私学適性(数学)平成30年度解説 大問2

本の解説本の解説

 東京都私学教員適性検査の過去問(平成30年度)の答えを解説付きで載せています。
 問題集の解答例で、解法を調べたい際にご活用ください。
大問1
大問2(本ページ)
大問3
大問4
大問5


 他の年度については、コチラからどうぞ。


 問題集にも載っていますが、解答だけをまずは示します。
 問題番号をクリックすると、各問題の解説にスクロールします。

解答


(1)  \(~\displaystyle -2,\frac{1}{4}~\)
(2)  \(~2x-2~\)
(3)  \(~6~\)
(4)  \(~\displaystyle \frac{17}{36} ~\)
(5)  \(~576~\)
(6) 第 \(~45~\) 群
(7)  \(~1~\)
(8)  \(~(x,y,z)=(1,3,5)~\)
(9)  \(~-2~\)
(10)  \(~\displaystyle y=\frac{23}{11}x~\)


(1)

 与式の左辺を因数分解していく。
\begin{align}
x^3-3x^2+(m+2)x-2m&=0 \\
x^3-3x^2+mx+2x-2m&=0 \\
x(x^2-3x+2)+(x-2)m&=0 \\
x(x-2)(x-1)+(x-2)m&=0 \\
(x-2)\{ x(x-1)+m \}&=0 \\
(x-2)(x^2-x+m)&=0 \\
\end{align}
 これにより、解の1つは \(~x=2~\) とわかったため、次のように場合分けして考える。
 
 ①  \(~x^2-x+m=0~\) が \(~x=2~\) を解に持つ場合
  \(~x=2~\) を代入して、
\begin{align}
2^2-2+m&=0 \\
2+m&=0 \\
m&=-2
\end{align}
と求まる。このとき、
\begin{align}
x^2-x-2&=0 \\
(x-2)(x+1)&=0 \\
x&=2,-1
\end{align}
であるため、3重解にはならないことが確かめられた。
 
 ②  \(~x^2-x+m=0~\) が \(~x=2~\) 以外の重解となる場合
 判別式 \(~D~\) を使うと、
\begin{align}
(-1)^2-4\cdot 1 \cdot m&=0 \\
1-4m&=0 \\
\\
m&=\displaystyle \frac{1}{4}
\end{align}
と求まる。このとき、
\begin{align}
\displaystyle x^2-x+\frac{1}{4}&=0 \\
\\
4x^2-4x+1&=0 \\
(2x-1)^2&=0 \\
x&=\frac{1}{2}(\neq 2)
\end{align}
であるため、3重解にはならないことが確かめられた。
 
 以上①、②より、
\begin{equation}
\displaystyle m=-2,\frac{1}{4}
\end{equation}
が求まった。

 ※この解法は、しなさんにご指南いただきました。ありがとうございました。

ちなみにグラフで考えると・・・


 


(2)

  \(~f(x)~\) を \(~x+1~\) で割った余りは \(~-4~\) なので、商を \(~A(x)~\) とすると、
\begin{equation}
f(x)=(x+1)A(x)-4
\end{equation}
と表せる。よって
\begin{equation}
f(-1)=-4 \cdots ①
\end{equation}
 
 同様に、 \(~f(x)~\) を \(~x-3~\) で割った余りは \(~4~\) なので、商を \(~B(x)~\) とすると、
\begin{equation}
f(x)=(x-3)B(x)+4
\end{equation}
と表せる。よって
\begin{equation}
f(3)=4 \cdots ②
\end{equation}
 
 次に、 \(~f(x)~\) を \(~(x+1)(x-3)~\) で割ることを考えると、2次式で割るために余りは一次式である。よって、余りは \(~ax+b~\) で表せる。商を \(~C(x)~\) とすると、
\begin{equation}
f(x)=(x+1)(x-3)C(x)+ax+b
\end{equation}
と表せる。この式に①と②をそれぞれ代入すると、
\begin{cases}
f(-1)=-a+b = -4 & \\
f(3)=3a+b = 4 &
\end{cases}
であり、この連立方程式を解くと、 \(~a=2,b=-2~\) である。
 
 よって、余りは \(~2x-2~\) と求まった。


(3)

 まず、 \(~\alpha~\) を式変形していく。
\begin{align}
\alpha&=\sqrt{3}-i \\
\\
&=\displaystyle 2 \left( \frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{1}{2}i \right) \\
\\
&=2\left\{ \cos{\left( -\frac{\pi}{6} \right)}+i \sin{\left( -\frac{\pi}{6} \right)} \right\} \\
\end{align}
両辺 \(~n~\) 乗して、ド・モアブルの定理を適用すると、
\begin{equation}
\alpha^n=\displaystyle 2^n \left\{ \cos{\left( -\frac{\pi}{6}n \right)}+i \sin{\left( -\frac{\pi}{6}n \right)} \right\}
\end{equation}
となる。
 
