私学適性(数学)令和3年度解説 大問2

本の解説本の解説

 東京都私学教員適性検査の過去問(令和3年度)の答えを解説付きで載せています。
 問題集の解答例で、解法を調べたい際にご活用ください。
大問1
大問2(本ページ)
※大問3~5に関しては、問題集の解答の中に解法まで載っています。


 他の年度については、コチラからどうぞ。


 問題集にも載っていますが、解答だけをまずは示します。
 問題番号をクリックすると、各問題の解説にスクロールします。

解答


(1)  ①\(~~~\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}~\)
   ②\(~~~\displaystyle \frac{\sqrt{2}+\sqrt{6}}{2}~\)
   ③\(~~~\displaystyle \frac{3+\sqrt{3}}{4}~\)
(2)  \(~x=-5k-1~,~y=2l-7 \ell+3~,~z=3 \ell -1~\) (\(~k~,~\ell~\)は整数)
(3)  \(~\displaystyle a=\frac{9}{2}~,~b=\frac{7}{2}~\)
(4)  ①\(~~~\displaystyle \frac{1}{3}\)
   ②\(~~~3~\)
(5)  \(~64~\)
(6)  \(~(~9~,~12~)~\)
(7)  \(~f(x)=-4x+5~~,~a=\displaystyle 2~,~\frac{1}{2}~\)
(8)  \(~72\pi^2~\)


(1)
(1)図 
 正弦定理より、
\begin{align}
2 \cdot 1 &=\frac{\sqrt{3}}{\sin{\theta}} \\
\\
2\sin{\theta}&=\sqrt{3} \\
\\
\sin{\theta}&=\frac{\sqrt{3}}{2}
\end{align}
と求まる。
 
 ①より、\(~\theta=60^{\circ}~\)なので、余弦定理より、
\begin{align}
(\sqrt{3})^2&=(\sqrt{2})^2+BC^2-2\cdot \sqrt{2} \cdot BC \cdot \cos{60^{\circ}} \\
\\
3&=2+BC^2-2\cdot \sqrt{2} \cdot BC \cdot \frac{1}{2} \\
\\
0&=BC^2-\sqrt{2}BC-1 \\
\end{align}
が成り立ち、ここで解の公式を使うことで、
\begin{align}
BC&=\frac{-(-\sqrt{2})\pm \sqrt{(-\sqrt{2})^2-4\cdot 1 \cdot (-1)}}{2 \cdot 1} \\
\\
&=\frac{\sqrt{2} \pm \sqrt{6}}{2}
\end{align}
であり、\(~BC > 0~\)より、\(~BC=\displaystyle \frac{\sqrt{2} + \sqrt{6}}{2}~\)と求まる。
 
 面積の公式を使うと、
\begin{align}
\triangle ABC&=\frac{1}{2} \cdot CA \cdot CB \cdot \sin{\theta} \\
\\
&= \frac{1}{2} \cdot \sqrt{2} \cdot \frac{\sqrt{2} + \sqrt{6}}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}}{8} (\sqrt{2} + \sqrt{6}) \\
\\
&=\frac{2\sqrt{3}+6}{8} \\
\\
&=\frac{\sqrt{3}+3}{4}
\end{align}
が求まる。


(2)
 与式の\(~y~,~z~\)の項を括ると、
\begin{equation}
6x+5(3y+7z)=4
\end{equation}
であり、\(~3y+7z=a~\)とすると、
\begin{equation}
6x+5a=4~~~\cdots ①
\end{equation}
で、特殊解の\(~x=-1~,~a=2~\)から、
\begin{equation}
6\cdot (-1)+5\cdot 2 =4~~~\cdots ②
\end{equation}
が成り立つ。
 
 \(①-②~\)より、
\begin{align}
6(x+1)+5(a-2) &=0 \\
6(x+1)&=-5(a-2)
\end{align}
で、\(~6~\)と\(~5~\)は互いに素であることから、
\begin{align}
x+1=-5k~&,~a-2=6k~~~(~k~は整数) \\
x=-5k-1~&,~a=6k+2
\end{align}
が求まる。
 
