正多角形の面積の公式(一般化)

数学Ⅰ平面図形数学Ⅰ

 1辺の長さを \(~a~\) とした、正多角形の面積を一般化した形で求めます。
Ⅰ 面積の公式(一般化)
Ⅱ 例
Ⅲ 面積の公式(一般化)の証明
Ⅳ 円の面積へ


目次
  • 1. Ⅰ 面積の公式
  • 2. Ⅱ 例
  • 3. Ⅲ 面積の公式(一般化)の証明
  • 4. Ⅳ 円の面積へ

Ⅰ 面積の公式

 以前の記事で、正三角形から正六角形までの面積の求め方を紹介しました。(「正多角形の面積の公式」を参照)
 
 今回は、正 \(~n~\) 角形の面積、つまり一般化してみたいと思います。

正\(n\)角形の面積

 1辺の長さが \(~a~\) である正 \(~n~\) 角形の面積 \(~S_n~\) は、次の公式で求められる。
\begin{equation}
S_n=\displaystyle \frac{na^2}{4 \tan{\frac{\pi}{n}}}
\end{equation}

 パッと見、正五角形の面積公式よりもきれいで整っているようですが、 \(~\displaystyle \tan{\frac{\pi}{n}}=\tan{\frac{180^{\circ}}{n}}~\) の値が求まらない限りは正確な値が出ないので注意です。
 
 まずは実際に計算してみましょう。


Ⅱ 例

  \(~\displaystyle \tan{\frac{\pi}{n}}~\) の値がわかる \(~n~\) について、正 \(~n~\) 角形の面積を計算してみましょう。

① 正三角形
\begin{equation}
\displaystyle \tan{\frac{\pi}{3}}=\tan{60^{\circ}}=\sqrt{3}
\end{equation}
なので、1辺の長さが \(~a~\) の正三角形の面積は
\begin{align}
S_3&=\displaystyle \frac{3 \cdot a^2}{4 \cdot \sqrt{3}} \\
\\
&=\frac{3 \sqrt{3}}{12}a^2 \\
\\
&=\frac{\sqrt{3}}{4}a^2 \\
\end{align}
と求まる。
 
 
② 正四角形
\begin{equation}
\displaystyle \tan{\frac{\pi}{4}}=\tan{45^{\circ}}=1
\end{equation}
なので、1辺の長さが \(~a~\) の正四角形の面積は
\begin{align}
S_4&=\displaystyle \frac{4 \cdot a^2}{4 \cdot 1} \\
\\
&=a^2
\end{align}
と求まる。
 
 
③ 正五角形
 「36°の三角比」より、
\begin{equation}
\displaystyle \tan{\frac{\pi}{5}}=\tan{36^{\circ}}=\sqrt{5-2\sqrt{5}}
\end{equation}
なので、1辺の長さが \(~a~\) の正五角形の面積は
\begin{align}
S_5&=\displaystyle \frac{5 \cdot a^2}{4 \cdot \sqrt{5-2\sqrt{5}}} \\
\\
&=\frac{5 \cdot \sqrt{5+2\sqrt{5}}}{4 \cdot \sqrt{5-2\sqrt{5}}\sqrt{5+2\sqrt{5}}}a^2 \\
\\
&=\frac{5 \cdot \sqrt{5+2\sqrt{5}}}{4 \cdot \sqrt{25-20}}a^2 \\
\\
&=\frac{5 \cdot \sqrt{5+2\sqrt{5}}}{4 \cdot \sqrt{5}}a^2 \\
\\
&=\frac{\sqrt{5} \cdot \sqrt{5+2\sqrt{5}}}{4}a^2 \\
\\
&=\frac{\sqrt{25+10\sqrt{5}}}{4}a^2 \\
\end{align}
と求まる。
 
 
④ 正六角形
\begin{equation}
\displaystyle \tan{\frac{\pi}{6}}=\tan{30^{\circ}}=\frac{1}{\sqrt{3}}
\end{equation}
なので、1辺の長さが \(~a~\) の正六角形の面積は
\begin{align}
S_6&=\displaystyle \frac{6 \cdot a^2}{4 \cdot \frac{1}{\sqrt{3}}} \\
\\
&=\frac{6\sqrt{3}}{4}a^2 \\
\\
&=\frac{3\sqrt{3}}{2}a^2 \\
\end{align}
と求まる。
 
 
⑤ 正八角形
 半角の公式より、 \(~45^{\circ}~\) から \(~22.5^{\circ}~\) の三角比を求めると、
\begin{equation}
\displaystyle \tan{\frac{\pi}{8}}=\tan{22.5^{\circ}}=-1+\sqrt{2}
\end{equation}
なので、1辺の長さが \(~a~\) の正八角形の面積は
\begin{align}
S_8&=\displaystyle \frac{8 \cdot a^2}{4 \cdot (-1+\sqrt{2})} \\
\\
&=\frac{2(1+\sqrt{2})}{(-1+\sqrt{2})(1+\sqrt{2})}a^2 \\
\\
&=\frac{2+2\sqrt{2}}{-1+2}a^2 \\
\\
&=(2+2\sqrt{2})a^2
\end{align}
と求まる。
 
