私学適性(数学)平成29年度解説 大問1

本の解説本の解説

 東京都私学教員適性検査の過去問(平成29年度)の答えを解説付きで載せています。
 問題集の解答例で、解法を調べたい際にご活用ください。
大問1(本ページ)
大問2
大問3
大問4
大問5


 他の年度については、コチラからどうぞ。


 問題集にも載っていますが、解答だけをまずは示します。
 問題番号をクリックすると、各問題の解説にスクロールします。

解答


(1)  \(~(x-3)(x-2)(x+2)(x+3)~\)
(2)  \(~8192~\)
(3)  \(~\displaystyle \frac{1+\sqrt{5}}{4}~\)
(4)  \(~-512~\)
(5)  \(~30^\circ~\)
(6)  \(~\displaystyle \frac{2\sqrt{19}}{3}~\)
(7) 例: \(~x=17k+2,y=-28k-3~\) ( \(~k~\) は整数)
(8)  \(~a=4,b=6~\)
(9)  \(~4914~\)
(10)  \(~7.67~\)
(11)  \(~\displaystyle \frac{3}{20}~\)


(1)

\(~x^2+x=A~\) と置き換えると、
\begin{align}
(与式)&=(A-3)(A-15)+27 \\
&=A^2-18A+45+27 \\
&=A^2-18A+72 \\
&=(A-12)(A-6) \\
&=(x^2+x-12)(x^2+x-6) \\
&=(x+4)(x-3)(x+3)(x-2) \\
\end{align}
※上式でも正解にはなるが、各カッコ内の定数項を小さい順に並べると、
\begin{equation}
(x-3)(x-2)(x+3)(x+4)
\end{equation}
となる。


(2)

 二項定理
\begin{equation}
(a+b)^n=\displaystyle \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_k \cdot a^k \cdot b^{n-k}
\end{equation}
に、 \(~a=1,b=1~\) を代入すると、
\begin{equation}
(1+1)^n=\displaystyle \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_k \cdot 1^k \cdot 1^{n-k}
\end{equation}
すなわち、
\begin{equation}
2^n=\displaystyle \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_k ・・・①
\end{equation}
となる。
 
 与式は、①の右辺に \(~n=13~\) を代入したものなので、
\begin{align}
\displaystyle \sum_{k=0}^{13} {}_{13}\mathrm{C}_k&=2^{13} \\
\\
&=8192
\end{align}
となる。


(3)

 次の図のような \(~AB=AC=1,\angle{A}=36°~\) の \(~\triangle ABC~\) を考える。

  \(~\angle{B}~\) の二等分線と \(~AC~\) の交点を \(~D~\) とする。
  \(~BC=x~\) とすると、他の辺も \(~x~\) を使って表すことができ、 \(~\triangle ABC~\) ∽ \(~ \triangle BCD~\) より、
\begin{align}
1:x&=x:(1-x) \\
x^2&=1-x \\
x^2+x-1&=0 \\
\\
x&=\displaystyle \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}
\end{align}
  \(~x > 0~\) より、 \(~x=\displaystyle \frac{-1 + \sqrt{5}}{2}~\)
 
  \(~B~\) から \(~AC~\) におろした垂線の足を \(~E~\) とすると、

 \begin{align}
\cos{36^{\circ}}&=\frac{AE}{1} \\
\\
&=AE \\
\\
&=\displaystyle x+\frac{1-x}{2} \\
\\
&=\frac{x}{2}+\frac{1}{2} \\
\\
&=\frac{-1 \pm \sqrt{5}}{4}+\frac{1}{2} \\
\\
&=\frac{1+ \sqrt{5}}{4}
\end{align}
が求まる。


(4)

\begin{align}
&(1+\sqrt{3}i)^9 \\
&=\displaystyle \left\{ 2\left( \frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i \right) \right\}^9 \\
\\
&=\left\{ 2\left( \cos{\frac{\pi}{3}}+i\sin{\frac{\pi}{3}} \right) \right\}^9 \\
\\
&=512 \left( \cos{\frac{\pi}{3}}+i\sin{\frac{\pi}{3}} \right)^9 \\
\\
&=512(\cos{3\pi}+i\sin{3\pi}) \\
\\
&=512\cdot (-1) \\
\\
&=-512
\end{align}


(5)

\begin{equation}
|\vec{a}||\vec{b}|\cos{\theta}=\vec{a}\cdot \vec{b}
\end{equation}
より、
\begin{align}
4\cdot 6 \cdot \cos{\theta}&=12\sqrt{3} \\
\\
\cos{\theta}&=\displaystyle \frac{1}{2}\sqrt{3} \\
\\
\theta&=30^{\circ}
\end{align}


(6)

 2次関数 \(~y=-3x^2-4x+5~\) のグラフと、 \(~x~\) 軸の交点の \(~x~\) 座標を \(~\alpha,\beta(\alpha < \beta )~\) とする。
\(~-3x^2-4x+5=0~\) で、解と係数の関係から、
\begin{equation}
\alpha+\beta=\displaystyle -\frac{4}{3},\alpha \beta=-\frac{5}{3}
\end{equation}
となる。
 
 2次関数のグラフが、 \(~x~\) 軸から切り取る線分の長さは \(~\beta-\alpha~\) と表せるので、
\begin{align}
(\beta-\alpha)^2&=\beta^2-2\alpha\beta+\alpha^2 \\
&=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta \\
\\
&=\displaystyle \left( -\frac{4}{3} \right)^2 – 4 \cdot \left( -\frac{5}{3} \right) \\
\\
&=\frac{16}{9}+\frac{20}{3} \\
\\
&=\frac{76}{9}
\end{align}
 となる。
 
 よって、
\begin{equation}
\beta-\alpha=\displaystyle \frac{2\sqrt{19}}{3}
\end{equation}
 が求まる。


(7)

\begin{equation}
28\cdot 2+17 \cdot (-3)=5 \cdots\cdots①
\end{equation}
より、特殊解は \(~x=2,y=-3~\) である。
 
 元の式から①を引き、式変形していくと、

\begin{align}
28(x-2)+17(y+3)&=0 \\
28(x-2)&=-17(y+3) \cdots\cdots② \\
\end{align}


\begin{align}
28(x-2)+17(y+3)&=0 \\
28(x-2)=-17(y+3) &\cdots\cdots② \\
\end{align}

\(~28~\) と \(~17~\) は互いに素なので、
\begin{equation}
x-2=17k (kは整数) \cdots\cdots③
\end{equation}
よって、 \(~x=17k+2~\) である。
 
 また、③を②に代入すると、
\begin{align}
28 \cdot 17k&=-17(y+3) \\
28k&=-(y+3) \\
-28k&=y+3 \\
-28k-3&=y
\end{align}
となるため、以上より、
\begin{equation}
x=17k+2,y=-28k-3(kは整数)
\end{equation}


(8)

 出てくる数式をそれぞれ整理していく。
\begin{align}
(f \circ g)(x)&=f(g(x)) \\
&=f(ax+b) \\
&=3(ax+b)+4 \\
&=3ax+3b+4 \cdots\cdots①
\end{align}
\begin{align}
(g \circ f)(x)&=g(f(x)) \\
&=g(3x+4) \\
&=a(3x+4)+b \\
&=3ax+4a+b \cdots\cdots②
\end{align}
\begin{align}
f(2)&=3\cdot2+4 \\
&=10 \cdots\cdots③
\end{align}
\begin{align}
g(1)&=a+b \cdots\cdots④
\end{align}
\(~①=②~\) より、
\begin{equation}
3b+4=4a+b \cdots⑤
\end{equation}
\(~③=④~\) より、
\begin{equation}
a+b=10 \cdots⑥
\end{equation}
よって、 \(~⑤,⑥~\) の連立方程式を解くと、
\begin{equation}
a=4,b=6
\end{equation}


(9)

\(~1440~\) を素因数分解すると、
\begin{equation}
1440=2^5\cdot 3^2\cdot 5
\end{equation}
約数の総和」を求める式を使うと、

\begin{align}
&(1+2+2^2+2^3+2^4+2^5)(1+3+3^2)(1+5) \\
&=63 \cdot 13 \cdot 6 \\
&=4914
\end{align}


\begin{align}
&(1+2+\cdots+2^5)(1+3+3^2)(1+5) \\
&=63 \cdot 13 \cdot 6 \\
&=4914
\end{align}


(10)

 まず、 \(~a~\) を求める。平均値が \(~2a~\) なので、
\begin{align}
\displaystyle \frac{10+a+12+8+9+5}{6}&=2a \\
\\
44+a&=12a \\
\\
-11a&=-44 \\
\\
a&=4
\end{align}
よって、平均値は \(~2 \cdot 4=8~\) 。
 
 分散は、(2乗の平均)-(平均の2乗)でもとまるため、(2乗の平均)を求めると、
\begin{align}
\displaystyle &\frac{100+16+144+64+81+25}{6} \\
\\
&=\frac{430}{6} \\
\\
&=\frac{215}{3} \\
\end{align}
 したがって、分散は、
\begin{align}
\displaystyle &\frac{215}{3}-8^2 \\
\\
&=\frac{215}{3}-\frac{192}{3} \\
\\
&=\frac{23}{3} \\
\\
&\fallingdotseq 7.666
\end{align}
以上より、分散は \(~7.67~\) 。


(11)


  \(~PC=x~\) とする。内角二等分線の性質より、
\begin{align}
5:3&=(6-x):x \\
3(6-x)&=5x \\
18-3x&=5x \\
-8x&=-18 \\
x&=\displaystyle \frac{9}{4}
\end{align}
 また、 \(~BQ=y~\) とすると、外角二等分線の性質より、
\begin{align}
3:(y-6)&=5:y \\
5(y-6)&=3y \\
5y-30&=3y \\
2y&=30 \\
y&=15
\end{align}
 したがって、
\begin{align}
\displaystyle \frac{PC}{BQ}&=\frac{\frac{9}{4}}{15} \\
\\
&=\frac{9}{60} \\
\\
&=\frac{3}{20}
\end{align}


 難易度はまちまち。個人的には(2),(3)が知らないと解きづらいので難しいかなと思います。

   
 
 


◇参考文献等
・『私学教員適性検査問題集 数学(平成29年度~31年度)』

本の解説本の解説

Posted by Fuku