商人の家庭に生まれ、2人の兄がいたと伝えられる。

若い頃

エジプトやバビロニアを旅したと伝えられる

 タレスの助言により留学した、特にバビロニアから様々なことを学んだ、とする伝承がある。

B.C.539頃

サモス島で講義をして暮らす

 最初は全く学生が集まらなかった。

B.C.529頃

クロトンに引っ越し、教団を創設する

 のちに「ピタゴラス教団」と呼ばれる共同体を作り、厳しい戒律の下で共同生活を送ったとされる。

B.C.500頃

 暴徒に襲われた、あるいは別の地で亡くなったと伝えられる

 教団の建物内で焼死した、豆畑の前で殺された、メタポンティオンという町まで逃げてから寿命で亡くなった等、いろいろな説が存在し、死の経緯も伝承の域を出ない。

ピタゴラスの活動場所

 ピタゴラスは幼い頃から算数と音楽の才能を見せたと伝えられ、サモス島の南東約50kmのミレトスに住むタレスから教えを受けたという話も残っています。

 後世の伝承では、タレスの助言を受けたピタゴラスが、若い頃にエジプトバビロニアへ留学したとされています。(ちなみに、タレスにも若い頃にエジプトとバビロニアを旅したという伝承があります)

 留学を終えて故郷のサモス島に戻り、講義をして暮らしていたものの、大きな成功にはつながらなかったと語られています。

 そこで、故郷を離れる決心をし、イタリアのシシリー(シチリア島)やターレントゥム(ターラント)を転々とし、最終的にはクロトンに落ち着いたと伝えられています。

 クロトネでピタゴラス教団と呼ばれる共同体を作り、数の研究を続けたとされています。ただし、教団の影響力を恐れて暴徒化した市民に焼き殺されたという話は、後世に伝わる複数の死の伝承の一つです。

 ピタゴラスの死については様々な説があり、暴徒に襲われた際にメタポンティオンまで逃げ、そこで死亡したとする説もあります。いずれも、史実として一つに確定するのは難しいと考えられます。

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