 次に、\(~y~,~z~\)を求める。
\begin{equation}
3y+7z=6k+2~~~\cdots ③
\end{equation}
で、特殊解の\(~y=2k+3~,~z=-1~\)から、
\begin{equation}
3\cdot (2k+3)+7\cdot (-1) =6k+2~~~\cdots ④
\end{equation}
が成り立つ。(\(~k~\)と定数の恒等式として特殊解を出す)
 
 \(③-④~\)より、
\begin{align}
3(y-2k-3)+7(z+1) &=0 \\
3(y-2k-3)&=-7(z+1)
\end{align}
で、\(~3~\)と\(~7~\)は互いに素であることから、
\begin{align}
y-2k-3=-7 \ell ~&,~z+1=3 \ell ~~~(~\ell~は整数) \\
y=2k-7\ell+3~&,~z=3 \ell -1
\end{align}
が求まった。


(3)
 \(~f(x)~\)を変形していく。
 \(~\sin^2{x}=1-\cos^2{x}~\)より、

\begin{align}
f(x)&=a\cos^2{x}+\sqrt{3}(a-b)\cos{x}\sin{x}+b(1-\cos^2{x}) \\
&=(a-b)\cos^2{x}+\sqrt{3}(a-b)\cos{x}\sin{x}+b \\
&=(a-b)(\cos^2{x}+\sqrt{3}\cos{x}\sin{x})+b
\end{align}

\begin{align}
&~~~f(x) \\
&=a\cos^2{x}+\sqrt{3}(a-b)\cos{x}\sin{x} \\
&~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~+b(1-\cos^2{x}) \\
&=(a-b)\cos^2{x}+\sqrt{3}(a-b)\cos{x}\sin{x}+b \\
&=(a-b)(\cos^2{x}+\sqrt{3}\cos{x}\sin{x})+b
\end{align}

であり、2倍角の公式を変形した\(~\displaystyle \cos^2{x}=\frac{\cos{2x}+1}{2}~\)、\(~\displaystyle \cos{x}\sin{x}=\frac{1}{2}\sin{2x}~\)をそれぞれ代入し、

\begin{align}
f(x)&=(a-b)\left( \frac{\cos{2x}+1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{2x} \right)+b \\
\\
&=(a-b)\left( \frac{\cos{2x}}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{2x}+\frac{1}{2} \right)+b \\
\\
&=(a-b)\left( \frac{1}{2} \cdot \cos{2x}+\frac{\sqrt{3}}{2} \cdot \sin{2x}+\frac{1}{2} \right)+b \\
\end{align}

\begin{align}
&~~~f(x) \\
\\
&=(a-b)\left( \frac{\cos{2x}+1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{2x} \right)+b \\
\\
&=(a-b)\left( \frac{\cos{2x}}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{2x}+\frac{1}{2} \right)+b \\
\\
&=(a-b)\left( \frac{1}{2} \cdot \cos{2x}+\frac{\sqrt{3}}{2} \cdot \sin{2x}+\frac{1}{2} \right)+b \\
\end{align}

となる。
 ここで、加法定理を使うことで、
\begin{equation}
f(x)=(a-b)\left\{ \cos{\left( \frac{\pi}{3}-2x \right) }+\frac{1}{2} \right\}+b
\end{equation}
であるため、\(~f(x)~\)が最大値\(~5~\)をとるのは\(~\displaystyle \cos{\left( \frac{\pi}{3}-2x \right) }=1~\)のときで、
\begin{align}
(a-b)\left( 1+\frac{1}{2} \right)+b&=5 \\
\\
\frac{3}{2}a-\frac{3}{2}b+b&=5 \\
\\
3a-b&=10 ~~~\cdots ①
\end{align}
が成り立つ。
 また、\(~f(x)~\)が最小値\(~3~\)をとるのは\(~\displaystyle \cos{\left( \frac{\pi}{3}-2x \right) }=-1~\)のときで、
\begin{align}
(a-b)\left( -1+\frac{1}{2} \right)+b&=3 \\
\\
-\frac{1}{2}a+\frac{1}{2}b+b&=3 \\
\\
-a+3b&=6 ~~~\cdots ②
\end{align}
が成り立つため、\(~①~,~②~\)を連立することで、
\begin{equation}
a=\frac{9}{2}~,~b=\frac{7}{2}
\end{equation}
が求まる。


