立方体倍積問題を研究したアルキュタスはどんな数学者?発明家としての顔も解説!【数学史6-14】

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 紀元前5~4世紀の古代ギリシャの哲学者かつ数学者で、ピタゴラス学派に属したアルキュタス。

 当時のアテネでは、流行していた疫病を止めるために立方体倍積問題を解くことが求められていました

 アルキュタスは、立方体倍積問題の解を見つけようとしたことでや数学の発展に大きく寄与したとされています。

 この記事では、アルキュタスの功績として特に注目される2の3乗根を立体的に作図した方法の概要、および発明家の顔も持っていたアルキュタスの生涯について解説します。

この記事で主に扱っている時代と場所
時代紀元前428年頃~紀元前360年頃
場所ギリシャ
この記事を読んでわかること

アルキュタスの生涯

 アルキュタス(Archytas , B.C.428頃~B.C.360頃)は、古代ギリシャのソフィスト(哲学者)かつ数学者で、ピタゴラス学派の伝統を引き継いだ人物でした。

<図1> アルキュタス
(出典:From Wikimedia Commons, the free media repository

アルキュタスの年譜

 アルキュタスは多才な人物で、哲学や数学以外にも政治学や工学にも長けていました。

 ただ、彼がいつ頃各分野で功績を残したのかまでは情報がありません。

アルキュタスの年譜
B.C.428年頃

ギリシャのタレンテ(ターレントゥム、ターラント)で生まれた

 彼が生まれた南イタリアの地域一帯は、マグナ・グラエキアとも呼ばれている。

生きている間
タレンテの将軍を7年間務めた

 彼が軍隊を指揮したときに敗れたことは一度もない。

生きている間

プラトンと交流した

 プラトンとマグナ・グラエキア滞在中に知り合い、彼に数学の重要性を教えた。
 また、プラトンがシラクサの僭主に殺されそうになったときに、書面を送って彼の命を救った。

生きている間

立方体倍積問題を研究した

 当時のアテネで考えられていた立方体倍積問題を立体的に作図した。

生きている間

機械仕掛けの道具を発明した

 数学的原理に基づく械学の論文も書き、機械仕掛けの鳩や赤ちゃんのガラガラを発明した。

B.C.360年頃

 死亡

 タレンテまたはアドリア海にて生涯を閉じた。

アルキュタスの活動場所

 アルキュタスが生まれ、主に活動したのは現在のイタリア南部に位置するタレンテです。

 この地では、ギリシャ本土との交流もあり、哲学や数学の研究で多くの時間を過ごしました。

 彼の没地については2つの説があり、生涯タレンテで過ごし静かな晩年を迎えたという説と、船での旅行中に不慮の事故でアドリア海に沈んでしまったという説です。

 後者の説に関しては、溺死体が砂浜に打ち上げられたものの、1人の水夫が見つけるまでは放置され続けるという悲惨な最期だったことも付随します。

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