36°の三角比

数学Ⅰ三角比・三角関数数学Ⅰ

 30°、45°、60°の三角比の値は教科書で習いますが、今回は36°の三角比について考えてみます。
Ⅰ 36°の三角比の値
Ⅱ 求め方
Ⅲ 近似値



目次
  • 1. Ⅰ 36°の三角比の値
  • 2. Ⅱ 求め方
  • 3. Ⅲ 近似値

Ⅰ 36°の三角比の値

  \(~36^{\circ}~\) の三角比は、次のような値となります。

36°の三角比

\begin{align}
\sin{36^{\circ}}&= \frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4} \\
\\
\cos{36^{\circ}}&=\frac{\sqrt{5}+1}{4} \\
\\
\tan{36^{\circ}}&=\sqrt{5-2\sqrt{5}} \\
\end{align}

 つまり、斜辺が \(~4~\) の直角三角形で表すと、

という図になります。
 
 二重根号になってしまっているのが、ちょっと残念ですね・・・。


Ⅱ 求め方

 頂角が \(~36^{\circ}~\) の二等辺三角形から求めます。

求め方

\(~\cos{36^{\circ}}~\) の求め方
 次の図のような \(~AB=AC=1,\angle{A}=36°~\) の \(~\triangle ABC~\) を考える。

  \(~\angle{B}~\) の二等分線と \(~AC~\) の交点を \(~D~\) とする。
 
 このとき、 \(~\triangle DAB~\) や \(~\triangle BCD~\) も二等辺三角形となるので、 \(~BC=x~\) とすると、 \(~BD~\) や \(~AD~\) も \(~x~\) となる。

  \(~\triangle ABC~\) ∽ \(~ \triangle BCD~\) より、
\begin{align}
1:x&=x:(1-x) \\
x^2&=1-x \\
x^2+x-1&=0 \\
\\
x&=\displaystyle \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}
\end{align}
  \(~x > 0~\) より、 \(~x=\displaystyle \frac{-1 + \sqrt{5}}{2}~\)
 
  \(~B~\) から \(~AC~\) におろした垂線の足を \(~E~\) とすると、 \(~E~\) は \(~DC~\) の中点となるので、 \(~\displaystyle DE=\frac{1-x}{2}~\) となる。

 直角三角形 \(~BEA~\) に注目すれば、
 \begin{align}
\cos{36^{\circ}}&=\frac{AE}{1} \\
\\
&=AE \\
\\
&=\displaystyle x+\frac{1-x}{2} \\
\\
&=\frac{x}{2}+\frac{1}{2} \\
\\
&=\frac{-1 \pm \sqrt{5}}{4}+\frac{1}{2} \\
\\
&=\frac{1 \pm \sqrt{5}}{4}
\end{align}
であり、\(~\cos{36^{\circ}} > 0~\) より、
\begin{equation}
\cos{36^{\circ}}=\displaystyle \frac{\sqrt{5}+1}{4}
\end{equation}
と求まった。


\(~\sin{36^{\circ}}~\) の求め方
  \(~\sin^2{36^{\circ}}+\cos^2{36^{\circ}}=1~\) なので、
\begin{align}
\sin^2{36^{\circ}}&=1-\displaystyle \left( \frac{1+\sqrt{5}}{4} \right)^2 \\
\\
&=1-\frac{1+2\sqrt{5}+5}{16} \\
\\
&=\frac{10-2\sqrt{5}}{16}
\end{align}
であり、\(~\sin{36^{\circ}} > 0~\) より、
\begin{equation}
\sin{36^{\circ}}=\displaystyle \frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}
\end{equation}
と求まった。


\(~\tan{36^{\circ}}~\) の求め方
  \(~1+\tan^2{36^{\circ}}=\displaystyle \frac{1}{\cos^2{36^{\circ}}}~\) なので、
\begin{align}
\tan^2{36^{\circ}}&=\displaystyle \left( \frac{4}{1+\sqrt{5}} \right)^2-1 \\
\\
&=\frac{16}{6+2\sqrt{5}}-1 \\
\\
&=\frac{16(6-2\sqrt{5})}{(6+2\sqrt{5})(6-2\sqrt{5})}-1 \\
\\
&=\frac{16(6-2\sqrt{5})}{16}-1 \\
\\
&=6-2\sqrt{5}-1 \\
\\
&=5-2\sqrt{5}
\end{align}
であり、\(~\tan{36^{\circ}} > 0~\) より、
\begin{equation}
\tan{36^{\circ}}=\displaystyle \sqrt{5-2\sqrt{5}}
\end{equation}
と求まった。

  \(~\cos{36^{\circ}}~\) の値がきれいだったため、それを使って \(~\sin{36^{\circ}},\sin{36^{\circ}}~\) を求めました。
 
 ちなみに、今回使用した二等辺三角形は、黄金比で有名な正五角形の中の星形に出てきます。


Ⅲ 近似値

 最後にエクセルを使って、近似値を出してみましょう。

 確かに、教科書に載っている「三角比の表」と同じ値が出てきました。


 私学適性検査では、「 \(~\cos{36^{\circ}}~\) の値を求めなさい。」という問題が出題されたことがあります。


 
 

他にもあります! 特殊な角の三角比↓