(4)

\begin{equation}
(与式)=2\log_3{x}+( \log_3{x} )^2
\end{equation}
で、\(~\displaystyle \log_3{x}=t~\)とすると、
\begin{equation}
2t+t^2=(t+1)^2-1
\end{equation}
であり、\(~t=-1~\)のとき、最小値\(~-1~\)をとるので、
\begin{align}
\log_3{x}&=-1 \\
x&=3^{-1} \\
x&=\frac{1}{3}
\end{align}
と求まる。
 
 
\begin{equation}
(与式)=\log_3{xy} ~~~\cdots ①
\end{equation}
より、\(~xy~\)の最大値を求めればよい。
 \(~x=18-3y~\)を代入することで、
\begin{align}
xy&=(18-3y)y \\
&=-3y^2+18y \\
&=-3(y-3)^2+27 \\
\end{align}
であり、\(~\log_3{x}~,~\log_3{y}~\)より、\(~y~\)の変域は、
\begin{align}
18-3y > 0 ~&,~ y > 0 \\
y < 6 ~&,~ y > 0 \\
0 < &y < 6 \end{align} なので、\(~y=3~\)のときに\(~xy~\)は最大値\(~27~\)をとる。
 よって、\(~①~\)に代入して、
\begin{equation}
\log_3{27}=\log_3{3^3}=3
\end{equation}
と求まった。


(5)
 \(~n~\)群の最後の項の、全体の数列における順番を\(~a_n~\)項目とすると、
\begin{equation}
a_1=1~,~a_2=3~,~a_3=6~,~a_4=10~,~a_5=15
\end{equation}
という階差数列となっているため、
\begin{align}
a_n&=a_1+\sum_{k=1}^{n-1} (k+1) \\
\\
&=1+\frac{1}{2}n(n-1)+(n-1) \\
\\
&=\frac{1}{2}n^2+\frac{1}{2}n \\
\\
&=\frac{1}{2}n(n+1)
\end{align}
が求まり、\(~\displaystyle a_1=\frac{1}{2} \cdot 1 \cdot 2=1~\)も成り立っている。
 
 ここで、\(~2020~\)項目における自然数を\(~n~\)とすると、次のような関係になる。
数列
 すなわち、
\begin{align}
a_{n-1} &< 2020 \le a_{n} \\ \end{align} を満たす\(~n~\)を求めればよい。
 
 不等式を解くよりも、ある程度見当をつけて\(~n~\)の値を代入したほうが速い。
\begin{align}
a_{60}&=\frac{1}{2}\cdot 60 \cdot 61=1830 \\
\\
a_{61}&=\frac{1}{2}\cdot 61 \cdot 62=1891 \\
\\
a_{62}&=\frac{1}{2}\cdot 62 \cdot 63=1953 \\
\\
a_{63}&=\frac{1}{2}\cdot 63 \cdot 64=2016 \\
\\
a_{64}&=\frac{1}{2}\cdot 64 \cdot 65=2080
\end{align}
 よって、求めたい自然数は\(~64~\)となる。


(6)
\begin{align}
\vec{a}+t\vec{b}&=(~1+2t~,~8+t~) \\
\end{align}
より、\(~|\vec{a}+t\vec{b}|=15~\)の両辺を2乗して、
\begin{align}
1+4t+4t^2+64+16t+t^2&=225 \\
5t^2+20t-160&=0 \\
t^2-4t-32&=0 \\
(t-4)(t+8)&=0 \\
t&=4~,~-8
\end{align}
と求まる。
 
 ここで、
\begin{equation}
\vec{a}-2t\vec{b}=(~1-4t~,~8-2t~)
\end{equation}
であり、\(~t=4~\)を代入すると、
\begin{equation}
\vec{a}-2t\vec{b}=(~-15~,~0~)
\end{equation}
なので、\(~|\vec{a}-2t\vec{b}|=15~\)となる。
 