  \(~\alpha^n~\) が整数となるためには、まず \(~\sin{}~\) の部分(虚数部分)が \(~0~\) にならなければいけない。それを満たす最小の自然数 \(~n~\) は、
\begin{equation}
\displaystyle \sin{\left( -\frac{\pi}{6}\cdot 6 \right)}=\sin{(-\pi)}=0
\end{equation}
より、 \(~n=6~\) 。このとき、 \(~\alpha^6~\) の値は、
\begin{align}
\alpha^6&=\displaystyle 2^6 \left\{ \cos{(-\pi)}+i \cdot 0 \right\} \\
&=64 \cdot (-1) \\
&=-64
\end{align}
と整数になるため、 \(~n=6~\) が求まった。


(4)

  \(~x^2+ax+b > 0~\) の解がすべての実数となるため、 \(~y=x^2+ax+b~\) のグラフが次のような形になる。

 すなわち、判別式が \(~D < 0~\) になるため、 \begin{align} D=a^2-4b &< 0 \\ a^2 &< 4b \end{align} を満たす \(~(a,b)~\) の組み合わせを見つければよい。
 
 下の表から、条件を満たすのは \(~17~\) 通りであるため、確率は \(~\displaystyle \frac{17}{36}~\) と求まった。


(5)

  \(~24~\) の倍数なので、 \(~24a~\) と表す。これを素因数分解すると、
\begin{equation}
24a=2^3 \cdot 3 \cdot a
\end{equation}
であり、この正の約数の個数が \(~21(=1 \times 21,3 \times 7)~\) 個であることを考える。
 
 「約数の個数」から、 \(~2^3 \cdot 3 \cdot a~\) の指数の組み合わせは、 \(~0~\) と \(~20~\) または \(~2~\) と \(~6~\) となる。
 
 しかし、すでに素因数 \(~2~\) と \(~3~\) があるため、 \(~0~\) と \(~20~\) の組み合わせは不適。
 
 また、すでに \(~2^3~\) が存在しているため、 \(~24a=2^2 \cdot 3^6~\) も不適。
 
 したがって、
\begin{align}
24a&=2^6 \cdot 3^2 \\
&=64 \cdot 9 \\
&=576
\end{align}
が求まった。


(6)

  \(~2017 ^div 2=1008 \cdot 1~\) より、 \(~2017~\) は \(~1009~\) 番目の奇数である。
 
  \(~n~\) 群には奇数が \(~n~\) 個入るので、 \(~n~\) 群までに入っている奇数の個数を \(~S_n~\) とすると、
\begin{align}
S_n&=1+2+3+\cdots+n \\
\\
&=\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k \\
\\
&=\frac{n(n+1)}{2}
\end{align}
となる。
 
 以上より、 \(~S_{n-1} < 1009 \le S_{n}~\) を満たす自然数 \(~n~\) を求めればよい。 \begin{align} \displaystyle \frac{(n-1)n}{2} &< 1009 \le \frac{n(n+1)}{2} \\ \\ (n-1)n &< 2018 \le n(n+1) \\ \end{align}  この不等式を満たす自然数 \(~n~\) は \(~45~\) ( \(~1980 < 2018 \le 2070~\) )
 
よって、 \(~45~\) 群であることが求まった。
 

 あてはまる \(~n~\) を探すのは大変そうに思えますが、「下1桁が5の自然数の2乗」より、 \(~45^2=2025~\) であることを知っていたため、すぐに予想がつきました。


(7)

 与式を変形すると、
\begin{align}
&\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \left( \frac{1}{3^n}+\frac{2}{5^n} \right) \\
\\
&=\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{3^n}+ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{2}{5^n}
\end{align}
となる。
 
 第1項の無限級数は、初項 \(~\displaystyle \frac{1}{3}~\) 、公比 \(~\displaystyle \frac{1}{3}~\) であり、第2項は初項 \(~\displaystyle \frac{2}{5}~\) 、公比 \(~\displaystyle \frac{1}{5}~\) であるため、
\begin{align}
&=\displaystyle \frac{\frac{1}{3}}{1-\frac{1}{3}}+\frac{\frac{2}{5}}{1-\frac{1}{5}}  \\
\\
&=\frac{\frac{1}{3}}{\frac{2}{3}}+\frac{\frac{2}{5}}{\frac{4}{5}} \\
\\
&=\frac{1}{2}+\frac{2}{4} \\
\\
&=1
\end{align}
と求まった。


