三平方の定理の証明①(ピタゴラスの証明)

 三平方の定理は、別名ピタゴラスの定理と呼ばれ、ピタゴラスが最初に証明したと言われています。
 その歴史と証明方法について解説します。

この記事を読んでわかること
  • なぜ三平方の定理がピタゴラスの定理とも呼ばれているか。
  • ピタゴラスが考えた、三平方の定理の証明方法
目次

Ⅰ 歴史

 三平方の定理は別名「ピタゴラスの定理」と呼ばれています。

 しかし、実際にこの定理を発見したのはピタゴラスPythagoras , B.C.569頃-B.C.500頃)ではなく、彼が生まれる約1000年前からバビロニアで知られていました。

 ピタゴラスは若い頃に、エジプトやバビロニアを旅していたため、そのときに知ったとされています。

Pythagoras
<図1> ピタゴラス
(出典:The original uploader was Galilea at German Wikipedia., Public domain, via Wikimedia Commons)

 では、なぜ三平方の定理に彼の名がついているのでしょうか?

 それは、ピタゴラスが三平方の定理を初めて証明したからです。

 ピタゴラスやタレスをはじめとする古代ギリシャの数学者たちは、「公式や定理がなぜ成り立つか?」という視点で物事を考えたため、その時代の数学が大きく発展しました。

Ⅱ ピタゴラスの証明方法

 バビロニアの人々が当たり前のように使っていた三平方の定理を、ピタゴラスがどのように示したのかを見てみましょう。

証明

 一辺が$~a+b~$である正方形において、その内部に一辺がそれぞれ$~a~$,$~b~$となる正方形を作る。

ピタゴラスの証明①
<図1> ピタゴラスの証明方法①

 次に、$~EH~,~EF$を結ぶ。
 この2つの線分は、辺の長さが$~a~,~b~$である長方形の斜辺となり、長さを$~c~$とおく。

ピタゴラスの証明方法②
<図2> ピタゴラスの証明方法②

 図2の直角三角形③、④を回転移動させることで、図3のようになる。

<図3> ピタゴラスの証明方法③

 中央の正方形の面積は$~c^2~$となり、これは正方形$~ABCD~$から直角三角形①~④を引いたものである。
 したがって、図2の$~a^2~$と$~b^2~$の和と等しくなるので、

c^2=a^2+b^2

が示された。■

 回転させて、正方形の中に正方形を作るのがミソです。

 数式を使わずに証明できるのがわかりやすくて良いですね。


なんでバビロニアの人たちは、証明をしなかったんだろう?

 バビロニアの人たちは三平方の定理を、建築などで直角を作るための道具としてしか使っていなかったからだよ。
 古代ギリシャでは、議論するという行為が流行っていたから、相手を納得させるために証明が必要だったんだ。

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