 同様に、\(~t=-8~\)を代入すると、
\begin{equation}
\vec{a}-2t\vec{b}=(~33~,~24~)
\end{equation}
なので、\(~|\vec{a}-2t\vec{b}|\neq 15~\)で不適。
 
 以上より、\(~t=4~\)のみとなり、求めたいベクトルは
\begin{equation}
\vec{a}+4\vec{b}=(~9~,~12~)
\end{equation}
となる。


(7)
\begin{equation}
\int_{x}^{a}f(t)~dt=-\int_{a}^{x}f(t)~dt
\end{equation}
であるため、与式に代入すると、
\begin{align}
-\int_{a}^{x}f(t)~dt&=2x^2-5x+2 \\
\\
\int_{a}^{x}f(t)~dt&=-2x^2+5x-2 ~~~\cdots ① \\
\end{align}
となり、両辺\(~x~\)で微分することで、
\begin{equation}
f(x)=-4x+5
\end{equation}
と求まる。
 
 これを、\(①\)に代入することで、
\begin{align}
\int_{a}^{x}-4t+5 ~dt&=-2x^2+5x-2 \\
\\
\left[ -2t^2+5t \right]_{a}^{x}&=-2x^2+5x-2 \\
\\
-2x^2+5x+2a^2-5a&=-2x^2+5x-2 \\
2a^2-5a+2&=0 \\
(a-2)(2a-1)&=0 \\
a&=2~,~\frac{1}{2}
\end{align}
と求まった。


(8)
 この円における\(~x~\)の変域は\(~-2 \le x \le 2~\)より、\(~4-x^2 \ge 0~\)なので、
\begin{align}
x^2+(y-9)^2&=4 \\
(y-9)^2&=4-x^2 \\
y-9&=\pm \sqrt{4-x^2} \\
y&=9 \pm \sqrt{4-x^2} \\
\end{align}
と変形でき、\(~y_1~,~y_2~\)を
\begin{equation}
y_1=9 + \sqrt{4-x^2}~,~y_2=9 – \sqrt{4-x^2}
\end{equation}
と定義する。
(8)図
 この円を\(~x~\)軸のまわりに1回転させてできる回転体の体積は、
\begin{align}
&~~~\int_{-2}^{2}y_{1}^2~dx-\int_{-2}^{2}y_{2}^2~dx \\
\\
&=2\pi \int_{0}^{2}y_{1}^2-y_{2}^2~dx \\
\\
&=2\pi \int_{0}^{2}(y_1+y_2)(y_1-y_2)~dx \\
\\
&=2\pi \int_{0}^{2}18 \cdot 2\sqrt{4-x^2}~dx \\
\\
&=72\pi \int_{0}^{2} \sqrt{4-x^2}~dx \\
\end{align}
であり、ここで\(~x=2\sin{\theta}~\)と置換することで、\(~\displaystyle \theta:0 \to \frac{\pi}{2}~\)、\(~\displaystyle \frac{dx}{d\theta}=2\cos{\theta}~\)より、
\begin{align}
&=72\pi \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{4-4\sin^2{\theta}}\cdot 2\cos{\theta}~d\theta \\
\\
&=72\pi \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} 2\cos{\theta} \cdot 2\cos{\theta}~d\theta \\
\\
&=288 \pi \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^2{\theta}~d\theta \\
\end{align}
となり、2倍角の公式\(~\displaystyle \cos{2\theta}=2\cos^2{\theta}-1~\)を利用して、
\begin{align}
&=288 \pi \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\cos{2\theta}+1}{2}~d\theta \\
\\
&=144 \pi \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos{2\theta}+1~d\theta \\
\\
&=144 \pi \left[ \frac{\sin{2\theta}}{2}+\theta \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}} \\
\\
&=144 \pi \cdot \frac{\pi}{2} \\
\\
&=72 \pi^2
\end{align}
と求まった。


 (6)は図形的に考える方法もありますが、どちらにせよ計算は大変そうです。
 でも、全体的に計算量は減少傾向にありますね。


 
 


◇参考文献等
・『私学教員適性検査問題集 数学(令和元年度~令和3年度)』

本の解説本の解説

Posted by Fuku