(8)

  \(~x < y < z ~\) より、 \begin{align} 2xyz&=x+3y+4z \\ &< z+3z+4z \\ &=8z \end{align} と変形できる。したがって、 \begin{align} 2xyz &< 8z \\ xy &< 4 \end{align} であり、 \(~(x,y)=(1,2),(1,3)~\) が求まる。
 
\(~(x,y)=(1,2)~\) のとき
\begin{align}
 2\cdot 1 \cdot 2 \cdot z&=1+3\cdot 2 +4z \\
4z&=7+4z \\
0&=7
\end{align}
となり、不適。
 
\(~(x,y)=(1,3)~\) のとき
\begin{align}
 2\cdot 1 \cdot 3 \cdot z&=1+3\cdot 3 +4z \\
6z&=10+4z \\
2z&=10 \\
z&=5
\end{align}
となり、 \(~x < y < z ~\) を満たす。
 
 よって、 \(~(x,y,z)=(1,3,5)~\) が求まった。


(9)

  \(~\vec{a}=(4+t,-t,2\sqrt{2})~\) より、
\begin{align}
|\vec{a}|&=\sqrt{(4+t)^2+(-t)^2+(2\sqrt{2})^2} \\
&=\sqrt{16+8t+t^2+t^2+8} \\
&=\sqrt{2t^2+8t+24}
\end{align}
である。
 
  \(~x~\) 軸の正の向きの単位ベクトルを \(~\vec{b}=(1,0,0)~\) とすると、
\begin{align}
&|\vec{b}|=1 \\
\\
&\vec{a}\cdot \vec{b}=4+t
\end{align}
が求まる。
 
  \(~\vec{a}~\) と \(~\vec{b}~\) がなす角は \(~60^{\circ}~\) なので、以上の式を代入して計算すると、
\begin{align}
\vec{a}\cdot \vec{b}&=|\vec{a}||\vec{b}|\cos{60^{\circ}} \\
\\
\displaystyle 4+t&=\sqrt{2t^2+8t+24} \cdot 1 \cdot \frac{1}{2} \\
\\
8+2t&=\sqrt{2t^2+8t+24} \cdots ①\\
\end{align}
となり、両辺2乗して、
\begin{align}
64+32t+4t^2&=2t^2+8t+24 \\
2t^2+24t+40&=0 \\
t^2+12t+20&=0 \\
(t+2)(t+10)&=0 \\
t&=-2,-10
\end{align}
が求まる。
 
 しかし、①より、 \(~8+2t \ge 0~\) より、 \(~t=-10~\) は不適。
 
 よって、 \(~t=-2~\) が求まった。


(10)

 求めたい直線を \(~\ell~\) とする。

 直線 \(~5x-y=0~\) 上の点 \(~A(1,5)~\) をとり、直線 \(~x+3y=0~\) に関して \(~A~\) と対称な点を \(~B(a,b)~\) とする。
 このとき、 \(~B~\) は \(~\ell~\) 上にあり、 \(~AB~\) と直線 \(~x+3y=0~\) の交点を \(~C~\) とする。

  \(~AB~\) の中点は \(~\displaystyle \left( \frac{a+1}{2} , \frac{b+5}{2} \right)~\) と表せ、これが \(~C~\) 、すなわち直線 \(~x+3y=0~\) 上になるので、
\begin{align}
\displaystyle \frac{a+1}{2}+3\cdot \frac{b+5}{2}&=0 \\
\\
a+1+3b+15&=0 \\
\\
a+3b&=-16 \cdots ①
\end{align}
 
 また、 \(~AB~\) と直線 \(~x+3y=0~\) は直交するので、
\begin{align}
\displaystyle \frac{5-b}{1-a} \cdot \left( -\frac{1}{3} \right)&=-1 \\
\\
5-b&=3(1-a) \\
\\
5-b&=3-3a \\
\\
3a-b&=-2
\end{align}
となる。
 
 ①と②を連立することで、 \(~(a,b)=\displaystyle \left( -\frac{11}{5},-\frac{23}{5} \right)~\) が求まり、 \(~\ell~\) はこの点と原点を通る直線であるため、
\begin{equation}
\displaystyle y=\frac{23}{11}x
\end{equation}
が求まった。


 大問1と比べて、難易度が上がっています。この大問で差がついたはず!


 
 


◇参考文献等
・『私学教員適性検査問題集 数学(平成29年度~31年度)』

本の解説本の解説

Posted by Fuku