三平方の定理の証明⑭(相似を利用した証明3)

 三平方の定理には数百もの証明方法があります。今回は相似を利用した3つ目の証明方法について紹介します。


目次

Ⅰ 三平方の定理とは

 三平方の定理とは、次のような定理です。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)


上のような直角三角形で、次の等式が成り立つ。
\begin{equation}
a^2+b^2=c^2
\end{equation}

 直角三角形の2辺がわかれば、残りの1辺も求まるというもので、紀元前から測量等でも使われてきました。日本では中学3年生(義務教育!)で習います。
 長い歴史の中で、様々な人により、様々な証明が生み出されてきました。
 今回は2002年3月発行の『The Mathematical Gazette』というイギリスの数学教育雑誌で J.Barry Suttonが発表した、相似を使った証明方法を紹介します。
 

※相似を利用した証明はこれで3つ目!


Ⅱ 相似を利用した証明3

では、証明に入りましょう。

証明

証明の図1
 上図のような直角三角形$~ABC~$において、直線$~BA~$上に、$~AD=AE=b~$となる点$~D~,~E~$をそれぞれとる。
証明の図2
 この図において、$~C~,~D~,~E~$は$~A~$を中心とする半径$~b~$の円周上にあるため、直径$~DE~$に対する円周角より、$~\angle DCE=90^{\circ}~$である。
証明の図3
 ここで、
\begin{align}
\angle BCD&=\angle BCA-\angle ACD=90^{\circ}-\angle ACD \\
\angle ECA&=\angle DCE-\angle ACD=90^{\circ}-\angle ACD \\
\end{align}
なので、
\begin{equation}
\angle BCD=\angle ECA ~~~\cdots ①
\end{equation}
である。また、$~\triangle ACE~$は二等辺三角形なので、
\begin{equation}
\angle ECA=\angle BEC~~~\cdots ②
\end{equation}
とわかる。$①,②$より、
\begin{equation}
\angle BCD=\angle BEC~~~\cdots ③
\end{equation}
である。
 
 そして、共通な角より
\begin{equation}
\angle CBD=\angle EBC~~~\cdots ④
\end{equation}
なので、$③,④$より、$~\triangle BCD~$∽$~\triangle BEC~$(二角相等)。
 
 したがって、
\begin{align}
BC:BE&=BD:BC \\
a:(c+b)&=(c-b):a \\
a^2&=c^2-b^2 \\
a^2+b^2&=c^2
\end{align}
が求まった。 $~\blacksquare$

 相似によって生まれた1次の比例式から、いきなり三平方の定理の式が出てくるのが美しいですね。


Ⅲ その他の証明方法

 数百ある証明の中から有名な証明方法をいくつか紹介します。是非いろいろな証明を見て、お気に入りの証明方法を見つけてください。
~順次作成中~
[pythagorastable]
他にもいろいろあるので、調べてみてください。


$~90^{\circ}-共通角~$は、高校入試頻出のテクニックだよね。
ふくすけ笑顔
うん。しかも、円、相似、三平方と中3数学の幾何分野が集結しているのが面白いね。

◇参考文献等
・「Pythagorean Theorem」,<https://www.cut-the-knot.org/pythagoras/index.shtml#39> 2021年1月6日アクセス
・「Cambridge University Press」,<https://www.cambridge.org/core/journals/mathematical-gazette/article/abs/yet-another-proof-of-pythagoras-theorem/7C3C910448F6C40F2FBBA5DF42D805E3>2021年1月6日アクセス

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる