15°の三角比

数学Ⅰ三角比・三角関数数学Ⅰ

 30°、45°、60°の三角比の値は教科書で習いますが、今回は15°の三角比について考えてみます。
Ⅰ 15°の三角比の値
Ⅱ 求め方①(式から)
Ⅲ 求め方②(図形から)
Ⅳ 近似値

特殊な角の三角比として、「36°の三角比」もどうぞ。


目次
  • 1. Ⅰ 15°の三角比の値
  • 2. Ⅱ 求め方①(式から)
  • 3. Ⅲ 求め方③(図形から)
  • 4. Ⅳ 近似値

Ⅰ 15°の三角比の値

\(~15^{\circ}~\) の三角比は、次のような値となります。

15°の三角比

\begin{align}
\sin{15^{\circ}}&=\displaystyle \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4} \\
\\
\cos{15^{\circ}}&=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4} \\
\\
\tan{15^{\circ}}&=2-\sqrt{3}
\end{align}

 つまり、斜辺が \(~4~\) の直角三角形で表すと、

となるわけですね。
 
 30°、60°、90° や 45°、45°、90° ほどではないですが、それなりに整った数になっています。


Ⅱ 求め方①(式から)

 いろいろと求め方はありますが、まずは式だけで考える方法から紹介します。
 数学Ⅱで習う加法定理を利用します。

求め方(式から)

\begin{align}
\sin{15^{\circ}}&=\displaystyle \sin{(45^{\circ}-30^{\circ})} \\
\\
&=\sin{45^{\circ}}\cos{30^{\circ}}-\cos{45^{\circ}}\sin{30^{\circ}} \\
\\
&=\frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \frac{1}{2} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}}{4}-\frac{\sqrt{2}}{4} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}
\end{align}
\begin{align}
\cos{15^{\circ}}&=\displaystyle \cos{(45^{\circ}-30^{\circ})} \\
\\
&=\cos{45^{\circ}}\cos{30^{\circ}}+\sin{45^{\circ}}\sin{30^{\circ}} \\
\\
&=\frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \frac{1}{2} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}}{4}+\frac{\sqrt{2}}{4} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}
\end{align}
\begin{align}
\tan{15^{\circ}}&=\displaystyle \tan{(45^{\circ}-30^{\circ})} \\
\\
&=\frac{\tan{45^{\circ}}-\tan{30^{\circ}}}{1+\tan{45^{\circ}}\tan{30^{\circ}}} \\
\\
&=\frac{1-\frac{1}{\sqrt{3}}}{1+1\cdot \frac{1}{\sqrt{3}}} \\
\\
&=\frac{\sqrt{3}-1}{\sqrt{3}+1} \\
\\
&=\frac{(\sqrt{3}-1)(\sqrt{3}-1)}{(\sqrt{3}+1)(\sqrt{3}-1)} \\
\\
&=\frac{4-2\sqrt{3}}{2} \\
\\
&=2-\sqrt{3}
\end{align}

 単に計算するだけの求め方でした。
 
 その他にも半角の公式を使って、
\begin{equation}
\sin^2{15^{\circ}}=\displaystyle \frac{1-\cos{30^{\circ}}}{2}
\end{equation}
を計算しても求まります。(こちらは二重根号が出てきます・・・)


Ⅲ 求め方③(図形から)

 次に、15°、75°、90° の直角三角形に補助線を引くことで、図形的に求める方法を紹介します。
 
 意味自体は中Ⅲでも理解できますが、最後に二重根号を外す作業があるため、数Ⅰの知識が最低でも必要です。

求め方(図形から)

 下のような直角三角形を考える。

 \(~\angle DBC=60^{\circ}~\)となるように、\(~AC~\)上に\(~D~\)をとると、\(~\triangle DBC~\)は 30°、60°、90° の直角三角形となり、また\(~\triangle DAB~\)は 15°、15°、150° の二等辺三角形となる。
 
 そのため、下の図のように長さがわかる。

 ここで、三平方の定理より、
\begin{align}
AB^2&=1^2+(2+\sqrt{3})^2 \\
&=1+4+4\sqrt{3}+3 \\
&=8+4\sqrt{3}
\end{align}
であり、両辺平方根をとることで、\(~AB~\)は、
\begin{align}
AB&=\sqrt{8+4\sqrt{3}} \\
&=\sqrt{8+2\sqrt{12}} \\
&=\sqrt{(\sqrt{6}+\sqrt{2})^2} \\
&=\sqrt{6}+\sqrt{2}
\end{align}
と求まる。

 よって、
\begin{align}
\sin{15^{\circ}}&=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{6}+\sqrt{2}} \\
\\
&=\frac{1\cdot (\sqrt{6}-\sqrt{2})}{(\sqrt{6}+\sqrt{2})(\sqrt{6}-\sqrt{2})} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4} \\
\end{align}
\begin{align}
\cos{15^{\circ}}&=\displaystyle \frac{2+\sqrt{3}}{\sqrt{6}+\sqrt{2}} \\
\\
&=\frac{(2+\sqrt{3})(\sqrt{6}-\sqrt{2})}{(\sqrt{6}+\sqrt{2})(\sqrt{6}-\sqrt{2})} \\
\\
&=\frac{2\sqrt{6}-2\sqrt{2}+3\sqrt{2}-\sqrt{6}}{4} \\
\\
&=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4} \\
\end{align}
\begin{align}
\tan{15^{\circ}}&=\displaystyle \frac{1}{2+\sqrt{3}} \\
\\
&=\frac{1\cdot (2-\sqrt{3})}{(2+\sqrt{3})(2-\sqrt{3})} \\
\\
&=\frac{2-\sqrt{3}}{1} \\
\\
&=2-\sqrt{3}
\end{align}
と求まった。

 二重根号や分母の有理化が面倒ではあるものの、図形的な性質をうまく使って求めることができる方法でした。
 
 ちなみに、次のような図を使っても求めることができます。


Ⅳ 近似値

 最後にエクセルを使って、近似値を出してみましょう。

 赤字が、今回求めた式で算出した三角比の値。
 その下がExcel内で定義されている\(~sin~,~\cos~,~\tan~\)で求めた値です。
 
 見事に一致しています!!


 覚えていると意外と使う場面が多いんですよ~。
 補助線を引かないと本来は解けないような問題も解決できます。


 
 

他にもあります! 特殊な角の三角比↓