平面における魔方陣はよく知られていますが、今回は3次元の魔方陣、すなわち立方陣と呼ばれるものについて紹介します。
Ⅰ 立方陣とは
Ⅱ 立方陣の1ラインの和
Ⅲ 立方陣の例
★平面の魔方陣については、こちらから↓★
・「3×3の魔方陣の作り方」
・「3×3魔方陣のもつ性質」
・「3×3魔方陣のすごい性質」
・「積の魔方陣」
Ⅰ 立方陣とは
まず、平面の3×3の魔方陣は、次のようなものでした。(「3×3の魔方陣の作り方」より)
3×3魔方陣の定義は、「1~9の自然数を、3×3の正方形のマスに1つずつ入れ、縦・横・斜めの数の和が一定になる」というものでした。
今回考える3×3×3の立体の魔方陣、つまり立方陣の定義は次のように行います。
1~27の自然数を、3×3×3の立方体のブロックに1つずつ入れ、縦・横・上下の和が一定となるものを、3×3×3の立方陣と定義する。
厳密な意味での立方陣だと、立体の中心を通る対角線や、1つの面の中の対角線などの全てのラインの和が一定にならなければいけません。
しかし、3×3×3の場合はそのような数字の組み合わせはありません。
そのため、今回は最低限、縦・横・上下の計27ラインの和は一定となるようなものを考えます。
Ⅱ 立方陣の1ラインの和
立方陣に数字を埋めていく前に、1ラインの和がいくつになるのかを求めておきます。
使う数字である1~27の和は、$~\displaystyle \frac{27 \times 28}{2}=378~$。
下の図のように、縦ラインだけに注目すると、1段につき3ライン。全体で9ラインあるので、$~378 \div 9=42~$。
すなわち、1ラインの和は$~42~$と求まりました。
この記事では、これ以上は数学的に求めません。
(3×3の魔方陣とは比較にならないほど複雑なので・・・)
いろいろな3×3×3の立方陣を、次の章でお示しします。
(作り方はうまくまとめられたら記事にしようと思っています・・・)
Ⅲ 立方陣の例
何個か立方陣を作ってみました。縦・横・上下以外で、1ラインの和が42となっているところを探してみましょう。
この立方陣は、縦・横・上下以外に、和が42となっているのが5ラインあります。
見づらいので、数式も書いておきます。
$~22+5+15=42~$
$~16+11+15=42~$
$~13+14+15=42~$
$~20+14+8=42~$
$~13+27+2=42~$
縦・横・上下以外に16ラインあるのですが、そのうちの5ライン。
でも、これは序の口・・・
この立方陣は、縦・横・上下以外に、和が42となっているのが7ラインあります。
非常に見づらいので、数式を頼りましょう。
$~17+15+10=42~$
$~14+15+13=42~$
$~23+8+11=42~$
$~5+15+22=42~$
$~16+15+11=42~$
$~23+15+4=42~$
$~7+15+20=42~$
立方体の対角線が4ライン中3ライン揃っているのがすごいですね。
次で最後!!
この立方陣は、縦・横・上下以外に、和が42となっているのが10ラインあります。
超絶見づらいので、数式様にすがりしょう。
$~6+14+22=42~$
$~17+14+11=42~$
$~15+14+13=42~$
$~26+14+2=42~$
$~18+14+10=42~$
$~23+14+5=42~$
$~20+14+8=42~$
$~4+14+24=42~$
$~7+14+21=42~$
$~12+14+16=42~$
すべて中央の14を通っています。そして、対称形。
これが3×3×3立方陣の最も美しい形です。
他にもいろいろ作りましたが、10ラインを超えることはできませんでした。
今回の研究は以上です!!
3×3よりも検算が大変でした・・・。Excel様の力をお借りしましたが・・・
◇参考文献等
・青柳碧人(2014)『浜村渚の計算ノート 5さつめ』,pp.95-98,おこさま訳,新潮社.
・「立体魔方陣」,<http://nadamath2012.web.fc2.com/bushi/2004_mas2.pdf > 2020年5月19日アクセス
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