 
⑥ 正十二角形
 「15°の三角比」より、
\begin{equation}
\displaystyle \tan{\frac{\pi}{12}}=\tan{15^{\circ}}=2-\sqrt{3}
\end{equation}
なので、1辺の長さが \(~a~\) の正十二角形の面積は
\begin{align}
S_{12}&=\displaystyle \frac{12 \cdot a^2}{4 \cdot (2-\sqrt{3})} \\
\\
&=\frac{3(2+\sqrt{3})}{(2-\sqrt{3})(2+\sqrt{3})}a^2 \\
\\
&=\frac{6+3\sqrt{3}}{4-3}a^2 \\
\\
&=(6+3\sqrt{3})a^2
\end{align}
と求まる。

 求められそうな正 \(~n~\) 角形の面積を求めてみました。
 この公式を使わない、正三角形から正六角形までの面積の出し方は、「正多角形の面積の公式」に載せています。


Ⅲ 面積の公式(一般化)の証明

 なぜこのような公式となるのかを証明してみましょう。
 
 外接円を利用して求めます。

証明

 正 \(~n~\) 角形の中心 \(~O~\) と各頂点を結ぶことによってできる、 \(~n~\) 個の二等辺三角形について考える。

 その二等辺三角形の中の1つを \(~\triangle OAB~\) とし、下の図のような、正 \(~n~\) 角形の外接円を考える。

 この外接円の半径を \(~R~\) とすると、
\begin{align}
\triangle OAB&=\displaystyle \frac{1}{2}\cdot R \cdot R \cdot \sin{\frac{2\pi}{n}} \\
\\
&=\frac{1}{2}R^2 \sin{\frac{2\pi}{n}}\cdots ① \\
\end{align}
と表せる。
 
 ここで、 \(~R~\) を \(~a~\) で表すために、 \(~O~\) から \(~AB~\) へ垂線 \(~OH~\) を引く。
  \(~\triangle OAH~\) で、正弦の定義より、
\begin{align}
\displaystyle \sin{\frac{\pi}{n}}&=\frac{\frac{1}{2}a}{R} \\
\\
R&=\frac{a}{2\sin{\frac{\pi}{n}}} \cdots ②
\end{align}
 
 ②を①に代入して、
\begin{align}
\triangle OAB&=\displaystyle \frac{1}{2}\left( \frac{a}{2\sin{\frac{\pi}{n}}} \right)^2 \cdot \sin{\frac{2\pi}{n}}
\end{align}
であり、2倍角の公式を使って式変形していくと、
\begin{align}
&=\displaystyle \frac{1}{2} \cdot \frac{a^2}{4\sin^2{\frac{\pi}{n}}} \cdot 2\sin{\frac{\pi}{n}} \cos{\frac{\pi}{n}} \\
\\
&=\frac{a^2}{4\sin{\frac{\pi}{n}}}\cdot \cos{\frac{\pi}{n}} \\
\\
&=\frac{a^2}{4\frac{\sin{\frac{\pi}{n}}}{\cos{\frac{\pi}{n}}}} \\
\\
&= \frac{a^2}{4\tan{\frac{\pi}{n}}}
\end{align}
と求まる。
 
 正 \(~n~\) 角形は、 \(~\triangle OAB~\) \(~n~\) 個分なので、
\begin{align}
S_n&= \frac{na^2}{4\tan{\frac{\pi}{n}}}
\end{align}
が求まった。 \(~\blacksquare~\)

 外接円の中心角をうまく用いた考え方でした。


Ⅳ 円の面積へ

 余談ですが、先ほどの証明の①の式の極限を考えることで、円の面積を求めることもできます。
 
 

円の面積の導出

 正 \(~n~\) 角形の面積を \(~R~\) を使って表すと、①より、
\begin{equation}
S_n=\displaystyle \frac{1}{2}n \sin{\frac{2\pi}{n}} \cdot R^2
\end{equation}
と表せる。
 
  \(~n~\) を \(~+\infty~\) に近づけたとき、
\begin{align}
\displaystyle \lim_{n \to \infty}S_n&=\lim_{n \to \infty} \frac{1}{2}\cdot \frac{ \sin{\frac{2\pi}{n}}}{\frac{1}{n}} \cdot R^2 \\
\\
&=\lim_{n \to \infty} \frac{1}{2}\cdot \frac{ \sin{\frac{2\pi}{n}}}{\frac{1}{2\pi}\cdot \frac{2 \pi}{n}} \cdot R^2 \\
\\
&=\lim_{n \to \infty} \pi \cdot \frac{ \sin{\frac{2\pi}{n}}}{\frac{2 \pi}{n}} \cdot R^2 \\
\end{align}
であり、 \(~\displaystyle \frac{2 \pi}{n}=t~\) とすると、
\begin{align}
\displaystyle &=\lim_{t \to 0} \pi \cdot \frac{\sin{t}}{t} \cdot R^2 \\
\\
&=\pi \cdot 1 \cdot R^2 \\
\\
&=\pi R^2
\end{align}
と、円の面積の公式が求まる。

  \(~n~\) を大きくしていけばいくほど、確かに外接円に近づいていきます。↓↓



 この記事を書いているうちにふと気になったので、オマケで書いてみました。


 数学がつながった! という興奮。


 
 


数学Ⅰ平面図形数学Ⅰ

Posted by Fuku